生き屏風 の商品レビュー
「皐月はいつも馬の首の中で眠っている」と衝撃の一文で始まり、一瞬で物語に引き込まれる。 里を守る小鬼の皐月と、死後屏風に取り憑いた気高い女性の邂逅と融和、そしてその結末とは。 切なくても心温まる一冊です。
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村はずれで暮らす妖鬼の皐月。彼女が依頼を受け、亡くなった奥方の憑いた屏風の相手をする表題作をはじめとした連作3編。これは表題作が日本ホラー小説大賞短編賞受賞作ということからか、角川ホラー文庫から出ているが、ホラーというよりは人と妖との優しい日々を描いたファンタジーに近いのではない...
村はずれで暮らす妖鬼の皐月。彼女が依頼を受け、亡くなった奥方の憑いた屏風の相手をする表題作をはじめとした連作3編。これは表題作が日本ホラー小説大賞短編賞受賞作ということからか、角川ホラー文庫から出ているが、ホラーというよりは人と妖との優しい日々を描いたファンタジーに近いのではないかと思う。どの話もそれぞれ好きだが、一番インパクトがあったのは「馬の首で寝る」という状況が絵で浮かんだ部分かもしれない。妖猫に雪に変えてもらいひらひらと宙を舞い、さっと溶ける…。音のない世界が浮かんでちょっと泣きたくなった。
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連作短篇集。表題作と「雪猫」「狐妖の宴」の三篇収録。妖怪中心のちょっと不思議な物語。艶のある優しい怪談がお好きな方に。意外と凡庸な扱いをされる妖鬼・皐月と喋る屏風の関係がよい。出会いと別れと少しの希望があり、全編通して後味のよい小説でした。とくに「狐妖の宴」は春が幸せを運んできた...
連作短篇集。表題作と「雪猫」「狐妖の宴」の三篇収録。妖怪中心のちょっと不思議な物語。艶のある優しい怪談がお好きな方に。意外と凡庸な扱いをされる妖鬼・皐月と喋る屏風の関係がよい。出会いと別れと少しの希望があり、全編通して後味のよい小説でした。とくに「狐妖の宴」は春が幸せを運んできたような終わり方で、恐怖心を煽るホラーとは対極にあります。また余談ですが、食べ物やお酒が美味しそうに感じられました。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2013/10/post-3a17.html
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他の方もおっしゃってましたが、物語導入が一番ホラーってのが不思議だな・・・ 馬の首の中で眠る子鬼・・・
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ホラーというより、しみじみした寓話だった。しかし、にゃんこ先生ってどこにでも出てくるのな。ビジュアルが頭に浮かぶ作品だし、アニメ化したらいいんじゃないだろか。
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夏の角川ホラー消化月間。相変わらずのホラー要素無し。速攻で読んだ事自体を忘れかけていた。 風来坊の美少女鬼と、その周辺の一癖二癖ある妖の昔語りを中心として、純文学風に機微を描く。 「美少女鬼」てのに感情移入できなければ、最初から最後までなんにも面白くないという典型作品で、すん...
夏の角川ホラー消化月間。相変わらずのホラー要素無し。速攻で読んだ事自体を忘れかけていた。 風来坊の美少女鬼と、その周辺の一癖二癖ある妖の昔語りを中心として、純文学風に機微を描く。 「美少女鬼」てのに感情移入できなければ、最初から最後までなんにも面白くないという典型作品で、すんません、全くダメでした。話の内容は、芥川系の純文学風なところがあり、また、屏風に乗り移った屋敷の奥さんや、何になりたいかと言われて「雪」と答える粋というのは、落語調で悪くはない設定だと思う。 …惚れ薬はまったくもって面白くなかったんだけど。 話を戻して、昔風純文学風にしろ、落語調にしろ、この本に決定的に欠けているのは、文体の統一感である。妖の上下関係はあろうが、「○○ではありませんか」と急に現代風丁寧語が混ざってくる違和感のせいで、これっぽっちも作品の中に入れない。 また、その他の情景描写も、中学生の作文のように、ダラダラとあれがこうして、これがこうしてとマス目を埋めたくて仕方がなかったの?と問いたいレベルのものである。 作者は何かを書こうと模索しているんだろうけど、読み手にはなんにも響かなかった。響く人がいるとすると、「皐月」という鬼を、脳内で美少女に仕立ててアニメキャラにでも想像できた人だろう。想像するには情景描写が足りなさすぎるのだが。
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県境で里を守る妖鬼の皐月と、そのまわりの妖や人との関わりを描いた、耽美で静かな物語。 連作短編のような3つのお話。 妖や霊などホラーの要素はあるけれど、怖さは一切なく、どちらかというとやさしいお話。すこし、主人公の皐月がうすい気がした。シリーズを重ねればもっと皐月も魅力的になる...
県境で里を守る妖鬼の皐月と、そのまわりの妖や人との関わりを描いた、耽美で静かな物語。 連作短編のような3つのお話。 妖や霊などホラーの要素はあるけれど、怖さは一切なく、どちらかというとやさしいお話。すこし、主人公の皐月がうすい気がした。シリーズを重ねればもっと皐月も魅力的になるかしら。 ふたつめの「猫雪」がよかった。
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2015年17冊目は先月まとめ買いした初読みの作家、田辺青蛙。 第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作含む、三編の連作短編にして、三部作の始まり。 あらすじ:「生き屏風」 県境で一人暮らす妖鬼、皐月。彼女の所へ、造り酒屋の奥さんの霊の話相手になって欲しいという依頼が持ち...
2015年17冊目は先月まとめ買いした初読みの作家、田辺青蛙。 第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞の表題作含む、三編の連作短編にして、三部作の始まり。 あらすじ:「生き屏風」 県境で一人暮らす妖鬼、皐月。彼女の所へ、造り酒屋の奥さんの霊の話相手になって欲しいという依頼が持ち込まれる。 「猫雪」 若くして隠遁生活 を送る次郎。皐月の先代の県境守りである猫先生と出会い、変化(へんげ)の術で雪となる体験をする。約1年後、次郎は再び猫先生の術で雪となることを望むのだった。 「狐妖の宴」 惚れ薬を作って欲しいと皐月の所へ依頼がある。しかし、皐月はその調合を知らない。思い当たるのは、里の外れに住む狐妖であった。 本書解説、東雅夫氏の「癒しのホラー」とは言い得て妙。一編目の冒頭の皐月の眠り方こそグロテスク(その割に筆致が軽く感じる)ではある。しかし、全体的には、鬼や妖(あやかし)と人とが共生する、日本昔話のような感覚。恒川光太郎とは少々ベクトルが異なる、和風ファンタジーかな?!
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妖鬼の皐月と様々な人や妖怪との不思議な触れ合いを描く日本ホラー小説大賞受賞作を収録した連作短編。 すごくとぼけた味わいのある短編集です。ホラー小説大賞の受賞作ですが、怖さはなく皐月と人は普通に会話しています。 話をするだけでなく皐月は色々な頼みごとをされます。表題作「生...
妖鬼の皐月と様々な人や妖怪との不思議な触れ合いを描く日本ホラー小説大賞受賞作を収録した連作短編。 すごくとぼけた味わいのある短編集です。ホラー小説大賞の受賞作ですが、怖さはなく皐月と人は普通に会話しています。 話をするだけでなく皐月は色々な頼みごとをされます。表題作「生き屏風」では霊が憑りついた屏風の話し相手、「狐妖の宴」では女の子に頼まれ惚れ薬を作るため一緒にヤモリを探します。 こうして読んでいると日本昔話を読んでいるよう。登場人物たちみんなほのぼのしていて、肩ひじ張らず穏やかな気持ちで読むことができました。 個人的に印象的だったのが「猫雪」の冒頭。皐月の先輩(?)の妖怪がある男に「何になりたい?」と問いかけると男は「雪になりたい」と答えるのですが、 ここで雪という答えを持ってくるのがとてもセンスがあるなあ、と思いました。確かに雪のようにひらひらと落ちて、そして地面に落ちてそっと溶けゆく、ってなんだかロマンチックですもんね。 雰囲気の非常にいい作品だったので皐月の出てくる次巻以降も読んでみたいなあ、と思いました。 第15回日本ホラー小説大賞短編賞「生き屏風」
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