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死なないでいる理由 角川文庫
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死なないでいる理由 角川文庫

鷲田清一【著】

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死なないでいる理由 角川文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川学芸出版/角川グループパブリッシング
発売年月日 2008/12/24
JAN 9784044075026

死なないでいる理由

¥220

商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

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2023/12/13

[「生まれる」ということ]  自画像はなんでだいたい真顔なんだろうと薄っすら疑問に思っていたけど“わたしの表情は他者によって分節される”という一文に納得した。  表情は他者の鏡として存在して、あなたを含むふたり以上の単位になって初めてわたしという意識も生まれることになる。  「...

[「生まれる」ということ]  自画像はなんでだいたい真顔なんだろうと薄っすら疑問に思っていたけど“わたしの表情は他者によって分節される”という一文に納得した。  表情は他者の鏡として存在して、あなたを含むふたり以上の単位になって初めてわたしという意識も生まれることになる。  「全ての悩みは対人関係である(アドラー)」も、対人関係においてしか意識が発生しないとすれば、悩むことが人間の特性だとも言えるかもしれない。  でも、このテーゼには胸が痛くなった。  それは、わたしという存在がいつまでも他者に振り回され続け、絶えず形を変えさせられることへの不安が原因している。  脆くて、儚くて、吹いたら消えてしまいそうな存在としての“わたし”が強く認識されるからだ。多分だけど、人はふたりぼっちにも耐えられない。ひとりとひとりでは、この薄っぺらな個人を、地に足つかせて、存在として規定できないからだ。  だから群れる。同調する。かぶれたり、何かしらに染まって、言動する。  個性云々の前に、そうやって同調し、群れる人間の醜さをわたしたちは、いやという程目にしてきている。  その結果、個性は幻想だとしても、自分を様々な情報でコラージュして、創作するようになった。これは、個人的な感想で根拠も私自身のわたし感になってしまう。  けれど、その段階では、他者をわたしの拠り所にしていると、いつも思わぬ形で危機を迎えることも知っている。  “〈わたし〉というものは、どのような他者のどのような他者でありえているかということになる”  他者によって限定されたわたしという存在もまた、他の他者を限定するけど、この他者と他者に挟まれたわたしというのが、なんでこんなにも苦しいのかの説明がこれではつかない。    だから、著者の定義する他者として、他者もわたしも機能していない。という仮説を立てて以降を読んでみたい。わたしが安心してわたしでいられるような心的安全性を与え、受け取るその、根本的な何かが損なわれてしまってはいないか?その何かとは何なのか?かつて、他者とわたしとして確立していた関係はあったのか?  もしかすると、わたしは生まれていないという可能性も視野に入れられるのかもしれない。(2023/12/13)

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2022/12/04

鷲田さんの本を通しで読むのは初めてかも。「死」やその周辺のテーマ(と鷲田さんが感じているもの)についての思索的なエッセイ集。ひとつの問いを深く掘り下げていく形ではなく書名についてバシッと鷲田さんの答えが出ている訳でもないので肩透かしをくらう人もいるかも。 鷲田さんの思索の方向性...

鷲田さんの本を通しで読むのは初めてかも。「死」やその周辺のテーマ(と鷲田さんが感じているもの)についての思索的なエッセイ集。ひとつの問いを深く掘り下げていく形ではなく書名についてバシッと鷲田さんの答えが出ている訳でもないので肩透かしをくらう人もいるかも。 鷲田さんの思索の方向性は今の自分にはむしろ傷を抉る感じもあったけど、それでもやっぱりこの人の言葉は優しいというか柔らかな感じがするしところどころでハッとさせられる。「死」という人生の究極の場面、事態について考え、自分をメタ認知することでやっと息ができる。そんなときもある。

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2022/11/12

鷲田清一氏による哲学エッセイ。自己の存在、社会の在り方、幸福論などを軸に『死なないでいる理由』を語る。しかし『死なないでいる理由』が明確に解答として書かれている訳ではない。そのあるか無き輪郭をそっとなぞっているに過ぎない。人によっては肩透かしを食らったような気分になるかもしれない...

鷲田清一氏による哲学エッセイ。自己の存在、社会の在り方、幸福論などを軸に『死なないでいる理由』を語る。しかし『死なないでいる理由』が明確に解答として書かれている訳ではない。そのあるか無き輪郭をそっとなぞっているに過ぎない。人によっては肩透かしを食らったような気分になるかもしれないが、答えなのい問いを問い続けている事に本書には大きな意味があると思う。読んでいると、私がこれまで生きてきた事に不思議な感慨を持った。良く言われる事ではあるけれど、人は決して独りでは生きられない。それを本書は様々な切り口で語っているのだが、中でも『死ぬとわかっていて、なぜ人間は生けてゆけるのか』との問いにはっとさせられた。明確な答えは本書には書かれていない。自分でじっくりと考えたい問いである。

Posted by ブクログ

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