左岸 の商品レビュー
最初は、方言とか福岡が舞台、っていうのがどうも江國香織としっくりこない気がしていたのだけれど、すぐにストーリーに引き込まれて、ぐいぐいすいすい読めた。やっぱりわたしは江國香織の文章が好き。すごく長いのだけれど、ひっかかりもなく、だれることもなく、とても読みごたえがあったと思う。霊...
最初は、方言とか福岡が舞台、っていうのがどうも江國香織としっくりこない気がしていたのだけれど、すぐにストーリーに引き込まれて、ぐいぐいすいすい読めた。やっぱりわたしは江國香織の文章が好き。すごく長いのだけれど、ひっかかりもなく、だれることもなく、とても読みごたえがあったと思う。霊的なことや、オカルトぽいことも少々出てくるのだけれど(それは辻氏の「右岸」に関係するのかしら? ごめんなさい、「右岸」は読むつもりないです)。それほど大きな要素にもならず気にならなかったし。最近の江國香織の作品のなかではいちばん好きかもしれない。読み終わったとき、本当に、「遠くまできた」という感じがした。
Posted by
先に『右岸』を読み、それから『左岸』を読んだ。 その順番があっているのか、逆に読んだら印象が変わるのか、それは分からない。 でも、二つは両方読んで初めて一つなんだ、と強く思った。 福岡のテレビ塔が見えて、急斜面の芝生の坂があって、すぐ真上を飛行機が轟音を立てて横切る町。 そこで...
先に『右岸』を読み、それから『左岸』を読んだ。 その順番があっているのか、逆に読んだら印象が変わるのか、それは分からない。 でも、二つは両方読んで初めて一つなんだ、と強く思った。 福岡のテレビ塔が見えて、急斜面の芝生の坂があって、すぐ真上を飛行機が轟音を立てて横切る町。 そこで大好きな兄、惣一郎と隣家の幼馴染、九ちゃんと共に過ごした日々。 それが茉莉の心にずっとずっと生き続けている様子をじっくりと描いた作品だった。 柔らかく甘い響きの福岡弁、東京、パリ、博多の街並み。 茉莉と同じ空気を吸っているかのように、作中に深く入り込めた。 感想を書きやすい作品と言葉にまとめにくい作品とがあるけれど、この作品は私にとって後者だ。 でも、間違いなく私の心に何かを残した作品だと思う。
Posted by
なんか、小説で取り上げるエピソードの趣旨など、いまひとつ深みが感じられない。 右岸では取り上げられないけど、この重なり合う部分でどのような影響を与えているか・・・。 とか、もうすこし掘り下げないと、単なる自分勝手なオバサンの失敗した人生になってしまう。
Posted by
人生、そううまく転がるのだろうかと思ったり。 それでもやはりこの人の文章は淡々と鮮やかに人を語る。
Posted by