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死なないでいる理由 の商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

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2014/08/29

鷲田清一の本のなかでは最も好き。タイトルからしていい。 いくぶん説教的で(そもそも彼のはそれほど嫌らしいものではないが)、ペシミスティックな態度がなくなっているわけではない。当然だ、思想や構えがそれほど簡単に変わってはたまらない。 しかしながら、文体は丁寧だし、分析自体に奇矯なと...

鷲田清一の本のなかでは最も好き。タイトルからしていい。 いくぶん説教的で(そもそも彼のはそれほど嫌らしいものではないが)、ペシミスティックな態度がなくなっているわけではない。当然だ、思想や構えがそれほど簡単に変わってはたまらない。 しかしながら、文体は丁寧だし、分析自体に奇矯なところはない。処方箋には同意しなかったり、対策のなさにため息をついたりすることもあろうが、認識を提供すること、言語化すること自体、重要な業績だろうし。 読書メモ的になりましたが、こんな感じで。

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2013/10/06

鷲田さんの、ずっと前から読みたかった本。 むずかしい。追いつきたい。 やはり鷲田さんの臨床哲学は、ひととひととの関係があるからこそ存在する学問で、鷲田さんの文章のやさしさはそこから来るんやろうなあと思う。 ひととひととが支え合う、ケアについての部分が印象的でした。

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2013/02/22

 生活のさまざまな場面において「老い」を意識するようになり、自分の人生の残り時間をカウントダウンし始めた時、この本に出会いました。図書館から借りて読んだのですが、改めて購入したいと思います。

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2012/12/12

ひさしぶりのわっしぃ本。 ふつうおもわれているのとは反対の地点からものごとを考えてみること。 このことが本書では貫かれている。 タイトルからして、「生きている理由」ではない。 プライドについて語る件でも、「自助努力とそこから帰結する立派な達成によって自分に自信を持て」という陳...

ひさしぶりのわっしぃ本。 ふつうおもわれているのとは反対の地点からものごとを考えてみること。 このことが本書では貫かれている。 タイトルからして、「生きている理由」ではない。 プライドについて語る件でも、「自助努力とそこから帰結する立派な達成によって自分に自信を持て」という陳腐な啓発本のような語り方はもちろんしない。 実は知らず知らずのうちに盲目になってしまっているわたしたちの、目隠しを外す手助けをそっとしてくれる。 いつもそんな語り口のわっしぃがわたしはとても好きなのだ。

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2012/10/25

他者との関係において初めて成り立つ〈わたし〉に注目するスタンスは変わらず健在。 そしてそれが私はあまり実感できないのだけれども。 緻密と言うよりは、著者の深い実感に支えられた、つまり必然ではないが可能性のある議論。 より練り上げられることのできるような、臨床的視点から発された...

他者との関係において初めて成り立つ〈わたし〉に注目するスタンスは変わらず健在。 そしてそれが私はあまり実感できないのだけれども。 緻密と言うよりは、著者の深い実感に支えられた、つまり必然ではないが可能性のある議論。 より練り上げられることのできるような、臨床的視点から発された、示唆に富む文章として読んだ。

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2012/07/29

単行本で同じ本を読みましたが、文庫版は内容がさらに練られ、テーマへの絞り込みも効いています。他者との関係で自分の存在を知るアプローチは受け入れやすく、広く薦められる内容です。ただ、猛毒を以て救済するようなものでもなく、そのような語り口でもないですから、人により多少、物足りないかも...

単行本で同じ本を読みましたが、文庫版は内容がさらに練られ、テーマへの絞り込みも効いています。他者との関係で自分の存在を知るアプローチは受け入れやすく、広く薦められる内容です。ただ、猛毒を以て救済するようなものでもなく、そのような語り口でもないですから、人により多少、物足りないかもしれません。

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2012/04/22

先日、鷲田さんの講演を聞いた。臨床哲学などを交えながら、看護職の専門性について語ったもので、かなり面白く、うなずけることも多かった。話したようなことが書かれている本はないかと探して見つけたうちの一冊がこの本。 ……実は、鷲田さんの講演を聞いて本を読んでみたのって初めてじゃないよう...

先日、鷲田さんの講演を聞いた。臨床哲学などを交えながら、看護職の専門性について語ったもので、かなり面白く、うなずけることも多かった。話したようなことが書かれている本はないかと探して見つけたうちの一冊がこの本。 ……実は、鷲田さんの講演を聞いて本を読んでみたのって初めてじゃないような気がする。そして、いまいち読みきれた感がない読後感っていうのも同じ。浅薄な自分はなかなか哲学の本が読めるようにならない。 書中にこんなことが書いてあった。 ――働くこと、調理をすること、修繕をすること、そのための道具を磨いておくこと、育てること、教えること、話しあい、取り決めること、看病すること、介護すること、看取ること、これら生きていくうえで一つたりとも欠かせないことの大半を、ひとびとはいま社会の公共的なサービスに委託している。社会システムからサービスを買う、あるいは受けるのである。これは福祉の充実と世間ではいわれるが、裏を返していえば、各人がこうした自活能力を一つ一つ失ってゆく過程でもある。~中略~ ナイーブなまま、思考停止したままでいられる社会は、じつはとても危うい社会であることを浮き彫りにしたはずなのである。~中略~ 「われわれは絶壁が見えないようにするために、何か目をさえぎるものを前方においた後、安心して絶壁のほうへ走っている」。十七世紀フランスの思想家、パスカルの言葉はいまも異様なほどリアルだ。 生きるっていうことは、言い換えれば死なないでいるということ。いずれにせよ、生きている理由、死なないでいる理由、そういったことを考えながら生きていくべきだと思う。上掲の引用のように、何もかも委ねてしまうということは、意のままに生きることも、死ぬこともできなくなる。 揚げ足とりの問答で、「何してるの?」「人間」ってのがあって、そう答えられるたびに「人間はなってるものであって、しているものじゃない」と思ったものだけど、ある意味では「人間をやっている」という意識も必要かもしれない。

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2011/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

題名に強く惹きつけられた本。わたしが<わたし>としてここにいることが出来るのは、傍にいてくれるひとがいるから。他者の存在。このことを一貫して実感することができました。死との向き合い方を、医療以外の視点でみることができたのは、この本を読んでよかったことです。地に足がついた様な感覚です。これからもわたしにとって大事な本となりそうです。

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2011/10/07

家族論、教育論、生命倫理、幸福論、全てを平易で、なおかつ綺麗な日本語で綴っている。ただ途中、西洋倫理思想史に触れる部分が少し難しかった。蛍光ペンで線引きしながら読まずにはいられない。心の底から人に薦めたい哲学エッセイ。

Posted byブクログ

2011/06/26

死なないでいる理由を確認しないと生きていくのがしんどいことがある。幸福とはなにか、なぜに幸福論なのか。読んで良かった。

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