生き屏風 の商品レビュー
作者の名前、読めるかね? 私しゃ思いっきり「タナベ アオガエル」と読んでおった シャレで付けた名前かの~とか思ったもんでの(ハハハハハハ) どうやら京田辺市に在住し、蛙好きってことで決定したペンネームらしい 本来「タナベ セイア」と読むそうな~(笑)絶対に読めん!(ハハハハハ)...
作者の名前、読めるかね? 私しゃ思いっきり「タナベ アオガエル」と読んでおった シャレで付けた名前かの~とか思ったもんでの(ハハハハハハ) どうやら京田辺市に在住し、蛙好きってことで決定したペンネームらしい 本来「タナベ セイア」と読むそうな~(笑)絶対に読めん!(ハハハハハ) ちなみに…女性だそうな。 村はずれに人間に良く似た妖鬼の「皐月」が住んでおる。 村に悪い気や物の怪が入ってこないようにと、目を光らせておる。 ある日、村にある大きな酒屋から使いが来る。 「死んだはずの奥方が…あの世から舞い戻り、家の屏風に取り付いた」と言うのだ。 へ~~~~~~。そりゃ~見てみたい!っと思ったのは私だが…(ハハハハハ) 使いの者が「奥方の相手をし、退屈を紛らわせてほしい」っと頼んで来たのを 皐月は、ちょっと嫌がる。 村を守っているハズの「皐月」に対し、酒屋から来た使いの者は恐れる風もなく また、あり難がる風もなく、むしろちょっとした「こずるい人間」を出してくる 「ガオ~~!」と脅して人間を撃退するかと思いきや 皐月は渋々と出かけて行くことにする。 死んだ奥方が、家の屏風に乗り移り「酒を持ってこい」とか「美味いもん食わせろ」だとか あ~だ、こ~だと家人をこき使う(笑) いっそのこと屏風を縄で縛って押入れにでも入れたらエエのに、とも思ったが それが出来ない「家庭の事情」とかがあるらしい(笑) さても妖しとしては若い「皐月」は、どうするんじゃろう??ってなお話しと 皐月の先任者であった猫に化けた妖怪が、人間の男に一瞬の夢を与えた「猫雪」 ホレ薬を作って欲しいと言う少女に、恋多き狐の妖怪を紹介する「狐妖の宴」 など、3編が収録されておる。 リズミカルでノホホ~ンとした文体に、怖さは微塵も感じられないが そこそこ気持ちが安らぐのはナゼだろうか。 人と妖しがこうも巧く付き合える世界なら、少し参加してみたくなる(笑) 私が育った北海道の地にも妖怪は沢山居た。 元はアイヌ民族の伝承なので、日本語の妖怪という言葉が当てはまるかどうかは解らん 有名ところで言えば「コロポックル」。 アイヌの人達が北海道に移住してくる以前に住んでいた先住民族だったらしい さて、それとは別に先に住んでいたアイヌ民族に疱瘡を司る神と共に訪れた我等和人。 沢山のアイヌの人々が疱瘡で死ぬのを見たアイヌの神が疱瘡神と戦い 最後の最後に打ち勝った神が、水死して生まれたのが「ミンツチ」と言う妖怪である。 私が育った地域の、そばに流れる石狩川に住んでいた。 形状はカッパと変わりない。北海道全域に広がる河童伝説の「祖」じゃないかと思う(笑) 豊漁も司るが、年に数人川へ引きずり込み水死させるので困ったもんじゃと考えた人々が 「もそっと、上流へ行ってくれねぇ~べか」とお願いしたところ あっさりと上流へ引っ越してくれたそうだが、それと同時に魚も採れなくなったらしい 確かに私が生まれた頃には「ミンツチ」は既に引っ越した後だったようで 生活用水に汚染された石狩川には、魚の影なんぞまったく居なかった(笑) それでも川は氾濫し、年に数人死亡者を出していたもんで 上流にデッカイダムを作り、高い堤防も作り、生活用水を浄化し 私が成人するころには、人が溺れることもなく、シャケが遡上する綺麗な川となっていた 多分…世界中で一番信用の置けない私の父が言うことだから、まったく当てにはならないが 石狩川の堤防がまだ低く土で出来ていたころ 氾濫した川の様子を見に行った父が、川の真ん中あたりで濁流をものともせず ボ~っと立っておる人影を見たとか言っておったことがある。 その後その人影は、ジャボジャボと川を渡り向こう岸へ渡ったかっと思ったら… フっと消えたそうな。 バー様を筆頭に家族全員「そりゃアンタ。誰か溺れてたんだべさ」と考えたが 行方不明になった人は居なかったそうだ。 だいたい、河が氾濫しそうじゃっと聞くと…わざわざ危険な川へ出かけていく男性がおるが こういう時こそ「ミンツチ」がテグスネ引いて待っておるのかもしれん(笑) あんまし最近暑いもんで、川にまつわる妖怪の話をしてみたが… はて、涼しくなったかの?(ハハハハハ) 私が育った頃は、既に妖怪の類は奥地へ引っ越してしまった後だったが それでも時々は里へ現れておった(笑) 今、彼らは何処でどうしておるんじゃろう? なんて思っていたら しっかりと人間に混じって会社経営しておる(ブワハハハハハ) まさか、そんな会社に就職するとは思いもせなんだがの~~~(笑)
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トンコ同様にどちらかというとホラーではなく純文学に近い雰囲気の話。 連作短編となってますが、どれも不可はない安定した感じでした。 人間と妖が共存する世界。屏風に取り憑いた女の退屈を紛らせてほしいと頼まれた妖鬼がその家に行き――といったストーリー。 妖怪が語る「妖怪の話」と「人間の...
トンコ同様にどちらかというとホラーではなく純文学に近い雰囲気の話。 連作短編となってますが、どれも不可はない安定した感じでした。 人間と妖が共存する世界。屏風に取り憑いた女の退屈を紛らせてほしいと頼まれた妖鬼がその家に行き――といったストーリー。 妖怪が語る「妖怪の話」と「人間の話」。静かな空気で進んでいく中でその描写には瑞々しさがある。 個人的にはこれが一番好きな話でした。
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ホラー大賞といいつつ、いわゆる恐怖やグロテスクさを売りにするホラーとは全くかけ離れた上質のファンタジー。淡々とした中にある儚さや切なさ、諦観はどこか『夏目友人帳』や『キノ』シリーズに通底するものを感じる。続編の《魂追い》が飛躍的に完成度があがった反面、輪郭がはっきりしすぎて一作目...
ホラー大賞といいつつ、いわゆる恐怖やグロテスクさを売りにするホラーとは全くかけ離れた上質のファンタジー。淡々とした中にある儚さや切なさ、諦観はどこか『夏目友人帳』や『キノ』シリーズに通底するものを感じる。続編の《魂追い》が飛躍的に完成度があがった反面、輪郭がはっきりしすぎて一作目の魅力になっていた不安定な消えてしまって残念。表紙イラストも谷山彩子のイラストの方がフィットしていた。《生き屏風》と《猫雪》が秀逸。
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ちょっと前に読み終わった本。 本屋さんでこの本の2巻の魂追いを見つけて、気になったはいいけど1巻読んでなかったので読んでみた。 ホラー文庫に分類されてるけど、全然怖いことはなくて妖怪だとかをテーマにしたほのぼのとしたお話で、グロいのが苦手な自分としてはすっごく助かった!
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「皐月はいつも馬の首の中で眠っている」 この書き出しで、掴まってしまった。 主人公は妖鬼の皐月。 県境で余所の土地から好くないモノ(病とか)が 来ないように守っている妖である。 この作品世界では、人が妖の存在を認めていて、 ほどよい距離を保ちながら生活している。 人と妖がそれ...
「皐月はいつも馬の首の中で眠っている」 この書き出しで、掴まってしまった。 主人公は妖鬼の皐月。 県境で余所の土地から好くないモノ(病とか)が 来ないように守っている妖である。 この作品世界では、人が妖の存在を認めていて、 ほどよい距離を保ちながら生活している。 人と妖がそれぞれに振り返る思い出や想いは 淡々と語られながらもどこか滑稽で切なくて、 それでいて結末が優しい気持ちになれるのがいい。 飲み食いのシーンがもの凄くそそられます。 癒し系ホラー?というか「家守綺譚」のような ファンタジーだと思う。 楽しませていただきました。
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ホラー小説大賞短編賞。ホラー、といってもあまり怖くはないです。どこかユーモラスでほんわかとした、メルヘンめいたお話。キャラクターもユニークで魅力的。これはシリーズとして読みたいですね。 やはり表題作が良いです。読んでいると情景が目に浮かぶよう。ラストの海のシーンでかなりしんみりと...
ホラー小説大賞短編賞。ホラー、といってもあまり怖くはないです。どこかユーモラスでほんわかとした、メルヘンめいたお話。キャラクターもユニークで魅力的。これはシリーズとして読みたいですね。 やはり表題作が良いです。読んでいると情景が目に浮かぶよう。ラストの海のシーンでかなりしんみりとした気分になったのですが。この結末は良いよなあ~。ありうる結末だったのだろうけど、思いつきませんでした。
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とくになにかが起こるわけでもないのでどういうことかと思いながら読んだが、孤独と友情について書かれているのだとわかった。
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第15回の日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。 ホラーといっても妖怪とかファンタジックな要素があるからそう分類されているだけで、別に怖いわけではなく、「癒し系幻想小説」とでも言うべき内容だった。人とつかず離れずの微妙な距離感で暮らす妖たちの日常。
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ホラーと聞いて、読む前に少し身構えてしまった自分が馬鹿らしい。 人ではないものがそこにいて、ただ生きている。人をどうにかしようなど、そのような思惑なく、人と微妙な距離感を持って生活をしている。 人でないものが人や同じく人でないものと会話をしている。確かにそこには各々の物語が...
ホラーと聞いて、読む前に少し身構えてしまった自分が馬鹿らしい。 人ではないものがそこにいて、ただ生きている。人をどうにかしようなど、そのような思惑なく、人と微妙な距離感を持って生活をしている。 人でないものが人や同じく人でないものと会話をしている。確かにそこには各々の物語があるのだろうが、本としてはそれだけが内容だ。 しかし、それでも感じられる雰囲気はほんのりと暖かく、気付けば語り手の話を聞きもらさないように耳を近づけ、ところどころ首肯し、それでそれでと話を促している、そんな不思議な体験ができた。
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第15回ホラー小説大賞の小説中「庵堂三兄弟の聖職」と「粘膜人間」と本作とどれにしようか悩んだ末、 「庵堂三兄弟の聖職」は書評がどうも微妙だし、「粘膜人間」はサイコー!とのことだが、非常に描写がグロそうで読むのに勇気が要りそうなので こちらを購入。 雰囲気的には夏目友人帳くらいの...
第15回ホラー小説大賞の小説中「庵堂三兄弟の聖職」と「粘膜人間」と本作とどれにしようか悩んだ末、 「庵堂三兄弟の聖職」は書評がどうも微妙だし、「粘膜人間」はサイコー!とのことだが、非常に描写がグロそうで読むのに勇気が要りそうなので こちらを購入。 雰囲気的には夏目友人帳くらいのホラーさで程よかった。 主人公の妖鬼の性格描写が非常に人間味があって、妙に読みやすい。 3話あるうちどれも良かったが、やはり標題の屏風の話が一番好きかも。 最後のエピソード(オチ?)がすごく暖か。ベタかもしれないけどこういうのが好き。
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