1,800円以上の注文で送料無料

彼女のこんだて帖 の商品レビュー

4.1

86件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    33

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/10/04

 料理を中心とした短編、その後に小説に出てきた料理のレシピが書かれている本です。 一つの話の中にちらっと出てきた人物が、次の話では主人公になっていて、またその主人公と関わる人物が次の話の主人公になっていて、一周して戻ってきます。 角田さんってやっぱり短編うまいなぁと思った。 短...

 料理を中心とした短編、その後に小説に出てきた料理のレシピが書かれている本です。 一つの話の中にちらっと出てきた人物が、次の話では主人公になっていて、またその主人公と関わる人物が次の話の主人公になっていて、一周して戻ってきます。 角田さんってやっぱり短編うまいなぁと思った。 短編って、これで終わりと思う人が多いけど、短い中にストーリー以外のもの(登場人物の性格や拝啓)も織り込まれていました。 レシピに興味を持ったのは、タイ料理五種。 そしてとくにお話がよかったものをご紹介。  子供が2歳のときに離婚し、必死で育ててきた母親。 オフクロの味なんて知らない子にさせてしまったと、小さい子供を連れた買い物帰りの母親を見書けるたびに自己嫌悪。 そんなとき、見知らぬ女性から電話がかかってきます。 それは息子の彼女で、お母さんが作ってくれた「カボチャのお宝料理」を教えてほしいというものでした。 何も出来ていないと思っていたけど、子供にはちゃんと思いが届いていたというお話。 続いて…。 奥さんが亡くなってから、料理教室に通うようになった夫。 何十年も一緒にいて、作り続けてくれていた「あの料理」を作りたいがために。 誰に聞いても分らない「あの料理」。 ある日突然こうやればいいのではないかということが閃いて…。 暖かい夫婦の絆が伝わってくるお話。 この小説の中で 「肉ジャガは肉ジャガであって、それがどの調味料をどうすれば肉ジャガになるのかということなど、何十年も考えたことがなかった」 という文章にすごい共感しました。 確かに私も結婚するまで、肉ジャガは肉ジャガだったし、唐揚げは唐揚げだったなぁと。 一冊の短編として、お勧めです。

Posted byブクログ

2009/10/04

食べ物や、料理に関する描写が大好き、死ぬほど好き! という話を興奮気味にしたらば、知人が貸してくださった。 表紙はナナナンキリコです! もう、いい加減絵柄でわかるようになてきた。 料理にまつわるショートショートの後にレシピ…という具合に全部で15回。 きちんとぐるっとループ...

食べ物や、料理に関する描写が大好き、死ぬほど好き! という話を興奮気味にしたらば、知人が貸してくださった。 表紙はナナナンキリコです! もう、いい加減絵柄でわかるようになてきた。 料理にまつわるショートショートの後にレシピ…という具合に全部で15回。 きちんとぐるっとループしていました。 中華ちまき かぼちゃの宝蒸し 食卓旅行タイ編 失恋した後の食事、関係が倦怠してきた恋人に作る食事、ご飯を食べなくなった妹に作る食事、死んだ妻の料理を再現した食事。 憧れるのは、ホームパーティー。 妙齢の女子が一人で外食して、味を覚えて自宅で再現してみる。 気楽なホームパーティーができるほどの社交性と、料理の腕!!!! 真似できない!!!!! あとがきに泣いた。 だから角田さんのあとがきは好き。

Posted byブクログ

2009/10/04

こうやって短編が繋がって一つの大きなお話ができる角田さんの小説が好きです。短編の名手だと思うマジで。

Posted byブクログ

2009/10/04

中華ちまき。手作りピザ。手作りうどん。五目ちらし。かぼちゃの宝蒸し。ラムのハーブ焼き…。 それはそれはおいしそうな、15のこんだてレシピと、15の切ない物語。 失恋の悲しみを、肉厚のラムステーキといっしょに飲み下そうとすろ女の子。亡き妻を、得意料理だった豚柳川なべをひとり食べな...

中華ちまき。手作りピザ。手作りうどん。五目ちらし。かぼちゃの宝蒸し。ラムのハーブ焼き…。 それはそれはおいしそうな、15のこんだてレシピと、15の切ない物語。 失恋の悲しみを、肉厚のラムステーキといっしょに飲み下そうとすろ女の子。亡き妻を、得意料理だった豚柳川なべをひとり食べながらしのぶ、初老のコンビニ店長。片思いから不健康なダイエットで元気をなくした女子高生の妹を、手作りピザで元気付ける兄。… みんな少しづついろんなことがうまく行かなくて、でもいっしょうけんめい生きている。そんなとき、おいしい食べ物があれば、とってもうれしい。ちょっとずつ、元気になれる。それは食べものの魔力。 いっしょに食事をしてくれる、恋人や家族、友だちのあたたかさ。 そんなことを感じさせてくれる、15の切ない物語と、15のレシピ。 以下は特にしんみりとした、「かぼちゃのなかの金色の時間」から少々。 夫と別れ、女手ひとつで長男を育て上げた主人公。 毎日、働きづめだった。十分にかまってあげる時間もなかった。 主婦の買い物姿を見るたびに、彼女は思う。 「子どもに手作りのごはんを作ってあげられる母親、母親のごはんを食べられる子どもたち。  なんて、なんて幸せな」 そんなある日、見知らぬ女性から電話がかかってくる。なんと息子の恋人らしい。 「…お母さんのかぼちゃのお宝料理がすごくおいしかったっていつも言ってるんで、  今度の誕生日、練習して、作ってあげようと思って」 ぜひ作り方を教えて欲しいという。そういえば、年に一度、誕生日ぐらいは、と 手作りしていたことを思い出した。 レシピを説明しながら、彼女は涙をこらえた。。 「なんにもしてあげられなかったと思っていた。…おふくろの味なんか知らない大人にさせてしまったと思っていた。…そうじゃなかった。私たちにも、幸福な思い出があった。」 「大きな蒸し器で蒸す丸ごとのかぼちゃ。ケーキのように切った一切れ。  やったー、お宝料理だとはしゃいだちいさな晶。」 「私の作った料理を、覚えてくれている。その味を、知っていてくれる。  私と過ごした時間を、きちんと抱えてくれている。私たちにも、たしかに光り輝く黄金色の時間があった。」 ひとつひとつの食事を、もっと大切にしよう。 いつかその味とともに、大切な人たちとすごしたひとときを、 ちゃんと思い出せるように。 そんな、あたたかい気持ちにさせてくれる、やさしい物語集です。 ※レシピは本格的。 ほんとうに、おいしく作れますよ。 自分でも、さっそくミートボール入りトマトシチューを作ってみた。 ミートボールも、もちろん手でまるめて。 こどもたち、ぱくぱくと食べてくれた。

Posted byブクログ

2009/10/07

料理がしたかったわけではなく、角田光代が好きだから 借りてきました。 それぞれの献立に沿った短編がちりばめられたほっこり する感じの本に仕上がっています。 親子の絆を感じる話が何篇かあって、電車の中でほろり ときてしまった。 料理も美味しそうです。

Posted byブクログ

2009/10/04

料理にまつわる短編と、それに登場する料理のレシピが掲載されています。素敵な本でした!こりゃ「買い」です。 以前読んだ角田さんの本はいまいち共感できず、それ以降読むことはなかったのですが、偶然手にしたこの本は、どのストーリーも良かったです。年齢や境遇によって、共感できるエピソードが...

料理にまつわる短編と、それに登場する料理のレシピが掲載されています。素敵な本でした!こりゃ「買い」です。 以前読んだ角田さんの本はいまいち共感できず、それ以降読むことはなかったのですが、偶然手にしたこの本は、どのストーリーも良かったです。年齢や境遇によって、共感できるエピソードがあると思います。写真もどれもおいしそうで、ぱらぱらと見る本としても楽しめる。(個人的に「毎月海外旅行をする。皿の上で」というのがいいなぁと思いました。是非やってみたい)レシピ集としても、もちろん物語としてもオススメの一冊。

Posted byブクログ

2009/10/04

献立と小説が載っている連作短編。 出てくる人もいいのだけど、こんだてもとってもおいしそう。 手がかかってる料理ばかり。 最後のあとがきがとっても良くって、なんだかしみじみしてしまいました。 グラタンのお話がよかったな〜。 あとラム肉も好き。

Posted byブクログ

2009/10/04

いとつひとつのお話が とても美味しい料理を食べたときみたいな 満腹感を与えてれる レシピもほんと作ってみたくなるー。

Posted byブクログ

2009/10/07

小説なのか料理本なのか。 どちらが先でもおかしくない。 すべてが繋がっているので、短編なのに長編のようにも思える。 「ストライキ〜」が主婦としては共感できた。 料理って日常だからこそ、凄く大事なもの。

Posted byブクログ

2009/10/04

料理にまつわる小説とその料理法の紹介。登場人物はリンクしていく。 角田光代が賞を取った頃ちょうどテレビで料理番組を見たが、肉ばかり食べて殆ど料理に関心がないようなことを言っていたので意外感があった。 後書きで彼女がこんなふうに変わったいきさつなどを読んで納得。 母親と...

料理にまつわる小説とその料理法の紹介。登場人物はリンクしていく。 角田光代が賞を取った頃ちょうどテレビで料理番組を見たが、肉ばかり食べて殆ど料理に関心がないようなことを言っていたので意外感があった。 後書きで彼女がこんなふうに変わったいきさつなどを読んで納得。 母親との感性の違いは彼女の小説に形を変えて出てくるテーマだが、その後、こんなふうに関わってきたのだなあと(勝手に)安堵した。 じわっときたのは「かぼちゃのなかの金色の時間」と「豚柳川」。 図書館で借りたのだが、作ったことがないメニューもたくさんあったので、買おうと思う。 作成日時 2007年06月16日 19:07

Posted byブクログ