まほろ駅前多田便利軒 の商品レビュー
数ヶ月前、映画のほうを先に観た。こういった順番で物語をたどるのは初めてだったので最初は文章とイメージのギャップに戸惑ったものの、好きだった行天のキャラクターが文字として読めたのがよかった。なんというか、痛快で。
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2回目だった。何となくタイトルに覚えがあった。冒頭の数秒で読んだことがあることを思い出した。でも中身はほとんど覚えていない。読み進めると、半分ぐらいはそうだそうだそんな話だと思い出せた。
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川上弘美さんの中野商店みたいなふわっとしたのを勝手に想像してたけど、意外とバイオレンスありだった。でも楽しく読みました。
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二人の関係性がなんとも微妙におもしろく、依頼される仕事も背景がさまざまで面白かったです。こんな便利屋があると是非依頼してみたくなります。
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何年ぶりに読んだのか思い出せないけど再読。『墨のゆらめき』読んでから多田と行天に会いたかった。第135回直木賞受賞作。やっぱり面白かったしすごく良かった。バス停での出会いも2度あれば必然。行くところのない行天を迷惑に思いながら、便利屋の仕事と生活を共にしいつしか多田の心の空虚を埋...
何年ぶりに読んだのか思い出せないけど再読。『墨のゆらめき』読んでから多田と行天に会いたかった。第135回直木賞受賞作。やっぱり面白かったしすごく良かった。バス停での出会いも2度あれば必然。行くところのない行天を迷惑に思いながら、便利屋の仕事と生活を共にしいつしか多田の心の空虚を埋める存在になっていた。何をやるにも危なっかしい行天は、当て書きしたのかと思うほどドラマの松田龍平さんがハマっていたな。
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ドラマ化された時に気になって積読していたけれどやっと読了。まほろ市のモデルは町田市だと分かって読むとまた興味深く読めた。ドラマをしっかり見た記憶が曖昧になっているけどキャスティングはピッタリだと思った。もう一冊番外地を読み終えたらドラマをもう一度見たいな。
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多田と行天はもう瑛太と松田龍平で再生されてしまう。小指切断の描写が生々しく痛々しさが本を持つ手に直に伝わってくる。
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ライトなタッチで読みやすい。日常系?かな。 読みやすかったけどのめり込む感じがなかった 多田と行天の会話のテンポは気持ちいい
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ゆきずりで同居することになった便利屋と元同級生のトラブル解決物語。すごい面白いわけでもないけどなんだか人情味が出てきて最後読み終わってしまったら2人のその後が気になるような。続きも読んでしまうのだろうな。
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「あんたはきっと来年忙しくなる」 「旅をしたり、泣いたり笑ったりさ」 「とてもとても遠い場所。自分の心の中ぐらい遠い」 まほろ駅前の便利屋の多田が依頼を受けて「息子」として見舞いに行った曽根田のおばあちゃんの予言だ。 新年早々、多田は子犬を預りながら、市バスが間引き運転をしていな...
「あんたはきっと来年忙しくなる」 「旅をしたり、泣いたり笑ったりさ」 「とてもとても遠い場所。自分の心の中ぐらい遠い」 まほろ駅前の便利屋の多田が依頼を受けて「息子」として見舞いに行った曽根田のおばあちゃんの予言だ。 新年早々、多田は子犬を預りながら、市バスが間引き運転をしていないか監視をするという仕事をしていた。ふと気付くと子犬がいない。と、バス停のベンチに座っている男の膝に子犬は抱かれていた。 「お前、多田だろ」 その男は高校時代の同級生、行天だった。小指の傷で分かった。高校の工芸の時間、裁断機を使っていたとき、同級生がふざけていて、小指がスパッと飛んだ時の傷跡である。行天はその時すぐに拾ってくっつけたので、くっついてはいるが、いつまでも生々しい傷跡を残していた。 行天は小指が飛んだ時に「痛い」と言った以外は、高校時代、全く言葉を発しなかった。 だから、行天は高校時代、多田だけでなく、誰とも友達ではなかったのだが、何十年ぶりかであったその夜、自分から話しかけてきたのだ。 「あんた、今何の仕事してんの?なあなあ」とちゃらけた感じで。 真冬なのに、素足にサンダル。「今晩、多田の事務所に泊めてくれ」と言う。 二人ともずっとまほろ市にいたのに、高校卒業後会わなかった。行天は多田の予想に反して結婚歴があり、子供も一人いるということだった。多田は順調に幸せな人生を歩んでいるという行天の予想に反して、離婚して子供はいなかった。そして、大学を卒業して順調に就職したにもかかわらず、今は便利屋をしていた。行天は今は家族はおらず、帰るところも無いようだった。 そのまま行天は多田の事務所に居候を続け、たいして役に立たない従業員として働いた。 まほろ市は東京の町田市がモデルになっているそうである。 東京か神奈川かどっちつかずの町。夜はヤンキーであるれる町。東京都南西部最大の住宅街、歓楽街、電気街、書店街、学生街。スーパーもデパートも商店街も映画館もなんでも揃い、福祉と介護制度が充実している。まほろ市民として生まれた者は、なかなかまほろ市から出て行かず、一度出て行ってもまた帰ってくる割合が高いそうだ。 そんな、まほろ市の「便利屋」多田のところには、さまざまな依頼がくる。大抵は自分でやれないことはないのに人にやってもらいたい依頼。 依頼者の代わりに動物を預かったり、探し物をしたり、家族の送迎をしたり、物置の片付けをしたり、人を匿ったり…。 「便利屋」の仕事を通して、様々な人間模様が見えてくる。一見「教育ママ」でありながら子供に無関心な親。その結果、知らぬ間に闇バイトに巻き込まれている子供。DV、風俗、暴力…。 多田も行天も心に深い傷を負っている。そのため淡々としているが、実は傷ついた分、誰かを愛そうと無意識のうちにしているのが分かる。だから二人の行動は滑稽だが暖かい。 「旅に出るよ」と予言があった割には、「まほろ市」の中から出ず、まほろ市の中を深く、そして人の人生の過去を深く旅する小説だった。
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