1,800円以上の注文で送料無料

読んでいない本について堂々と語る方法 の商品レビュー

4

111件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    37

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/09/15

本著は、読んでない本を堂々と語る、ハウツー本ではない。また、本を読まない事を推奨する物でもない。では何かというと、読んでない本について語るというより、読んでない自らを語る。つまり、著者によるエクスキューズ、懺悔本だ。 世に溢れる書物の数は膨大で、到底全てには目を通し得ない。更に...

本著は、読んでない本を堂々と語る、ハウツー本ではない。また、本を読まない事を推奨する物でもない。では何かというと、読んでない本について語るというより、読んでない自らを語る。つまり、著者によるエクスキューズ、懺悔本だ。 世に溢れる書物の数は膨大で、到底全てには目を通し得ない。更には、読んだことすら忘れてしまったような読書を、そもそも読書と呼べるだろうか。更に言えば、読書は自らの経験や理解を通して咀嚼されるものだから、他者と全く違う印象や解釈を得る事も多々ある。そこでは、自らの思考を反転させるには足らず、単に補強材料を集めるだけで、つまりは都合の良い単語の拾い集めになる事もしばしば。だからこそ、読書が必ずしも必要だとか、読書に意味があるとは言えない。向き合う姿勢によるのだろう。一々著者の主張に振り回されるのではなく、軸を持つ事で多面的な視点を獲得できるはずだ。 大衆が注意を払って耳を傾けているときに、読んだことがない本について語らされるのは悪夢であり、フロイトが「試験の夢」と呼んでいるものに似ていると著者は言う。ここで言う読書とは、他者へのアウトプットが前提になっている。そうではない。主張を身に付ける事で、書物自体を語るのではなく、自らに吸収した上で、思考材料にするのが読書の一つの本義では無かろうか。 故に他者へのアウトプットを前提にした読書論では軟弱、というのが、本著をきちんと読んだ後の感想だ。本そのものを堂々と語るなら、やはりきちんと読むようにしたい。

Posted byブクログ

2023/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本を読んだ、というのは曖昧なこと。ぜんぜん読んだことない本、流し読みした本、人から聞いた本、読んだが忘れてしまった本。最後の一つなんて読んだけど忘れてるんだから読んだと言えるのかたしかに疑問である。ならばたしかに読んだか読んでないかよりも、その書物との関係において、自分の意見を述べられるということが大切だというのもわかる。 世にある本を全て読むのなんて物理的に不可能だし、読みたいと思った本を全部読むことさえもこのままじゃ到底できないなと最近思っていたけれど、この本を読んでちょっと気持ちが楽になった。 エアプでいいんじゃん。

Posted byブクログ

2022/08/11

ゆる言語学ラジオ発端で手に取りました。 死ぬまでに読みたい本を全て読むことはできないという絶望感に直面していた矢先、渡に船とばかりのタイトル。 思った以上に骨太だったし、読み応えはあったのだけれども書物との適度な距離感とテクスト至上主義みたいな作者や作品の意図と違う言質は許され...

ゆる言語学ラジオ発端で手に取りました。 死ぬまでに読みたい本を全て読むことはできないという絶望感に直面していた矢先、渡に船とばかりのタイトル。 思った以上に骨太だったし、読み応えはあったのだけれども書物との適度な距離感とテクスト至上主義みたいな作者や作品の意図と違う言質は許されないのだと怯えていた自分には新たな観点を与えてくれた。 完璧な読書なんてそもそも定義できないし、人はそれでなくても忘れていく生き物なので、自分の内なる書物からバーチャル書物へと敷衍していくことになんら罪を感じる必要はないと諭された気分。 第3章の心構えで述べられている批評の創造性というのは、批評に対する認識を転換してくれた。作品ありきの批評で二字的な産物だと思ってたけれど、作品はモチーフに過ぎず、自己の解放と言った側面が本質なのだとは。批評のネガティブなイメージが刷新された。 個人的にも、読んでない本や忘れてしまった本に対して創造性を駆使して恥じらいなく付き合って、他人に開示していこうかという、今後の読書に対するマインドが深化しました。

Posted byブクログ

2022/04/23

本のタイトル的に、何と書こうが、ホントに読んだのか?と疑われそうな本。実際、斜め読み。 世の中の本のうち、実際に読める本は、国会図書館蔵書数4560万点(毎年70万点くらい増えていく)のうち、一生かけても数千冊。 1万分の1すら覚束ない。 基本的には、殆どの本は読めてない訳で...

本のタイトル的に、何と書こうが、ホントに読んだのか?と疑われそうな本。実際、斜め読み。 世の中の本のうち、実際に読める本は、国会図書館蔵書数4560万点(毎年70万点くらい増えていく)のうち、一生かけても数千冊。 1万分の1すら覚束ない。 基本的には、殆どの本は読めてない訳で、本を読んでないこと恥じる必要はないんだろう。(原題には、堂々と、というフレーズは無いよう。) でも、わずか1万分の1であれば、折角ならば、あたりの本に巡り合いたい、と思うので、ブクログのようなサービスはとてもありがたい。

Posted byブクログ

2022/03/27

別役実先生の「けものづくし」(流、◎)を思い出した。 流し読み推奨。訳者あとがきに唆されて深掘りしてはいけない。

Posted byブクログ

2020/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書を読むまでは、読んでない本にコメントはできないだろうと思っていたが、逆に本を読むことで著者の考えに影響されて自分の感想を言えなくなるのはなるほどと思った。 読書の目的が、<内なる書物>を充実させることにあるのもなるほどと思った。 今後、読書をする際には内容を覚えようとするのではなく、自分の中のネットワークを拡げる様に読んでいきたい。

Posted byブクログ

2020/10/07

内容が難しく、同じことを繰り返し語っていて長い。訳者あとがきの方がスッキリわかりやすい。 結局、タイトルにあるような「語る方法」は書かれていないし、帯にある「これ一冊あれば~もう怖くない!」という言葉は方法がわかるから怖くないのではなく、本を読んでいなくても怖がらずに語ろうという...

内容が難しく、同じことを繰り返し語っていて長い。訳者あとがきの方がスッキリわかりやすい。 結局、タイトルにあるような「語る方法」は書かれていないし、帯にある「これ一冊あれば~もう怖くない!」という言葉は方法がわかるから怖くないのではなく、本を読んでいなくても怖がらずに語ろうという心構えのことで……嘘ではないけど肩すかしを食らった気分。

Posted byブクログ

2020/09/24

本は最初から最後まで読まないといけないとか、読んだ本の内容を忘れてしまうことに罪悪感を覚えたりとか、それらは全て読者という行為を神聖視していたせいだったのかもしれない。 その本の全体を見渡すことができたその時点で読書と言えるなら、もっと楽に本と付き合っていけそう。

Posted byブクログ

2020/02/07

ハウツーものかと思ったらまさかの小説だったので驚いた。ラストでヒロインが死ぬ場面はめちゃくちゃ泣けた。

Posted byブクログ

2019/06/30

本を読んだってどういう状態?一文一文丹念に読むこと?そんなことに意味はない。だってどうせ忘れるし、仮に忘れないとしても、それは本に縛られて創造性を発揮出来なくなる。 それよりも本を広く捉えよう。本を取り巻く他の本との関係性をまず捉え、それから本の中身の本質だけを捉えよう。それが...

本を読んだってどういう状態?一文一文丹念に読むこと?そんなことに意味はない。だってどうせ忘れるし、仮に忘れないとしても、それは本に縛られて創造性を発揮出来なくなる。 それよりも本を広く捉えよう。本を取り巻く他の本との関係性をまず捉え、それから本の中身の本質だけを捉えよう。それが適切な本との距離の取り方で、自分が自由で創造的でいられる方法なのだ。

Posted byブクログ