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民族とネイション の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2024/06/06

ネイションなどの用語定義をしたうえで、各地の紛争の歴史的経緯をおさえた基礎知識を得るための本。おわりに筆者の主張がなんとなく綴られているが、形式を批評しているのみで具体的ではない。

Posted byブクログ

2022/11/17

地域紛争の頻発や排外主義の高まりの中で、「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」などの言葉が飛び交っている。だが、これらの意味や相互の関係は必ずしかも明確ではなく、しばしば混乱を招いている。国民国家の登場から冷戦後までの歴史をたどりながら、複雑な問題群を整理し、ナ...

地域紛争の頻発や排外主義の高まりの中で、「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」などの言葉が飛び交っている。だが、これらの意味や相互の関係は必ずしかも明確ではなく、しばしば混乱を招いている。国民国家の登場から冷戦後までの歴史をたどりながら、複雑な問題群を整理し、ナショナリズムにどう向き合うかを考える。 第1章 概念と用語法―一つの整理の試み(エスニシティ・民族・国民;さまざまな「ネイション」観―「民族」と「国民」;ナショナリズム;「民族問題」の捉え方) 第2章 「国民国家」の登場(ヨーロッパ―原型の誕生;帝国の再編と諸民族;新大陸―新しいネイションの形;東アジア―西洋の衝撃の中で) 第3章 民族自決論とその帰結―世界戦争の衝撃の中で(ナショナリズムの世界的広がり;戦間期の中東欧;実験国家ソ連;植民地の独立―第二次世界大戦後(1) 「自立型」社会主義の模索―第二次世界大戦後(2)) 第4章 冷戦後の世界(新たな問題状況―グローバル化・ボーダレス化の中で;再度の民族自決;歴史問題の再燃) 第5章 難問としてのナショナリズム(評価の微妙さ;シヴィック・ナショナリズム?;ナショナリズムを飼いならせるか)

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2022/09/14

人類は長い歴史の中で自覚的かどうかに関わらず、多種多様な方法で人間を集団化してきた。現存する国家もその集団を入れておく一時的な入れ物でしかない。すべてはその時々の支配的思想や権力によって規定され、それへの反発が紛争へと繋がる。私たちはナショナリズムの持つ普遍性と特殊性のバランスを...

人類は長い歴史の中で自覚的かどうかに関わらず、多種多様な方法で人間を集団化してきた。現存する国家もその集団を入れておく一時的な入れ物でしかない。すべてはその時々の支配的思想や権力によって規定され、それへの反発が紛争へと繋がる。私たちはナショナリズムの持つ普遍性と特殊性のバランスを常に注視しなければならない。

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2022/02/10

◆著者Twitter: https://twitter.com/NobuakiShiokawa ◆著者HP: http://www7b.biglobe.ne.jp/~shiokawa/

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2021/05/29

「民族」というものが何か必ずしも絶対的な形を持っているものではなく、時代や政治的背景によって変わりうる相対的なものなんだなと言うことが、概念の整理や個々の歴史的事例から分かってくる。 そしてそれは「民族」の概念に関わらずさまさな人間集団の「区切りかた」にいえる。その様々な区切り...

「民族」というものが何か必ずしも絶対的な形を持っているものではなく、時代や政治的背景によって変わりうる相対的なものなんだなと言うことが、概念の整理や個々の歴史的事例から分かってくる。 そしてそれは「民族」の概念に関わらずさまさな人間集団の「区切りかた」にいえる。その様々な区切り方はどれも平等ではなく優劣があるという考え方もまた面白い。 ここからは完全に個人的な考えだが、今までは、一定の地理領域のなかでの複数種類の人間集団の混在や、同一とされる人間集団の点在はあれど、地理的な要因は人間集団を形成する上でかなり大きな要因になっていた様に思う。しかしオンライン技術が進みコロナかで全世界・老若男女・公私ともにその活用が広まった今、この人間集団の形成に対する地理的要因の影響力は劣位となって来るのではないかと考えた。

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2020/12/08

所々わかりやすく書かれているものの、私の脳は完全に理解できなかった。各国に焦点を当てながら具体的な例を挙げているのは理解しやすいが、抽象的な話である〇〇主義などの理論の構図がやはり理解しがたい。また、地続きであるヨーロッパの民族の区切り方は島国である日本人にとっては理解し難いこと...

所々わかりやすく書かれているものの、私の脳は完全に理解できなかった。各国に焦点を当てながら具体的な例を挙げているのは理解しやすいが、抽象的な話である〇〇主義などの理論の構図がやはり理解しがたい。また、地続きであるヨーロッパの民族の区切り方は島国である日本人にとっては理解し難いことであった。 帝国主義からの第一次世界大戦を経て、「民族自決」により比較的少数の国家にとどめて独立が承認される。20世紀末〜現代においては冷戦やグローバル化を経て、ありとあらゆる「民族」に「自決」を認めることは果てしない紛争の連続を導きかねないと「民族自決」を時代遅れのものとするという全体的・世界的な流れをつかむことができた。

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2019/01/29

「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」等について、歴史を踏まえつつ、広く明快な理解を与えてくれる良書。 グローバル化する現代にあって何故ナショナリズムが台頭するのか?人間というのは、とかく複雑である。

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2018/03/31

著者の専門である旧ソ連史研究の分野を活かしつつも、それらを超えてここまで広範にわたって論じたスケールの大きさと、論じられた内容における指摘の鋭さには驚くべきものがある。いかに政治的・思想的・感情的偏りから自己を遠ざけ、いかに多角的で広汎な視点から事実に近づいていくかという姿勢を徹...

著者の専門である旧ソ連史研究の分野を活かしつつも、それらを超えてここまで広範にわたって論じたスケールの大きさと、論じられた内容における指摘の鋭さには驚くべきものがある。いかに政治的・思想的・感情的偏りから自己を遠ざけ、いかに多角的で広汎な視点から事実に近づいていくかという姿勢を徹底し、自明とされてきた言説・理論を脱構築しつつ論理展開されている。ある程度の覚悟をもって論じられたであろう4章の末尾についても、大いに賛同。 民族紛争、ナショナリズム、マイノリティ、比較政治学等の入門に最適。今年度最高の1冊だった。もっと早く読めば良かった。

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2014/07/14

近代における紛争の原因やナショナリズムについてざっくりと理解できる.ところどころで,筆者特有の表現が理解を妨げてしまうのが残念.

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2013/05/29

オススメ度(1~10):7 前知識:地理が必要  読みやすさ:○  総ページ数:214p 第Ⅰ章 概念と用語法ー一つの整理の試み  1:エスニシティ・民族・国民  2:さまざまな「ネイション」観ー「民族」と「国民」  3:ナショナリズム  4:「民族問題」の捉え方 第Ⅱ章 「国...

オススメ度(1~10):7 前知識:地理が必要  読みやすさ:○  総ページ数:214p 第Ⅰ章 概念と用語法ー一つの整理の試み  1:エスニシティ・民族・国民  2:さまざまな「ネイション」観ー「民族」と「国民」  3:ナショナリズム  4:「民族問題」の捉え方 第Ⅱ章 「国民国家の誕生」  1:ヨーロッパー原型の誕生  2:帝国の再編と諸民族  3:新大陸ー新しいネイションの形  4:東アジアー西洋の衝撃の中で 第Ⅲ章 民族自決論とその帰結ー世界戦争の衝撃の中で  1:ナショナリズムの世界的広がり  2:戦間期の中東欧  3:実験国家ソ連  4:植民地の独立ー第二次世界大戦(1)  5:「自立型」社会主義の模索ー第二次世界大戦(2) 第Ⅳ章 冷戦後の世界  1:新たな問題状況ーグローバル化・ボーダーレス化の   中で  2:再度の民族自決  3:歴史問題の再燃 第Ⅴ章 難問としてのナショナリズム  1:評価の微妙さ  2:シヴィック・ナショナリズム?  3:ナショナリズムを飼いならせるか

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