自壊する帝国 の商品レビュー
佐藤優さんは教養があって頭もキレるナイスガイです。ソ連の崩壊を、外交官でしか知り得ない話を通して一連の流れで書いてありました。とても面白かったです。
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面白かった!ぐいぐい読んだ。チャイルド44とグラーグを最近読んだせいか、続きを読んでいるような気にさえなった。佐藤氏は人をひきつける力がとても強い人なのでしょう。完全な2重構造のソ連と言う国が、とても不思議でありながら、どこか日本も似てきている、という佐藤氏の言葉が、読んだ後も思...
面白かった!ぐいぐい読んだ。チャイルド44とグラーグを最近読んだせいか、続きを読んでいるような気にさえなった。佐藤氏は人をひきつける力がとても強い人なのでしょう。完全な2重構造のソ連と言う国が、とても不思議でありながら、どこか日本も似てきている、という佐藤氏の言葉が、読んだ後も思い出される。
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佐藤優が自身の経験を書いた本。だが、その体験が壮絶なものとなっており、読者をそそらせる本である。始まりは、自身が外務省に入るきっかけから。神学を勉強していた筆者が、チェコ語を勉強するために入省するところから始まる。そして、不本意ながらロシアに赴任となる。そこで、運命の出会いがあ...
佐藤優が自身の経験を書いた本。だが、その体験が壮絶なものとなっており、読者をそそらせる本である。始まりは、自身が外務省に入るきっかけから。神学を勉強していた筆者が、チェコ語を勉強するために入省するところから始まる。そして、不本意ながらロシアに赴任となる。そこで、運命の出会いがある。サーシャという天才的な青年である。 彼は、ソ連の崩壊を予想し、そして新生ロシア帝国の建国のために奔走することになる。そして、彼との関係から、ロシア要人との関係が始まって行く。。 異国に行く際は、彼らの信条など、何か共通言語となるものを勉強すべき。そして、相手の習慣に溶け込むこと。さらに相手を大切にすること。のように、人間との付き合い方を学ばされる。
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元外交官・佐藤優がソ連での勤務において、様々な人物と知己を得て精力的に活動し、ソ連崩壊までを実際に体験した、その軌跡を描く。 日記をつけている・脚色しているといった可能性は十分あるが、それであってもすさまじい記憶力による執筆である。そして、切れ味のある文章でサクサクと読み進めさ...
元外交官・佐藤優がソ連での勤務において、様々な人物と知己を得て精力的に活動し、ソ連崩壊までを実際に体験した、その軌跡を描く。 日記をつけている・脚色しているといった可能性は十分あるが、それであってもすさまじい記憶力による執筆である。そして、切れ味のある文章でサクサクと読み進めさせられる。 ソ連事情や宗教に関する学術的知識に欠ける私には、やや難解な点もあったが、それでも勢いで読み進められた。前提知識が必要だと感じたところは、ウィキペディアを利用して調べながら読了した。
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ロシア人の国家としての教育体制に驚愕。日本の教育の弱さ、若者の弱さ、考え方の稚拙さはこの本を読むと理解できる。世界にいる人種の多さ。民族とはやはり最後の部分は相容れないものがあるのかな。それにしても宗教と民族の関係は政治を動かすものとしては余りあるほどに大きいと感じる。島国日本人...
ロシア人の国家としての教育体制に驚愕。日本の教育の弱さ、若者の弱さ、考え方の稚拙さはこの本を読むと理解できる。世界にいる人種の多さ。民族とはやはり最後の部分は相容れないものがあるのかな。それにしても宗教と民族の関係は政治を動かすものとしては余りあるほどに大きいと感じる。島国日本人には目からうろこの作品。佐藤氏の論拠の鋭さ、物の考え方、深層部分を突く考え方には敬服する。やはり組織は内部からしか崩壊しないという言説は(私の考え方)間違いない。
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先日読んだ「暴走する国家 恐慌化する世界」の 副島氏の対談相手である佐藤 優氏の著書。 前述したように この副島氏との対談書を読んで 佐藤氏の著書を読んでみたくなった。 本書の題名にある「帝国」とは 旧ソ連をさす。 外交官時代、旧ソ連の日本大使館員であった 佐藤氏が関わって人び...
先日読んだ「暴走する国家 恐慌化する世界」の 副島氏の対談相手である佐藤 優氏の著書。 前述したように この副島氏との対談書を読んで 佐藤氏の著書を読んでみたくなった。 本書の題名にある「帝国」とは 旧ソ連をさす。 外交官時代、旧ソ連の日本大使館員であった 佐藤氏が関わって人びとの視点から ソ連崩壊に至るまでの流れを追った ドキュメンタリー本である。 ソ連の歴史、政治について詳しい方が読むと とても面白く読めると思うが 自分のような素人が読んでも おなじみの政治家の名前ができたりと それほど退屈にはならない。 自分が13歳のときにソ連が消滅したのだが 本書を読むと 「自壊(=メルトダウン)」したんだなというのが 何となく分かる。 イデオロギーとか既に関係なく 利権・覇権が絡み合い 国家が国家として形成することができなくなり メルトダウンしたように感じられた。 本書では、佐藤氏個人の人間ネットワークの視点から 描かれているので 外交官としての交渉術、弁え、御もてなしなども 読み取れるのが面白い。 高級料亭で飲み食いされたのが 私たちの税金によるものと捉えてしまうが それは国の外交政策の最前線であり 対人間関係の構築には必要なことなのかと。 それよりも 日本の外交がどういった外交を進めていくのか そういったビジョン、方向性がぶれることなく 示されることが必要だと感じる。 というのも、 佐藤氏は、小泉政権時代の初期に 背任容疑で逮捕された。 このときの外交政策は 今までの多方面外交から転換し アメリカ追随外交へと様変わりしたときである。 そんなこともあって佐藤氏の著書を もう少し読み進めてみようと思う。
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佐藤優が見たソ連の崩壊劇。ひとつの組織が体制内部から崩壊していく過程ってのは、とどのつまり共有されていた神話の嘘が暴かれていく過程なのかもしれない。少々乱暴な要約だが、ソ連の場合は、ソ連体制の再構築を目指したペレストロイカとそれに付随するグラスノスチが、皮肉にもソ連という共同体の...
佐藤優が見たソ連の崩壊劇。ひとつの組織が体制内部から崩壊していく過程ってのは、とどのつまり共有されていた神話の嘘が暴かれていく過程なのかもしれない。少々乱暴な要約だが、ソ連の場合は、ソ連体制の再構築を目指したペレストロイカとそれに付随するグラスノスチが、皮肉にもソ連という共同体の神話の二重構造をつまびらかにし、民主化を一層加速したように思える。そして、佐藤優という人物の傑出していたのは、ソ連という体制を支えていた「建前的」な共同体神話ではなく、その共同体に属する人々が持っている「本音」の神話を的確に捉え、共感する能力だったのかな、と思う。それはそうと、本書におけるサーシャという人物は、非常に興味深い存在である。彼は、とてつもなく傑出した知性の持ち主であるが、意思を持続させる能力をいささか欠く人物として描かれている。はたして彼の落ち着くべき場所はどこにあったのだろうか。
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どうやって、そんなビッグな人脈築けるんだよ、とかサーシャ…!とか語るべき事はいろいろあるんですが。 とりあえず、印象に残ったことはただ一つ。 佐藤優、食べ物に対する記憶力、良すぎだろ!はっきり言って異常としかいえん! ソ連崩壊直前のロシアで騒ぎの中心(になってるらしい)人たちと...
どうやって、そんなビッグな人脈築けるんだよ、とかサーシャ…!とか語るべき事はいろいろあるんですが。 とりあえず、印象に残ったことはただ一つ。 佐藤優、食べ物に対する記憶力、良すぎだろ!はっきり言って異常としかいえん! ソ連崩壊直前のロシアで騒ぎの中心(になってるらしい)人たちと次々と面会していろいろ話を聞く、その有様をまとめているのが本書なのだが、とにかくこの面会に絶対に食事とウオトカがつく。 しかも、外交官で、会ってる人たちもお偉いさんが多いから、一流料理店で食事が基本。 「このレストランでキャビアとサワークリームをかけオーブンで焼いたペリメニ(シベリア餃子)を食べた後、修道院でしか食べることのできない名物料理がでてきた。それはチョウザメを串に刺して焼き、それにクルミやニンニク、数種類のスパイスを混ぜ、ウイキョウを散らしたソースがかかったもので、他のレストランでは食べることの出来ない独特の味だ。」 とかこうした記述が、誰かに会うたびにとりあえず三行は続くのである。 初めて食べた料理のソースに、クルミとニンニクならまだわかるとおもうけどウイキョウが入ってる!とか覚えてるのってどうよ。(しかも十数年前の) 私だったら、友達とこの前なんのパスタ食べたかなかなか思い出せないってのが普通だよ。 たぶん、食事日記(会食日記?)とかつけてたのかな〜外交官だし、なんかの証拠になるんだろうし。 しかし、この食べ物描写はちょっとすごいと思うのは私だけだろうか。 世界グルメレポーターとしての才能も伸ばして欲しいと、なんとなく思う今日この頃です。
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1).目次 省略 2).筆者の主張 省略 3).個人的感想 ・起訴された外交官である佐藤優氏によるソ連崩壊の回顧録。 ・ソ連大使館勤務の筆者が、西側諸国の「諜報部員」としてロシアで人脈を駆使し、情報を獲得し、活躍する姿がよく分かる。 ・結局、情報が取れるかどうかは相...
1).目次 省略 2).筆者の主張 省略 3).個人的感想 ・起訴された外交官である佐藤優氏によるソ連崩壊の回顧録。 ・ソ連大使館勤務の筆者が、西側諸国の「諜報部員」としてロシアで人脈を駆使し、情報を獲得し、活躍する姿がよく分かる。 ・結局、情報が取れるかどうかは相手に信頼されることであり、筆者がその点にすぐれていたのは、筆者の神学の研究者としての特殊なバックボーンに基づくインテリジェンスと、筆者の強いプリンパル(主義主張)が受け入れられたからと思われる。 ・加えて筆者は、語学にたけ、今世間一般で言う「ソフトスキル」の能力も高いように思える。 ・語学は、大学等の若い時に勉強するべきという言葉が重く感じる。もっと専門性を磨いて勉強しなければならないと強く感じる。 ・ソ連自壊の理由として、エリツィンの腹心で、著者が最も優秀な人間というブルブリスの以下の言葉が特に印象に残った。 ・ソ連は自壊したのだ。1991年9月の非常事態国家委員会によるクーデター未遂事件は、政治的チェルノブイリだ。ソ連という帝国の際中心部、ソ連共産党中央委員会という原子炉が炉心融解をおこし爆発してしまった。ゴルバチョフはごみで、ソ連の維持しか考えなかった。ソ連という欠陥発電所の原子炉を締め上げることで、電力が確保できると考え、勘違いし、ソ連が崩壊した。
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本としては非常におもしろかったのですが、それは著者の佐藤さんが持つ魔力的な何かによるところが大きいようです。ソ連崩壊のプロセスに関しては、佐藤さんの経験自体はよく理解できたものの、全体的なもの、つまり「国家について」はよくわかりませんでした。ただ、逆に非常に局所的な、つまり「人...
本としては非常におもしろかったのですが、それは著者の佐藤さんが持つ魔力的な何かによるところが大きいようです。ソ連崩壊のプロセスに関しては、佐藤さんの経験自体はよく理解できたものの、全体的なもの、つまり「国家について」はよくわかりませんでした。ただ、逆に非常に局所的な、つまり「人間について」はよくわかったというか、感じることができました。
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