民族とネイション の商品レビュー
タイトルにある通り、民族、ネイション、ナショナリズム、そしてエスニシティに関する良書。初学者がこの領域の見取り図を得ようと思う際のよきガイドとなる。
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現在、「アメリカ・ファースト」、「日本人・ファースト」といったスローガンが人気を博している。政治学の言葉では、こうした自民族中心主義を「ナショナリズム」と呼ぶ。自国と他国、私たちと外国人、こうした分断はどうやって生み出されてきたのか。「国民的なもの」が生まれる歴史を描いた一冊。
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世界各地で起こる民族紛争や独立、ナショナリズム等について民族や国家等の観点から論じている本。そもそも、言葉の定義としても難しく、1国家に1民族とは限らないのと同じように、民族という単位が必ずしも民族として括られている中で1つの団体とも限らない。そこをまぜこぜにすると民族紛争等の理...
世界各地で起こる民族紛争や独立、ナショナリズム等について民族や国家等の観点から論じている本。そもそも、言葉の定義としても難しく、1国家に1民族とは限らないのと同じように、民族という単位が必ずしも民族として括られている中で1つの団体とも限らない。そこをまぜこぜにすると民族紛争等の理解が誤ってしまうので、まずはそこを丁寧に定義し、各ナショナリズムの具体事案とその経緯を挙げ、ナショナリズムへの評価やどのようにナショナリズムを理解すべきか方向性の提案をしている。 この本が出版された当時はアメリカが一強、中韓の半日運動がまだ活発で(つまり中国はまだ経済大国ではなかった)、それに反目するように日本でも嫌韓が表立っており、ネット右翼などという言葉もあった時代である。そんな中でナショナリズムというと過激な・・・なんてイメージがあったように思う。ただ、例えば列強からの独立等、急激に起こるナショナリズムは変化に対応するため過激になりがちだからそう思うのも無理はない。フランス等ではフランス革命前後から長期間かけてナショナリズムを確立させてきたので、そういうところは過激になりにくい。等、個々のケースにより本当に様々。なんでも全体論に持っていこうとすると、正しく理解ができないと感じた。 例えば、多数派民族が少数派民族を支配しており、少数派民族がそれに反抗して起こした紛争だと、他国からは少数派民族に同情が起きやすい。しかし、もっと広い地域で見れば少数派は実は多数派だったり、歴史的には過去に現在の少数派は多数派だった時期があり、そのときの少数派を弾圧していたりと、目の前のニュースだけに目を向けて感情的になると徒に火に油を注ぐだけになってしまいかねない。何故ロシアは周辺国といざこざを起こしがちなのか?という問題も、複雑な歴史的背景があるというのは頭に入れておく必要がある。そのうえで、被害国におけるPR会社的戦略や、紛争を抱える国が当事者国のどちらを支援するのか、どういう点を重視して外交するのかという政治的要素が加わっていくのだなと思った。 といった中で、印象的だったのは、民族的対立を抱えている国や地域が全て紛争に繋がっているわけてはないというくだり。そういうところは報道もあまりされないので認知度が低いというもの。やっぱり刺激的なニュースでないと我々の関心をひけないと思われているし、実際多くはそうだろう。即レス文化もいいけど、目立たない情報こそ普段からよく仕入れたり、必要な時に見落とさないように調べたり、を心がけたいと思った。
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ネイションなどの用語定義をしたうえで、各地の紛争の歴史的経緯をおさえた基礎知識を得るための本。おわりに筆者の主張がなんとなく綴られているが、形式を批評しているのみで具体的ではない。
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人類は長い歴史の中で自覚的かどうかに関わらず、多種多様な方法で人間を集団化してきた。現存する国家もその集団を入れておく一時的な入れ物でしかない。すべてはその時々の支配的思想や権力によって規定され、それへの反発が紛争へと繋がる。私たちはナショナリズムの持つ普遍性と特殊性のバランスを...
人類は長い歴史の中で自覚的かどうかに関わらず、多種多様な方法で人間を集団化してきた。現存する国家もその集団を入れておく一時的な入れ物でしかない。すべてはその時々の支配的思想や権力によって規定され、それへの反発が紛争へと繋がる。私たちはナショナリズムの持つ普遍性と特殊性のバランスを常に注視しなければならない。
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◆著者Twitter: https://twitter.com/NobuakiShiokawa ◆著者HP: http://www7b.biglobe.ne.jp/~shiokawa/
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「民族」というものが何か必ずしも絶対的な形を持っているものではなく、時代や政治的背景によって変わりうる相対的なものなんだなと言うことが、概念の整理や個々の歴史的事例から分かってくる。 そしてそれは「民族」の概念に関わらずさまさな人間集団の「区切りかた」にいえる。その様々な区切り...
「民族」というものが何か必ずしも絶対的な形を持っているものではなく、時代や政治的背景によって変わりうる相対的なものなんだなと言うことが、概念の整理や個々の歴史的事例から分かってくる。 そしてそれは「民族」の概念に関わらずさまさな人間集団の「区切りかた」にいえる。その様々な区切り方はどれも平等ではなく優劣があるという考え方もまた面白い。 ここからは完全に個人的な考えだが、今までは、一定の地理領域のなかでの複数種類の人間集団の混在や、同一とされる人間集団の点在はあれど、地理的な要因は人間集団を形成する上でかなり大きな要因になっていた様に思う。しかしオンライン技術が進みコロナかで全世界・老若男女・公私ともにその活用が広まった今、この人間集団の形成に対する地理的要因の影響力は劣位となって来るのではないかと考えた。
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所々わかりやすく書かれているものの、私の脳は完全に理解できなかった。各国に焦点を当てながら具体的な例を挙げているのは理解しやすいが、抽象的な話である〇〇主義などの理論の構図がやはり理解しがたい。また、地続きであるヨーロッパの民族の区切り方は島国である日本人にとっては理解し難いこと...
所々わかりやすく書かれているものの、私の脳は完全に理解できなかった。各国に焦点を当てながら具体的な例を挙げているのは理解しやすいが、抽象的な話である〇〇主義などの理論の構図がやはり理解しがたい。また、地続きであるヨーロッパの民族の区切り方は島国である日本人にとっては理解し難いことであった。 帝国主義からの第一次世界大戦を経て、「民族自決」により比較的少数の国家にとどめて独立が承認される。20世紀末〜現代においては冷戦やグローバル化を経て、ありとあらゆる「民族」に「自決」を認めることは果てしない紛争の連続を導きかねないと「民族自決」を時代遅れのものとするという全体的・世界的な流れをつかむことができた。
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「民族」「エスニシティ」「ネイション」「ナショナリズム」等について、歴史を踏まえつつ、広く明快な理解を与えてくれる良書。 グローバル化する現代にあって何故ナショナリズムが台頭するのか?人間というのは、とかく複雑である。
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ナショナリズムやネイション、エスニシティや民族といった、定義が曖昧でややこしいけれど近現代を知るには不可欠な用語を分かり易く整理、説明している。 某人気世界史講師が「19世紀はナショナリズムの世紀である。」と言うように、各国のナショナリズムやネイション形成の経緯を追うことで、19...
ナショナリズムやネイション、エスニシティや民族といった、定義が曖昧でややこしいけれど近現代を知るには不可欠な用語を分かり易く整理、説明している。 某人気世界史講師が「19世紀はナショナリズムの世紀である。」と言うように、各国のナショナリズムやネイション形成の経緯を追うことで、19世紀の欧州情勢が浮かび上がってくる。 1章では、ネイションや民族、ナショナリズム、エスニシティといった用語を一つ一つ筆者なりに定義付けていく。これらの用語間での微妙なニュアンスの違いだけでなく、用語自体が文脈によって変容することを踏まえて丁寧に整理する。 2章では、仏・独・伊・英といった西洋先進国、露・土・墺の旧帝国、米・ソの例外性、日・中の東アジア(非西洋)、加・豪の多民族国家 というふうに分類分けし、各国のナショナリズム形成の経緯を辿る。 3章では、20世紀以降にますます広がる民族自決の流れを具に追う。 難しい主題を丁寧に分かり易く説明していく、まさに国際関係や近現代史を考える上での入門書と言えると思う。
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