1,800円以上の注文で送料無料

自壊する帝国 の商品レビュー

4.2

55件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2014/03/09

かなり詳細な各論であるため、付いていけなかった。しかしロシア外交を専門とする方々には一級品の作品だろう。外交官たるもの、このように情報収集していくべきなのだなあ、と感心する。知らなかった世界だが、戦力保持に制限のある日本だからこそ、このような外交官には頑張って「諜報活動」してほし...

かなり詳細な各論であるため、付いていけなかった。しかしロシア外交を専門とする方々には一級品の作品だろう。外交官たるもの、このように情報収集していくべきなのだなあ、と感心する。知らなかった世界だが、戦力保持に制限のある日本だからこそ、このような外交官には頑張って「諜報活動」してほしい。

Posted byブクログ

2014/02/19

1985年に外交官のスタートとして外務省ソ連課に配属されてから、1991年のソ連崩壊までの、著者を取り巻く人間たちの壮大なドキュメンタリー。 東西冷戦の東の雄であるソ連という大帝国が自ら崩壊する過程を、共産党の知的エリートやサーシャなどのソ連インテリらとの交流を交えての内部から...

1985年に外交官のスタートとして外務省ソ連課に配属されてから、1991年のソ連崩壊までの、著者を取り巻く人間たちの壮大なドキュメンタリー。 東西冷戦の東の雄であるソ連という大帝国が自ら崩壊する過程を、共産党の知的エリートやサーシャなどのソ連インテリらとの交流を交えての内部から観察した臨場感は、圧巻の一言に尽きます。 また、一方でモスクワ国立大学で親友となったサーシャらとの交流を描いた若き日の著者の青春の一断面が物語の背景に広がっており、読後に哀愁を感じた次第です。

Posted byブクログ

2013/11/29

ソ連崩壊を内側から見届けた日本の外交官と、その周囲を取り巻く人間たちの壮大なドキュメンタリー作品。社会主義国としては最大の規模を誇るソ連という帝国が崩壊する過程を、共産党の知的エリートやサーシャなどのインテリらの政情分析を交えて臨場感あふれるノンフィクションとして著した佐藤優氏の...

ソ連崩壊を内側から見届けた日本の外交官と、その周囲を取り巻く人間たちの壮大なドキュメンタリー作品。社会主義国としては最大の規模を誇るソ連という帝国が崩壊する過程を、共産党の知的エリートやサーシャなどのインテリらの政情分析を交えて臨場感あふれるノンフィクションとして著した佐藤優氏の手腕は、圧巻の一言に尽きます。 ただ、私自身がソ連の民族的・宗教的・政治的な歴史には明るくないので、所々分からない部分があり、更なる勉強が必要であると痛感しました。 社会主義国として最も成功した国であると揶揄される我が国にとって、ソ連の自壊は「良いお手本」であり、「反面教師」でもあることを知るためにも、是非学ぶべきであると思わせられる教訓の一冊でした。

Posted byブクログ

2013/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐藤優本はとりあえず「自壊する帝国」と「甦るロシア帝国」を読みましょう。気に入ったら、ほかのも(たくさんあるけど(@_@;))。  甦るロシア帝国の、〆としてこの言葉 ↓ 「…ソ連崩壊後のロシアで、かつてマルクス・レーニン主義の理論的中心であったモスクワ国立大学の哲学部において、資本主義国の外交官である僕がマルクスについて講義するのか」「それが歴史の弁証法だ」と言ってセリョージャは笑った。  カッコよすぎるぜえ~~~

Posted byブクログ

2013/05/08

元々は伊藤潤二の「憂国のラスプーチン」がきっかけで手に取った本書。ソ連崩壊までの内情を描くノンフィクションで、聞き慣れない組織や思想も多かったが、先述の本で全体はカバーしていたのですんなり読むことが出来た。時系列的にはこのあと、出版時期はこのまえになる「国家の罠」も是非読んで「憂...

元々は伊藤潤二の「憂国のラスプーチン」がきっかけで手に取った本書。ソ連崩壊までの内情を描くノンフィクションで、聞き慣れない組織や思想も多かったが、先述の本で全体はカバーしていたのですんなり読むことが出来た。時系列的にはこのあと、出版時期はこのまえになる「国家の罠」も是非読んで「憂国のラスプーチン」への理解を掘り下げたい。 佐藤優氏の経験は深く広い。そしてその経験を物語として描ききる作家性も見事だ。文庫版に追加された章も、横道にそれつつ重要な部分にも触れているので必読だろう。

Posted byブクログ

2013/02/09

面白いけど、登場人物が多くてわけがわからなくなったり、読むのに時間がかかった。多分読書苦手の自分にとってはすこし読みにくいものだったと思う。 内容的には非常に多くの刺激を受けたし勉強になるが、読んでいて退屈にならないのが良かった。

Posted byブクログ

2012/04/25

 新潮ドキュメント賞、大宅荘一ノンフィクション賞受賞。  ノンキャリア外交官の成長記録であると同時に、インテリゲンチア(igentsiyagentsiya)の活動を記す。 知的好奇心が暴走し止らぬ車は事故を起こす。

Posted byブクログ

2012/01/13

ソ連邦の消滅という歴史の大きな渦に身を投じた若き外交官は、そこで何を目撃したのか?。筆者が今の日本はこの時期に非常によく似ているという意味が読み終えてなんとなくわかりました。『文庫版あとがき』もいい。 この記事を書くために再読しました。非常に面白かったのですが、やっぱり難しいで...

ソ連邦の消滅という歴史の大きな渦に身を投じた若き外交官は、そこで何を目撃したのか?。筆者が今の日本はこの時期に非常によく似ているという意味が読み終えてなんとなくわかりました。『文庫版あとがき』もいい。 この記事を書くために再読しました。非常に面白かったのですが、やっぱり難しいです。この本は『外務省のラスプーチン』こと佐藤優さんが在ソ連日本大使館の外交官として赴任したときに 見聞きしたソ連崩壊までの一部始終を振り返る回顧録です。 筆者は『蘇る怪物』を詳しくは参照してほしいんですが、モスクワ大学で教鞭をとっていた時期があり、そこで知り合ったミーシャという学生を介して、多くの重要人物を仲介してもらったり、自身の体質でウオトカを一日に数本飲んでもあまり二日酔いになることはない、という利点を十二分に発揮して『日本以上に酒を強要する』といわれるロシア人高官を相手にウオトカをガンガン飲みながら自身のルーツであるキリスト教はプロテスタントを基礎とした神学の教養を武器に彼が今でも『師』と仰ぐゲンナジー・ブルブリス氏をはじめとする人間たちに受け入れられていく姿はすごいなと素直に思わずにいられませんでした。 そして、『大使以上の人脈を持っている』といわれる情報網を駆使して1991年のクーデター未遂事件にも正確な情報をいち早く掴み取って、『ぎっくり腰で政務ができなかった』といわれるゴルバチョフ大統領(当時)の生存を重要人物から聞き出したシーンがいまだに強い印象を僕の中に残しています。 そのほかにも読んでいて面白かったのは食事、行動原理や習慣にわたってロシア人のことを細かく観察・描写されてあって、食事や飲酒の場面。そこで供される豪奢な料理。筆者と彼らが交わした言葉の一つ一つにもそういった事がにじみ出ていてロシアおよびロシア人がいったいどういう人なのかということや、あの当時、現場でいったい何が起こったのか?筆者が最近、今の日本がこの時期のロシアにそっくりだという理由がこの本を読むと本当によく理解できるかと思われます。非常に読んでいて骨が折れる文献だとは思うんですけれど、それに見合った対価は保証できる本だと思っています。

Posted byブクログ

2011/11/15

ソ連の崩壊を見届けた外交官 難しかったけどすばらしい作品 作品の紹介 ロシア外交のプロとして鳴らし、「外務省のラスプーチン」などの異名を取った著者の回想録。在ソ連日本大使館の外交官として見聞きしたソ連崩壊までの一部始終を振り返る。 「もともと、人見知りが激しい」という著者だが、...

ソ連の崩壊を見届けた外交官 難しかったけどすばらしい作品 作品の紹介 ロシア外交のプロとして鳴らし、「外務省のラスプーチン」などの異名を取った著者の回想録。在ソ連日本大使館の外交官として見聞きしたソ連崩壊までの一部始終を振り返る。 「もともと、人見知りが激しい」という著者だが、モスクワ大学留学中に知り合った学生を仲介に、多くの重要人物と交流を深め、インテリジェンス(機密情報)を得る。ウオツカをがぶ飲みしながら、神学の教養を中心に幅広いテーマで議論を交わし、信頼と友情を勝ち取る。その豊富な人脈と情報収集力を1991年のクーデター未遂事件でも発揮、ゴルバチョフ大統領の生存情報をいち早く入手した。 出世競争が最大の関心事であるキャリア組とは大きく異なる仕事・生活ぶりで、外交官の本質を考えさせられる。

Posted byブクログ

2011/10/29

ロシア人との交流でウオッカは必須! インテリジェンスとは何なのか、細かい手法がちりばめられていて、 それだけでグイグイ興味を抱かされてしまう。

Posted byブクログ