1,800円以上の注文で送料無料

左岸 の商品レビュー

3.5

154件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    46

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2017/11/09

寺内茉莉と祖父江九。 福岡を同郷とする二人の幼馴染はお互いに魅かれあいながらも それぞれ別々の人生を歩んでいく。 普通なら一人の作家が前編後編と言った形で長編を書くのだろうが、 この作品は違っていた。 江國香織さんが、女性の立場で茉莉の人生を書いた『左岸』と 辻仁成さんが男性の...

寺内茉莉と祖父江九。 福岡を同郷とする二人の幼馴染はお互いに魅かれあいながらも それぞれ別々の人生を歩んでいく。 普通なら一人の作家が前編後編と言った形で長編を書くのだろうが、 この作品は違っていた。 江國香織さんが、女性の立場で茉莉の人生を書いた『左岸』と 辻仁成さんが男性の立場で九の人生を書いた『右岸』。 2冊の本によって2人の人生は書かれていた。 軸となる大まかなストーリーは同じなので、 しばしば同じ場面がどちらの本にも登場してくる。 立場が違うから考えていることも違っているのが、 読者にもはっきりとわかるので、面白い。 どちらから読むかは読者の自由だから、 まずは『左岸』の寺内茉莉の人生を覗いてみた。 兄の死、家出、同棲、結婚、出産、母の出走、夫の死、 女の人生の起伏が手に取るようにわかる。 幼少の頃から慕っていた兄の死は、 茉莉と隣人の九の人生を狂わせた。 ゆったりとそれでいて足早に流れ去る時の流れの中で、 茉莉の恋人も何人も変わるが、 いつも彼女の心の片隅にいるのは、幼馴染の九だった。 夫や実母など大切な人が次々となくなる不幸をのりこえて、 茉莉はたくましく生きている。 そんな茉莉の人生が、きれいな文章で描かれていた。 ところどころ、 何年かが飛んで書かれているところがあり、 空白があるようで惜しい気がしたが…。 この茉莉の人生の片側には、幼馴染の九がいる。 九の人生を詳しく知りたければ、『右岸』をどうぞ。

Posted byブクログ

2012/04/05

茉莉と言う一人の女性の人生を描いた作品。 ちょっと不幸な、でも平凡な主人公で、よくこれだけの作品になったなぁ~、と思うくらい普通。 詳しい感想は主人公の幼なじみ・九の物語を読んでから。

Posted byブクログ

2012/04/05

先月読んだから結構忘れかけている部分もあるのだけど・・・ 茉莉が女性として成長していく姿や、周りの人の描写が素晴らしい。 幼い時になくした兄の言葉も、子供ながらにとても深みがあるというか。 かなり長いので読むのには時間かかるけど、読んで損はないと思う。 あ、あと恋多き女の小説って...

先月読んだから結構忘れかけている部分もあるのだけど・・・ 茉莉が女性として成長していく姿や、周りの人の描写が素晴らしい。 幼い時になくした兄の言葉も、子供ながらにとても深みがあるというか。 かなり長いので読むのには時間かかるけど、読んで損はないと思う。 あ、あと恋多き女の小説っていう意味では勉強になりました。

Posted byブクログ

2012/04/04

江国香織さんの小説は好きでほとんど読んでいます。 これはかなり長編。 江国さんの小説はいつも何度も読み返していますが、これは読み返す気にならなかった。 いつものほうがおもしろかった。 右岸、まだ読んでないです。

Posted byブクログ

2012/04/03

一人の女性の人生を恋愛を中心に描いた作品。 右岸とは違い、期待していた恋愛小説だったので楽しみつつ読めた。 色々な人との出合い・別れを通じて、人生観・恋愛観も変わっていく様子が丁寧に描かれていて面白かった。

Posted byブクログ

2012/03/09

冷静と情熱の間』の著者二人による男女異なった視点の小説。でも今回は「恋愛」小説よりももっと長い目で見た男女の人生の物語で、より深い内容です。男性側の「右岸」女性側の「左岸」を交互に読んで楽しみました。読んでいる一週間はとても楽しかったです。何となくみえてしまう最後がちょっと駆け足...

冷静と情熱の間』の著者二人による男女異なった視点の小説。でも今回は「恋愛」小説よりももっと長い目で見た男女の人生の物語で、より深い内容です。男性側の「右岸」女性側の「左岸」を交互に読んで楽しみました。読んでいる一週間はとても楽しかったです。何となくみえてしまう最後がちょっと駆け足な気がしたけど、それ以外は良かった。はじめて「右岸」「左岸」という言葉が出てくる場面は美しかったです。

Posted byブクログ

2012/03/06

茉莉の生き方とか、人との関わりとか、茉莉のことがかかれています。 九の側から書かれた右岸をみれば、ここで?と思うことも解決できるのかな? なんか疑問が残った小説でした。 左岸と右岸で繋がっているなら、右岸も読んでみたいです。

Posted byブクログ

2012/02/24

『冷静と情熱のあいだ』から10年あまり。 辻仁成とともに、「出だしと終わりだけを決めてあとは自由にふくらませる」方法で雑誌に連載されていた『右岸』と『左岸』。 前共作とは違った面白さがある。 決して交わることのない両河岸は主人公茉莉と九の人生であり、それを示すように流れつづける...

『冷静と情熱のあいだ』から10年あまり。 辻仁成とともに、「出だしと終わりだけを決めてあとは自由にふくらませる」方法で雑誌に連載されていた『右岸』と『左岸』。 前共作とは違った面白さがある。 決して交わることのない両河岸は主人公茉莉と九の人生であり、それを示すように流れつづける雄大な河。 二冊を読み終えると、題名がそんなイミを持っているのかと思わされます。 個人的には『左岸』が好きだけれど、それは男性目線、女性目線の違いなのでしょうか。

Posted byブクログ

2012/03/17

・「チョウゼン(超然)としよう」 ・親い人を何人か亡くした身なので「みんないなくなってしまう」寂しさのような空しさに…そして 自分の両親との別れも遠からずの年齢のため、入りこんでしまった

Posted byブクログ

2012/01/10

いやぁ~、こう来たか!みたいな感じで。 江國さんの作品って、今までは不倫ぽい話や、一筋縄でいかないような恋愛話が多かったように思うんだけど、今回は“主人公の流れ”がわかるというか。幼い頃から始まり、かけおち、両親の離婚、結婚、出産、そしてその後‥みたいな流れって、今までなかっ...

いやぁ~、こう来たか!みたいな感じで。 江國さんの作品って、今までは不倫ぽい話や、一筋縄でいかないような恋愛話が多かったように思うんだけど、今回は“主人公の流れ”がわかるというか。幼い頃から始まり、かけおち、両親の離婚、結婚、出産、そしてその後‥みたいな流れって、今までなかったんじゃないかな。 最初は違和感を覚えたけど、読み進めるうちに夢中になり、茉莉の事を昔から知っているような気分にかられました。 あちらの方言も、まったく知らないのにすんなり読んでしまえたし。 こうなったらやっぱり辻仁成の『右岸』も読まなくちゃ。 あー、またひとつ、おもしろい本を読み終えてしまったー。

Posted byブクログ