螺鈿迷宮(上) の商品レビュー
日本の終末期医療を題材にした作品。新装版は1冊になっているが、旧版は上下巻に分冊されている。本巻はその上巻。 上巻では、昨日まで元気だった患者が突然死を迎えるという事例が起きるが、まだ真相は明らかにされていない。いろいろなムーブメントが起きるのは下巻なので、面白みのある展開は...
日本の終末期医療を題材にした作品。新装版は1冊になっているが、旧版は上下巻に分冊されている。本巻はその上巻。 上巻では、昨日まで元気だった患者が突然死を迎えるという事例が起きるが、まだ真相は明らかにされていない。いろいろなムーブメントが起きるのは下巻なので、面白みのある展開はそちらに期待。 本作も舞台は桜宮市。位置付けとしては、バチスタシリーズのサイドストーリーといった感じ。1年前にバチスタスキャンダルが起きたという設定。
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シリーズものは別著者を何作か挟んでから。 登場人物や関係性を忘れず、飽きず、シリーズものを読み込みたい私なりのルールである。 主人公は登場大学医学部落ちこぼれ医学生、天馬大吉。なんともめでたい名前の持ち主。しかし天馬の人生はアンラッキートルネードと異名をつけられるほど不運続き。...
シリーズものは別著者を何作か挟んでから。 登場人物や関係性を忘れず、飽きず、シリーズものを読み込みたい私なりのルールである。 主人公は登場大学医学部落ちこぼれ医学生、天馬大吉。なんともめでたい名前の持ち主。しかし天馬の人生はアンラッキートルネードと異名をつけられるほど不運続き。 記者である幼馴染・別宮葉子から、碧翠院桜宮病院へボランティアと扮して潜入捜査を行なってほしいと依頼を受ける。 桜宮病院の経営は、院長の巌雄、妻の華緒、双子の小百合とすみれの一族で行われている。 外観からでんでん虫と称されていた同病院には黒い噂が絶えなかった。夜な夜な砂浜を歩き回るというウワサ。死体をむさぼり喰うというウワサ。雨の夜に海に向かって泣き声を上げているというウワサ。そして、でんでん虫の触覚が虹色に光るというウワサ。 潜入した天馬は、例に漏れずアンラッキートルネードへ巻き込まれていた。骨折、打撲、切り傷、熱傷…全ての原因は看護師の姫宮。とにかく、トロいのだ。 そうして天馬は患者という立場に変えて調査を再開することとなった。 ここでは患者も社員として業務を行うこと、厳雄から聞く桜宮病院の歴史、薔薇の知らせが来た患者は次の日に死ぬことを知る。 前日まで元気だった患者が、次々と死んでいくのだ。 桜宮で死を迎えた患者には必ず解剖をするという。その後葬式を終え、火葬まで半日も経たずに行ってしまう。気味の悪い手際の良さ。おかしい。ここには何かある。 そんな中、例の白鳥が現れる。今作では皮膚科医としてご登場だ。 白鳥姫宮コンビ、アンバランスに見えて実は相性がいいんだろうなぁ。姫宮、見ている分には楽しいので非常に好きだが実際いたら絶えられない… 下巻へ進む。 今回白鳥は出てくるものの相棒・田口は出てこず、代わりに待望の氷姫・姫宮が登場する。 個人的には田口白鳥コンビ(欲を言えば田口速水も推したい)が好きなので、バチスタシリーズだけを読むことも選択できたが桜宮市の全てを知っていたほうが絶対に面白い。 桜宮サーガ全体としては刊行順=時系列というわけではないので、読む順番は非常に迷うシリーズなのだが今回は刊行順で進めてく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
バチスタ・スキャンダルから1年半。主人公は東城大医学生の天馬大吉。借金返済のために終末期医療を手掛けている碧院翠桜宮病院の調査をするはめに。そんなところに皮膚科医の白鳥とかいう人物が乱入してくる。この人が現れた時点で何もないわけがない。現に東城大との全面戦争なんて危なっかしい言葉も出てきてるし。ドラマとは違う視点で描かれる螺鈿迷宮。まぁこっちがオリジナルなんだけど。下巻へ
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落ちこぼれ医学生・天馬大吉が、借金返済のため桜宮病院にボランティアとして潜入捜査へ乗り出す。終末期医療を行う桜宮病院だが、院長の妻から薔薇が届くと翌日には死ぬという何ともホラーな設定。末期癌患者はともかくリストカット癖の若者の死は腑に落ちない。初読時は白鳥の軽妙さとミスマッチな...
落ちこぼれ医学生・天馬大吉が、借金返済のため桜宮病院にボランティアとして潜入捜査へ乗り出す。終末期医療を行う桜宮病院だが、院長の妻から薔薇が届くと翌日には死ぬという何ともホラーな設定。末期癌患者はともかくリストカット癖の若者の死は腑に落ちない。初読時は白鳥の軽妙さとミスマッチな設定の重々しさがしっくりこずあまり好きになれなかったが、海堂節にもすっかり慣れた今ではまったく気にならない。三婆トリオが可愛らしい。
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海堂尊による『桜宮』シリーズ?今度は桜宮病院が舞台。 天馬大吉、というとてつもなく幸運そうな名前を持つが、彼はとてもツキが無い。 東城大学医学部に通う6年目の3年生であり、日々を雀荘で過ごす堕落ぶり。 ある日、幼馴染で新聞記者の別宮葉子から碧翠院桜宮病院の潜入調査をしてくれと依...
海堂尊による『桜宮』シリーズ?今度は桜宮病院が舞台。 天馬大吉、というとてつもなく幸運そうな名前を持つが、彼はとてもツキが無い。 東城大学医学部に通う6年目の3年生であり、日々を雀荘で過ごす堕落ぶり。 ある日、幼馴染で新聞記者の別宮葉子から碧翠院桜宮病院の潜入調査をしてくれと依頼される。 当然断りたいところだが、葉子の策略によりボランティアとして桜宮病院に行く事となった。 やむなく調査をしようとする所で、彼は妙な存在感のある看護師・姫宮に出会う。 その出会いが、彼に悲劇をもたらす事も知らずに。。。 田口・白鳥シリーズから一旦離れ、今度の主人公は東城大学医学部の学生になった。 その名前とツキのなさのギャップがなかなか楽しい。 主人公を医学部学生にする事で、今までのシリーズと違い今度は「外から怪しげな病院を探る」という 新たなスタンスの物語になっている。 その辺りは新鮮な感じだ。 シリーズ物なので当然お馴染みのキャラクターも登場している。 それが白鳥と姫宮。いわゆる「厚生省」コンビなのだが 何故か白鳥は東城大学医学部付属病院から派遣されてきた皮膚科医として登場する。 そして姫宮は相変わらずの「ミス・ドミノ」な看護師である。 上巻である為まだ大きな展開は無いものの、終盤にある人物の死が描かれる。 そこにはどうも不穏な点が感じられ、下巻で話が膨らんでいくのであろう。 テンポも良く、シリーズ的にも別の人物を主人公にする事で新しさが感じられた。 下巻が楽しみになる。
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あ~、何となく昔? ドラマで観た記憶があるなぁ。。。 と思いながら読んでいました。 でも、こんなんだったっけ? という微かな記憶だけで 上巻を読み終えました。 これまでのシリーズで 碧翠院とか桜宮病院が 出てきていたので 同時進行的にここで こういう事が起きていたんだ と思いな...
あ~、何となく昔? ドラマで観た記憶があるなぁ。。。 と思いながら読んでいました。 でも、こんなんだったっけ? という微かな記憶だけで 上巻を読み終えました。 これまでのシリーズで 碧翠院とか桜宮病院が 出てきていたので 同時進行的にここで こういう事が起きていたんだ と思いながら読んでましたが 明かな「事件」というのが ないもんですから 特に何の感情も無く だ~~~~~~っと 読み終えてしまいました。 下巻かな・・・ これは。
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桜宮サーガの一部だが、田口・白鳥シリーズではなく、別の主人公。登場人物含め、そこそこ関連性はある。実際どうかは別として、どこか陸の孤島的な環境の病院が舞台。絶対君主的として位置する院長がいて、その目をかいくぐりながら真相に迫っていく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
再読。 主に人間関係で痛い目を見た時に、「あぁ痛かった」と思いながら再読する本になっています。 シリーズの中では東城大学ではなく碧翠院桜宮病院が舞台になっており、番外編的な位置づけ。雰囲気もとにかくダーク。だけど、一連の桜宮サーガの中では一番好きかも。 普段、レビューは下巻の方でまとめてしているのだけど好きなセリフをメモするためもあって、上巻の方でもレビューを書くことにしました。 「人は誰でも知らないうちに他人を傷つけている。存在するということは、誰かを傷つける、ということと同じだ。だから、無意識の鈍感さよりは、意図された悪意の方がまだマシなのかもしれない。このことがわからないうちは、そいつはまだガキだ」(桜宮巌雄) このセリフは下巻で明かされる、落第医学生である主人公・伝馬大吉と桜宮一族の因縁の伏線になっているのだけど、一般的な意味に捉えても深いなぁ、と思う次第。
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東城大学が舞台の作品の中で、度々登場する碧翠院桜宮病院が舞台です。主人公の天馬大吉君を始め、白鳥・姫宮パワーが全開です。桜宮病院をめぐる、なんとなく不可解でグレーな出来事が続きます。地域医療や終末期医療も絡み、この後どう展開して行くか楽しみです。下巻に続く。
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先に「イノセントゲリラ」を読んでしまったのですが、順番的にはこっちの方が先だったらしい。 本編のシリーズにも時々名前が出てきていた「でんでん虫」こと碧翠院桜宮病院が舞台。闇を抱えていそうな桜宮病院と碧翠院、それに東城大が絡んで何やら不穏な空気です。テーマは終末期医療問題。末期の患...
先に「イノセントゲリラ」を読んでしまったのですが、順番的にはこっちの方が先だったらしい。 本編のシリーズにも時々名前が出てきていた「でんでん虫」こと碧翠院桜宮病院が舞台。闇を抱えていそうな桜宮病院と碧翠院、それに東城大が絡んで何やら不穏な空気です。テーマは終末期医療問題。末期の患者たちを従業員として働かせるという碧翠院のような取り組みって本当にあるんだろうか?確かに、ベッドに縛り付けられて死ぬのを待つよりかはずっといいのかもしれない。さすがに病院の食事が素人の当番制っていうのはまずいでしょうとは思うけど。 それにしても天馬くんはアンラッキーにもほどがある。白鳥が元気そうでなによりでした。姫宮は最初に出てきた時抱いた南海キャンディーズのしずちゃんというビジュアルイメージがどうしても脳内から去りません。美人なんだ…? 下巻に続く。
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