嵐が丘(訳:阿部知二)(下) の商品レビュー
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このレビューは、阿部知二訳(初版1961年)に基づいて書かれています。 【粗筋・概要】 キャサリンの死後、ヒースクリフの妻イザベラは、隙を見て嵐が丘から逃げ出した。アーンショウの死により嵐が丘をはじめとするアーンショウ家の財産は、ヒースクリフのものとなり、彼は嵐が丘の主人となる。ヒースクリフの復讐の相手は、キャサリンを奪ったエドガ・リントンを残すのみ。ヒースクリフは彼からすべてを奪うために、彼とキャサリンの一人娘キャシと我が子リントンが親密になるよう画策する。 【感想】 この小説には、語り手の二人とエドガ以外にはまともな人間がいない。かといって荒唐無稽な人物というわけではなく、家族からの暖かい愛情というものと無縁に生きてくれば、そうなっても仕方がないかなと思わせる。そう考えると、父親とネリから愛されて育ったキャシと、実父から疎まれたもののヒースクリフと固い絆で結ばれていたヘヤトンが、最後に結ばれるのも当然と思える。 急速に近づいていくキャシとヘヤトンの仲睦まじい姿を見ると、場合によってはヒースクリフとキャサリンもこのようになっていたかもしれないと考えると、切なくなる。 上下巻ではあるが、決して長い小説ではなく、かつ、圧倒的な負の勢いがあったので、すぐに読み終わってしまった感がある。原書でも読んでみたい作品。 2008年3月20日読了
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この本に出てくる登場人物はほとんどの人が感情がむき出しで、とにかく激しい。なんなんだこの人たちと思うが、その分登場人物一人ひとりの気持ちにも感情移入しやすい。 また結構長い話だが一気に読ませる力があって何回読んでも様々な楽しみ方ができる。
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内容については上巻に記載 翻訳について この新訳はとっても読みやすかったです。原書は難しくて読めなかったのでどっちが正確かは言えませんか、どちらも読んだ身としては(旧訳は空っぽの大学時代に読んだため比較していいかわかりませんが)こっちがおすすめ
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ツイッターから引用 2011年01月26日(水) 2 tweets 小説:嵐が丘:サディストとダメ人間しか出てこないのか。 posted at 22:40:24 小説:嵐が丘:キューブリックの『シャイニング』を横目にしながらラストスパート。ジャックとヒースクリフのどっちがひど...
ツイッターから引用 2011年01月26日(水) 2 tweets 小説:嵐が丘:サディストとダメ人間しか出てこないのか。 posted at 22:40:24 小説:嵐が丘:キューブリックの『シャイニング』を横目にしながらラストスパート。ジャックとヒースクリフのどっちがひどい親父かな。 posted at 23:07:12 2011年01月27日(木) 1 tweets 小説:嵐が丘:ヒースクリフが、未来のある三人の子供の人格も人生もめちゃくちゃに破壊していく過程は、マジで怖いよな…。下手なホラー小説より上を行ってる。 posted at 00:04:36 2011年01月28日(金) 2 tweets 小説:嵐が丘:ヘアトン、リントン、キャサリンの三人が互いを傷つけ合うフェイズも怖いよな…。 posted at 00:49:02 小説:嵐が丘:河島弘美先生の解説によると、『嵐が丘』に登場するヨークシャーの自然描写、法律設定などは相当正確らしい。エミリー・ブロンテは30歳の生涯で一作の長編小説だけだが、そうとう入れ込んで書いたんだろう。 posted at 00:51:52
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嵐が丘を読んでいるときにキャサリン(母娘とも)とネリーに「何でそんかな余計ことするの!?」と何度言いたかったことか…。笑 「ページを繰るのももどかしい」(当時の書評らしい)って本当。名作って名作って呼ばれるだけあるよねぇ、って改めて思った。 ヒースクリフが最後までヒースクリフなのがよかった。
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悲痛な展開の中でキャサリンお嬢さんの成長だけが僕の救いだった。 ロックウッド氏の立ち位置は絶妙だ。 満足度7
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世界的名作ともいえるこの小説。 はっきり言っておもしろかった。 まさに「ページを繰るのももどかしい」という感じ。上下2冊の文庫本を4日で読んでしまいました。 19世紀の女性が書いた小説が21世紀の読者にこんな思いを抱かせるとは。そういうところもまた読書の醍醐味。 舞台は...
世界的名作ともいえるこの小説。 はっきり言っておもしろかった。 まさに「ページを繰るのももどかしい」という感じ。上下2冊の文庫本を4日で読んでしまいました。 19世紀の女性が書いた小説が21世紀の読者にこんな思いを抱かせるとは。そういうところもまた読書の醍醐味。 舞台はイギリス郊外の荒野に立つ2軒の家。登場人物もそこに住む人々。それだけです。 わがままお嬢様キャサリンと、拾われてきたひねくれ坊主ヒースクリフの愛憎劇。 なんか、これだけだと、安っぽい昼ドラ的な内容をイメージしがちだけど、もっと、こう、凝縮されたエネルギーが渦巻く、非常に濃い小説です。 個性的な人物、荒野に立つ館の情景ともに描写が巧み。 あふれる感情にまかせて書いたように見えるけれど、実はけっこう緻密に書かれている。うーん、スゴイ。
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2010/3/1(~54)2(~106)3(~114)4(~170)8(~378終) 必読書150にて紹介されていた、すごく賞賛高い作品。 とてもよかった。 狂気・憎悪・悲観に満ちた主人公達も多く、多少暗い内容なのだけれど、上下ともに、読み始めると止まらなくなる不思議な作品だっ...
2010/3/1(~54)2(~106)3(~114)4(~170)8(~378終) 必読書150にて紹介されていた、すごく賞賛高い作品。 とてもよかった。 狂気・憎悪・悲観に満ちた主人公達も多く、多少暗い内容なのだけれど、上下ともに、読み始めると止まらなくなる不思議な作品だった。 とてもおもしろかった。
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感想は…とにかく怖かった。 話に出てくる人たちは、ほとんどの人が身勝手で、 自分のことしか考えてない。 さらにみんな凶暴。 罵り合うシーンなんか目が点になりながら読んでしまうくらいでした。 ストーリー展開も、大体わかる。 文章も、とりたてて変わっているところはない気がする…。 ...
感想は…とにかく怖かった。 話に出てくる人たちは、ほとんどの人が身勝手で、 自分のことしか考えてない。 さらにみんな凶暴。 罵り合うシーンなんか目が点になりながら読んでしまうくらいでした。 ストーリー展開も、大体わかる。 文章も、とりたてて変わっているところはない気がする…。 でもなぜか、続きを読まずにはいられない。 先にいかずにはいられない。 100年以上も前に作られた小説ですが、 未だに書店の目につきやすい所においてあるのには、納得のいくものでした。 作家のエミリー・ブロンテは、なんでこの小説を書いたんだろう…。 なんでこんな人たちを書いたんだろう…。 書きたかったんだろう…。 それを考えると不思議でしょうがない。 夏の暑さも飛んじゃうくらいの勢いで読めてしまう本です!! 若干涼しくもなれます(笑)
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悲劇の人々のワガママさに、心が鷲掴みされて、とても不愉快。エエ加減にせいやと同情の余地なんかなくなるほど、不愉快。だから、まさかハッピーエンドになるとは、思いもしなかった。まさに私は聞き手のロックウェル氏と同じ思いで驚いた。
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