嵐が丘(訳:阿部知二)(下) の商品レビュー
「ヒースクリフは、わたし以上にわたしだからなの。 魂が何で出来ているか知らないけど、 ヒースクリフの魂と私の魂は同じ」 「いつかわたし、天国へ行った夢を見たのよ。 ただ、その夢の中で天国にはなじめない感じがして、 地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、 天使達が怒って、私...
「ヒースクリフは、わたし以上にわたしだからなの。 魂が何で出来ているか知らないけど、 ヒースクリフの魂と私の魂は同じ」 「いつかわたし、天国へ行った夢を見たのよ。 ただ、その夢の中で天国にはなじめない感じがして、 地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、 天使達が怒って、私を荒野に放り出したんだけど、 落ちたところが嵐が丘のてっぺんで、 嬉し泣きして目がさめたわ。」 この時に天国から放り出されたキャサリンが (下巻)でヒースクリフの前に現れたのでしょうか。 天国すら霞むほど、地上のたった一人を愛してみたいものです。 著者エミリー・ブロンテは 家からあまり出たことのないおとなしい女性でこの物語を書き終えてすぐ三十歳という若さで 亡くなってしまったという。 間違いなく、命を削って魂をこの物語に注ぎ込んだのでしょう。 でなければ、この異常な程の力強さは、 一人の胸に納まるにはちと凶暴すぎる。 それでも、荒涼とした大地では、 心地よいそよ風にヒースが微かに揺れて、 こーんなに穏やかな最期だとは思いもしなかった。 何だこの読み終わった後の妙にさっぱりとした穏やかさは。 胸の中心、持ってかれました…。
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一筋縄じゃいかない、へそ曲がりの連中ばっかり!ウキウキ!それはともかく、ヘアトン・アーンショーかわいい!「こーいつうー!」とか言って散々小突いて冷やかしてやりたい。
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最近になって初めて手にしてみた嵐が丘。この邦訳がいいと聞いて選びましたが、本当に読みやすかったです。話はとにかく面白くて上下あっという間に読めました。率直な感想は、愛と狂気は紙一重、といったところでしょうか。
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