かけがえのないもの の商品レビュー
養老孟司入門に好適な書。脳化(都市化)、自然、手入れ、死体、意識、無意識と云ったキーワードが理解出来る。要素還元主義から導かれる、予定調和的未来なんて幻想に過ぎない。「ああすればこうなる」の価値観は決して幸福を齎さず、後悔を齎すのみになる可能性が高い。増して、意識が創り出した「ね...
養老孟司入門に好適な書。脳化(都市化)、自然、手入れ、死体、意識、無意識と云ったキーワードが理解出来る。要素還元主義から導かれる、予定調和的未来なんて幻想に過ぎない。「ああすればこうなる」の価値観は決して幸福を齎さず、後悔を齎すのみになる可能性が高い。増して、意識が創り出した「ねばならない」の絶対主義は不毛だ。 203頁
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真理。 我々は「かけがえのないもの」を尊びながら、我々の社会と言うものはそれをなくす事で発展し続けるという矛盾。 しかし俺はこういうものを危険思想と呼ぶ。 なぜなら、このような真理を知ってしまうことは、「かけがえのあるもの」を作らない、すなわち全て偶然と自然の力に任せてし...
真理。 我々は「かけがえのないもの」を尊びながら、我々の社会と言うものはそれをなくす事で発展し続けるという矛盾。 しかし俺はこういうものを危険思想と呼ぶ。 なぜなら、このような真理を知ってしまうことは、「かけがえのあるもの」を作らない、すなわち全て偶然と自然の力に任せてしまうことを肯定するからである。 養老先生の仰る事はとても納得できたし、「予測不能なことがあるから人生は面白い」というのはごもっともである。しかし、だからこそ我々がすべきことはやはり未来と自然を食いつぶし、全てを予測し、因果を追求し、科学することだと思う。そして可能な限りを追求した先に、偶然にも予測不能な自体が起きた時に、我々は「ああ、やられたな」と苦笑いしながらまた自然に挑む。それが人間と自然の宿命の対決であり、その中にこそ人間の幸せはあるのではないだろうか。 「予定されてしまった未来は現在の一部である」 時間についての考察では茂木健一郎と同じことを書いていた。どうやら出所はミヒャエル・エンデのようだ。過去を否定することで、それまでの自分を抹殺することで人は変化し成長し続ける、と前に書いたが、先生は「過去を否定することは現在を否定することだ。なぜなら現在は必ず過去の上に成り立っているから。」と書かれている。これは単に言葉の使い方の問題であって、俺の考えと変わらない。俺はその都度考えを変え続ける、つまり考え続けることを「過去を否定する」と言い、彼はもっと広い意味で、「その否定の連続を肯定する」ということを言っているのだ。俺は何かを否定したり、間違いを訂正したりして何が正しいかということを探し続けることを肯定しているからこそ一時的な否定の連続なのである。 また、老子や荘子、仏教、そしてラスタやナヴァホもそうなのだろうが、「自然に委ねる」思想をまた少し理解した。彼らは予測できないどんな事態にも覚悟があり、勇気があるのだ。臆病な俺や、科学の社会は見えないもの、自然の予測不能な力をあまりに恐れる。だから原因を探り、そこから未来を予測して現在にしようとする。ただ、俺から言わせると、俺はそうやって全ての事象に責任を持ち、自由になろうとしているんだ。みんな何千年もそうしてきただろう?悪あがきだろうがなんだろうが、そうやって見えない大きな力に挑戦し続けてきたんだよ。そうやって自然や未来を食いつぶして、最後に残ったものが、たぶん俺が勝ち取れなかった「予測不能」という人生のエッセンスとなって最高のスパイスを効かすんだろう。
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同じ話題がぐるぐるでるなと思っていたら、 講演会を集めたものだった 現在を意識する 未来は白紙、それは不安とは別、選べる ケアとキュア 以身伝心、形真似れば心もできるようになる
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・目というのは本当は脳の出店なんです。 ・人生は取り返しがつかない決断の連続として見えてきます。 ・財産というのは自分の身についたものだけだ
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理屈には限界があり、それを超えるのは感性だ。 人間の創ったものを信じるな。 予定に支配された未来は現在である。 未来は未来のままにしておけ。 ・・・まとめるとそういうこと。 内容は素晴らしいけれど、構成が・・・。 講演をまとめただけのものだから、仕方ないのかもしれないけ...
理屈には限界があり、それを超えるのは感性だ。 人間の創ったものを信じるな。 予定に支配された未来は現在である。 未来は未来のままにしておけ。 ・・・まとめるとそういうこと。 内容は素晴らしいけれど、構成が・・・。 講演をまとめただけのものだから、仕方ないのかもしれないけど。
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一言で言うなら、いつもの養老孟司。 彼独特のシニカルさに、決して同調しようとは思わないけれど、これはこれでひとつの視点を提示し、当然と思っている事象にもフォーカスできるという意味では、カウンターとして意味があるんじゃないかなと。
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