元職員 の商品レビュー

吉田修一【著】

2014/05/30

既読の作品では「ランドマーク」に似た心の圧迫感のある一冊でした。
吉田氏のこのタイプにありがちな心地悪さがジワジワきます。

「you are crazy」の部分がまさしくヒットしますね。

2014/04/09

タイトルからして、色々予感させますね。

なんといっても凄いのは、誰しもが「厭な人間」になってしまうことを、スコンと納得させること。
吉田修一の人間描写、怖い。

こういう人の内面をぐさりと衝くような描写が書ける人のミステリーがもっと読みたい。
密室が完成すりゃそれでオッケーなミステリー群は、ほとほとうんざり。

2014/02/02

「恐怖心には波がある。」
気付いている、気付いていない、嘘、嘘じゃない。
良いも悪いも発想次第。後味わるく、人間ってすごい。

2014/01/30

東南アジア（タイ）と吉田修一。どちらも大好きで、最高の組み合わせだと思いながら読み進める。
読んでいる最中に、会社で不正をして解雇された人の話を家族がしていて、その話のタイムリーさに驚き、誰にでもおこりうることなのだなとゾッとした。
吉田修一の暗さと軽薄さ（私は彼の作品をそう感じる）の、軽薄さのほうがないように思う。
心理描写があまりむずかしくなく、一気に読めてしまうところが物足りなかった。

2014/01/23

どんな話なのか先が見えない読み始めで、
舞台が外国ってだけで挫折しかけたところ、
急に、あぁぁぁ・・・と、堕ちるように引き込まれ最後まで一気読み。

「背後の風景が、すとんと抜け落ちたような気がした。突然、断崖絶壁の先端に後ろ向きで立たされたような感覚だった。」

気持ちの浮き沈みが、手に取るようにわかり、苦しかった。

2013/11/13

ライト感覚で1時間で読めてしまった。田舎の公務の職員がタイ旅行で豪遊してると思ったら、会社の金を横領していた。タイは物価が安く、ある人は楽園。ある人は人生を棒に振るとまで言われている。優雅な暮らしが出来る反面慣れてしまうと、日本に帰りたくなくなることだろう。一度はいってみたい国である。

2013/09/19

読みやすく
す～っと入る
さすがです！

ライト感覚。

タイで生活する難しさ（貧窮）地方の人達
暮らしていくための職業風俗
そしてちょっと道をそらしてしまった日本人で普通の職員（公務員？）の悩みと豪遊

ありそうでリアルな堕落と逃避

なんでもない話だけど
先が気になってしまう！！

タイを感じる要素としてGOOD（一部の部分であるとは思いますが）

あとはお金は、大事だけど
無理は禁物ってことですかねぇ･･･

2013/08/19

蒸されたバンコクの昼と夜を想像し、
爛れるような感覚になる。

罪を犯す時の、
深い意味がないそこはかとない闇が、
静かに描かれるからこそ、
ぞくりとする。

軽く読むにはちょうど良い。

2013/06/07

栃木の公社に勤める男がバンコクで豪遊する話。
金遣い荒いなぁ、と思っていたら…。。
とにかく描写がリアルで、話の展開と回想の交わりが絶妙で引き込まれた。

ラストはもう少し堕ちていくところが見たかった。

2013/06/01

短いけれど、吉田作品らしく雰囲気が出ています。ちょっとしたエピソードから人の心の中をさらけだしてしまうのは流石です。