自壊する帝国 の商品レビュー
佐藤 優氏ってひと言で言うと「怪人」ですね。ソ連邦が自壊していく過程がスリリングに展開していく。その場にいた人が書いているので臨場感が桁違い。いやー面白かった。
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ソ連崩壊の内幕と外交官の仕事について学べるだけでなく、読み物としても秀逸。著者の意図踊り、人間の物語としても完結している。 また、特に国際社会で活躍するためには深い教養と体系的な学問を核として修めておくことの重要性がひしひしと伝わってくる。
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ソビエト時代の佐藤優さんの話。 この人の情報を集める力や人脈はすごいと思う。 けど、これは相当賢い人じゃないとできないと思う。 賢すぎて、逆に参考にならない。 読み物としては面白い。 「実は、この判断がこういう事に繋がるのである。」が多い。
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ソ連邦の崩壊を、内側から記した一冊。 当時何が起こっていたのか、何を起こそうとした人々がいたのかが論理的にわかりやすく書かれており、一気呵成に読んでしまった。 ロシア経験が長い私の友人(著者と同年代)が言っていた、嘘のような話がここでも書かれており(カレンダーやマルボローの話)、...
ソ連邦の崩壊を、内側から記した一冊。 当時何が起こっていたのか、何を起こそうとした人々がいたのかが論理的にわかりやすく書かれており、一気呵成に読んでしまった。 ロシア経験が長い私の友人(著者と同年代)が言っていた、嘘のような話がここでも書かれており(カレンダーやマルボローの話)、それが本当に現実であったのだと改めて思う次第。 「知の型には二つある。一つは、新しいものを創り出す知性だ。(中略)第二は、一流のオリジナルな知を、別の形に整えて、別の人々に流通させる能力だ。」(pp.258-259,ll.13-ll.7) いずれの知も持たぬ自分にはがゆいばかり。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ぅーん。面白かったです。 まず、基本的に今まで、ロシアという国をきちんと眺めてみたことはないし。その中での、つぶさな描写によるソ連の崩壊。 勉強になりました。 そして、何が面白かったかって、きっとその歴史が具体的に、特に内側から書かれていたからだと思います。客観的な分析として、エリツィンがどうしたとか、ゴルバチョフがどうしたとか、そんなことを書かれても、きっと眠くなっただけだろうし、教科書と変わらない。だがこの本はその歴史的大事件に関わる役者たちの人間としての思想、生きる視点で描かれているので非常にロマンにあふれていたと思う。 また、外交官の世界をちょろっと覗いてみた感じで面白かった。 ただ、一方、外交官の機密費の問題であったり、日ごろの行いの問題であったり、実際に一般社会とはかけ離れた世界にあるのだと感じた。それがいいとか悪いとかではないけれど、それが国のためになるのであればそれが正しいと言う言い方もできるのだろうけれど、必ずしも正しいことばかりが行われていないのだろうと言う思いを強く持った。 郷に入っては郷に従え。特に途上国回りだといろいろあるだろうなぁと思いましたです。 まぁでもとりあえず面白かった。
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佐藤優のロシア時代の回想録。在ソ連日本大使館の外交官として見聞きしたソ連崩壊までの一部始終を振り返る。
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佐藤優さんは自身の性格を「人見知り」というが、本当だろうか。本当だとすれば、崩壊前のソ連で、また、その後のロシアで、よくあれだけの人脈を作れたものだと思う。 本書でも出会った人物について「波長が合う」という記述が出てくるが、どうやってそれを確かめ合うのか、その辺の事情も知りたかっ...
佐藤優さんは自身の性格を「人見知り」というが、本当だろうか。本当だとすれば、崩壊前のソ連で、また、その後のロシアで、よくあれだけの人脈を作れたものだと思う。 本書でも出会った人物について「波長が合う」という記述が出てくるが、どうやってそれを確かめ合うのか、その辺の事情も知りたかった。おそらくは、単に相手の話にあわせるのではなく、こちらの思ったことや考えたことを素直に語ってみることから始まるのだろうが、そのほかにも何かコツのようなものがあると思える。他の本にも目を通す必要がありそうだ。
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国家の罠では十分に描かれていなかったロシアでの仕事や生活、学生時代が盛りだくさんに描かれている。自分は何て小者なんだ、と、改めて気づかされる。俺、頑張ってると胸張って言えるかなぁ。
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今日、かなり時間かけてやっと よみました 間にいろんな本はさんじゃいましたが。 すごいおもしろかったですが、この本だけ読むと見方がめちゃくちゃかたよりそう。笑 これは、「当事者からみたソ連崩壊」を日本人が書いてしまいました、という本。 筆者がこれを書けるのは、外交官で...
今日、かなり時間かけてやっと よみました 間にいろんな本はさんじゃいましたが。 すごいおもしろかったですが、この本だけ読むと見方がめちゃくちゃかたよりそう。笑 これは、「当事者からみたソ連崩壊」を日本人が書いてしまいました、という本。 筆者がこれを書けるのは、外交官でたまたま当時ソ連に駐在していたから、ではない。彼は、自ら積極的な情報の収集を左右保守革新偏らず色んな人物から行い、時には正に歴史の動く瞬間瞬間に人と関わっていた。そんな彼が書いたからこそ、リアルな当時のソ連の人々の人物像が浮かび上がる。 この本を読むと、情報収集や外交について、また日本の国家公務員のキャリア・ノンキャリアの制度についてなどさまざまなことを考えさせられる。 そして、印象的だったのは、筆者に様々な形で関わって来るいい年をした男たちが、歴史の転換点に立ちあい、自分の人生にこれから何を求めて生きていくか、と懊悩する様だ。変節した者、ロシアを去った者、政治をやめると誓いながらも、家族のために政治にかかわっていった者、死んでいった者… 彼らを見ていると、どう生きれば幸せなのか、という命題は、人類普遍の、誰にでも・幾つになってもつきつけられるものなのだと改めて認識させられる。
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「国家は崩壊することがある。 外国に征服された結果、国家が解体されてしまうこともあるが、国家が内側から自壊してしまうこともある。六十一年前に連合国によって解体された大日本帝国が前者の例で、十五年前に自壊したソビエト社会主義共和国連邦が後者の例だ。」
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