トンコ の商品レビュー
ホラー小説大賞の短編賞受賞作。表題作は、豚の視点から見た物語ということで一風変わった仕上がり。 収録されている『黙契』のほうが好みだったかな。怖くないホラー短編小説、という感じで。 『黙契』は、東京進学した妹と地方赴任になってる兄とのお話。両親を早くに亡くして、2人きりだった兄妹...
ホラー小説大賞の短編賞受賞作。表題作は、豚の視点から見た物語ということで一風変わった仕上がり。 収録されている『黙契』のほうが好みだったかな。怖くないホラー短編小説、という感じで。 『黙契』は、東京進学した妹と地方赴任になってる兄とのお話。両親を早くに亡くして、2人きりだった兄妹はとても仲が良く、離れて暮らしていても、妹は兄に電話やメールでこまめに近況を伝えてくるのです。明るく頑張っていたはずの妹が突然自殺して……という。
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高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちの匂いに導かれてさまようが、なぜか会うことはできない。彼らとの楽しい思い出を胸に、トンコはさまよい続ける……。日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作をはじめ、親の愛情に飢えた少女の物語「ぞんび団...
高速道路で運搬トラックが横転し、一匹の豚、トンコが脱走した。先に運び出された兄弟たちの匂いに導かれてさまようが、なぜか会うことはできない。彼らとの楽しい思い出を胸に、トンコはさまよい続ける……。日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作をはじめ、親の愛情に飢えた少女の物語「ぞんび団地」、究極の兄妹愛を描いた「黙契」を収録。人間の心の底の闇と哀しみを描くホラーの新旗手誕生。 第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞
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やるせない・・・ハッピーエンドはありえないことが予想出来るだけに、終始涙目で読みました。あまりに切なくてやめておけば良かったと思ったけど、引き込まれてしまって結局最後までやめられなかった。収録3作品ともホラーらしくはないのかもしれないし、ミステリーのような意表を衝かれるような展開...
やるせない・・・ハッピーエンドはありえないことが予想出来るだけに、終始涙目で読みました。あまりに切なくてやめておけば良かったと思ったけど、引き込まれてしまって結局最後までやめられなかった。収録3作品ともホラーらしくはないのかもしれないし、ミステリーのような意表を衝かれるような展開もないけど、充分それぞれに魅力ある作品でした。
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ホラー好きなのと、表紙の豚の絵がかわいかったので購入。 表題作『トンコ』は、食用豚の脱走劇を描いた短編。ホラーなのか、怖いのか、と言われると微妙なところ。でもこういうアプローチはいままで読んだことがなかったので面白かった。なんともいえない読後感が後を引く。 個人的には表題作よりも...
ホラー好きなのと、表紙の豚の絵がかわいかったので購入。 表題作『トンコ』は、食用豚の脱走劇を描いた短編。ホラーなのか、怖いのか、と言われると微妙なところ。でもこういうアプローチはいままで読んだことがなかったので面白かった。なんともいえない読後感が後を引く。 個人的には表題作よりも、同時収録されていた「ぞんび団地」が好み。ナンセンスなのにせつなくて、フワフワとした哀愁が読む者の心の奥にゆっくりと沈んでゆく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
トンコは微妙だったけど、ぞんび団地と黙契は面白かった。黙契のラストがちょっとよくわからなかったけど、最後に出てきたのは妹だったってこと?それとも主人公の妄想?なにか伏線があったのかと思って読み返してみたけど、よくわからず。
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食用豚を主人公とした表題作の「トンコ」は寓話や童話にできそうな話で、トンコにどれくらい感情移入できるかで評価が変わってきそう。たぶんトンコにとっては、人間自体がホラーそのものだったのだろうなあとも感じます。読み終えた後は何とも切ない感じです。 ホラーとして読む分には「ぞんび団地」...
食用豚を主人公とした表題作の「トンコ」は寓話や童話にできそうな話で、トンコにどれくらい感情移入できるかで評価が変わってきそう。たぶんトンコにとっては、人間自体がホラーそのものだったのだろうなあとも感じます。読み終えた後は何とも切ない感じです。 ホラーとして読む分には「ぞんび団地」「黙約」が直接的に怖い。「ゾンビ団地」は語り口がです、ます調でこちらも寓話や童話のような感じなのですが、内容はしっかりとしたホラーで語り口調とのギャップが秀逸に感じました。 他の二作とはアプローチの違う「黙約」は登場人物の哀しさがよく伝わってきたよかったです。 全体を通して読了後切なさが残って、ホラーとしてだけでなく純文学としても通用しそうな作品集でした。 第15回日本ホラー小説大賞〈短編賞〉受賞作「トンコ」収録
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表紙を書いたイラストレータが学生時代の友達なので買ってみました。怖いだけではなく、考えさせられる話でした。
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豚が主役なのにホラー?しかも賞を受賞している…。 普段あまりホラー小説は読まないのだけど、気にならずにはいられなくて読んでみました。 お、おもしろい‥(笑) 話の内容がおもしろいというのもあるけれど、こういうアプローチの仕方もあるんだ‥という見方でのおもしろさも感じた。 ホラー...
豚が主役なのにホラー?しかも賞を受賞している…。 普段あまりホラー小説は読まないのだけど、気にならずにはいられなくて読んでみました。 お、おもしろい‥(笑) 話の内容がおもしろいというのもあるけれど、こういうアプローチの仕方もあるんだ‥という見方でのおもしろさも感じた。 ホラーは、折原一さんや鈴木光司さんの小説くらいしか読んだことがないのだけど、そういう正統派?のホラーとは違う気がする。 短編集で三作収録されてて、三作目の『黙契』は正統派だけど、表題作の『トンコ』と二作目の『ぞんび団地』は、雰囲気的にはファンタジーに近いような感覚も。 特に『ぞんび団地』は語り部が小学生の女の子であるためか、読んでいる感覚は絵本みたいなのに内容は怖いから、その不思議なギャップがおもしろいと思った。 三作とも全く作風が違うから、どれが一番好きかはとても決めがたい。 ただ、全てに共通して、“切なさ”の要素があったように思います。 ホラーなのだけど情緒のようなものも感じられるところが、日本のホラーってこうだよね、と思わせる。 ホラーやミステリ、サスペンスってやっぱり、続きが気になる!のエネルギーで読書が遅い私でもぐんぐん読める。 たまにはホラーもいいな、と。 表題作の『トンコ』はホラー要素は薄いので、苦手な人でも読めるはず。
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角川ホラー大賞2008年短編賞受賞作、でもこわくはない。 ええ、面白かったんですよ。こんな短編でうるうる来るとは思わなかった。 豚の話でまさか・・・。 文庫本にまとめられた他の2編も達者だとは思いますが「トンコ」別格です。 テーマとか語りたいことがはっきりしてるのって大事。私が感...
角川ホラー大賞2008年短編賞受賞作、でもこわくはない。 ええ、面白かったんですよ。こんな短編でうるうる来るとは思わなかった。 豚の話でまさか・・・。 文庫本にまとめられた他の2編も達者だとは思いますが「トンコ」別格です。 テーマとか語りたいことがはっきりしてるのって大事。私が感じた「トンコ」のテーマは、定め、とか、運命の受容、ですかね。 ぜひ読むのをお勧めしたい。
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