外国語学習の科学 の商品レビュー
英語,韓国語,中国語など外国語を学ぶ人は多く,また日本語教育に携わる人も増えている.だが各種のメソッドや「コツ」は,果たして有効なのだろうか.言語学,心理学,認知科学などの成果を使って,「外国語を身につける」という現象を解明し,ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出す「第二言語...
英語,韓国語,中国語など外国語を学ぶ人は多く,また日本語教育に携わる人も増えている.だが各種のメソッドや「コツ」は,果たして有効なのだろうか.言語学,心理学,認知科学などの成果を使って,「外国語を身につける」という現象を解明し,ひいては効率的な外国語学習の方法を導き出す「第二言語習得(SLA)」研究の現在を紹介する. プロローグ 第1章 母語を基礎に外国語は習得される 第2章 なぜ子どもはことばが習得できるのか ──「臨界期仮説」を考える 第3章 どんな学習者が外国語学習に成功するか ──個人差と動機づけの問題 第4章 外国語学習のメカニズム ──言語はルールでは割り切れない 第5章 外国語を身につけるために ──第二言語習得論の成果をどう生かすか 第6章 効果的な外国語学習法 あとがき 重要語 参考文献 感想 第二言語と母国語の文法の乖離や習得の動機づけ、会話の脳内リハーサルなど言語習得のメカニズムやテクニックをあらゆる研究結果や論文に基づいて知れた。そもそも音声認識能力、言語分析能力、記憶が必要不可欠であり自身の適正に合った学習法を採用する。 例えば:例文の丸暗記や音声を繰り返し聴いてから、実際に話すことが効率的な言語習得だったり、文化的に理解をしたいなどの動機を持つなど
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外国語学習の研究史とプロセスについて書かれた本。 これを読むと、学生時代はこの本に書いてあることとまさに真逆のこと(文法優先、単語を単語として覚える、極端なまでの和訳読など)をやって見事に英語嫌いになったのが分かるし、その後社会人になってからTOEIC695点(全く自慢にならない...
外国語学習の研究史とプロセスについて書かれた本。 これを読むと、学生時代はこの本に書いてあることとまさに真逆のこと(文法優先、単語を単語として覚える、極端なまでの和訳読など)をやって見事に英語嫌いになったのが分かるし、その後社会人になってからTOEIC695点(全く自慢にならないからこそ書ける)までなんとか底上げできた理由(シャドーイング中心の勉強)もなんとなく分かる。 結局のところ、子供の頃にどれだけ興味を持てるかが勝負になる現実は避けられないのだなと。言語に限らないかもしれないが…。
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言語学の知識がほんの少しあるからか、とても分かり易くスラスラと読めた。 新書って、書かれている内容の知識が少しあればこんなにも簡単に読むことができるんだなと初めて思った。 第二言語習得のメカニズムが第二言語習得論を通して書かれている。 その中で、具体的な第二言語習得方法として ...
言語学の知識がほんの少しあるからか、とても分かり易くスラスラと読めた。 新書って、書かれている内容の知識が少しあればこんなにも簡単に読むことができるんだなと初めて思った。 第二言語習得のメカニズムが第二言語習得論を通して書かれている。 その中で、具体的な第二言語習得方法として 1.アウトプットよりインプット 2.単文よりもダイアローグの暗記 3.アウトプットも毎日少しでもやるべき の3つが重要ポイントなのではないかと思う。 言語学について学びながら、言語習得についてもためになる一冊。
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この本で書かれていることと、ポリグロットYouTuberとして有名なスティーブ・カウフマンさんが話していることがかなりかぶる。 訳読で勉強するのが好きならやればいいけれど、大多数の人には向かない学習法だということは多くの研究者によって証明されている。どうせなら成功の確率が高く、...
この本で書かれていることと、ポリグロットYouTuberとして有名なスティーブ・カウフマンさんが話していることがかなりかぶる。 訳読で勉強するのが好きならやればいいけれど、大多数の人には向かない学習法だということは多くの研究者によって証明されている。どうせなら成功の確率が高く、楽しめる方法をとった方がいいと思う。私はこの本を軸に外国語学習を始めた。
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【推薦者】 体育学部 体育学科教員 市川 純 【学生へのメッセージ】 第二言語習得論の入門書レベルの知識もない人間が、自らの狭い経験則を妄信して、日本の英語教育を批判したり、あるべき(?)英語教育を押し付けている現状がある。我々が外国語を習得するためには、英米人とは置かれて...
【推薦者】 体育学部 体育学科教員 市川 純 【学生へのメッセージ】 第二言語習得論の入門書レベルの知識もない人間が、自らの狭い経験則を妄信して、日本の英語教育を批判したり、あるべき(?)英語教育を押し付けている現状がある。我々が外国語を習得するためには、英米人とは置かれている環境が違うだけでなく、学習者の年齢や個々の動機や目的の違いなど、考慮しなければならない問題が多い。本書が紹介する様々な仮説や事例は興味深い。英語だけが話されている環境に身を置けば自動的に身に付くという勘違いを脱し、自らの目的に合った学習法というものをここから考え出すべき。 ▼配架・貸出状況 https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00546600
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英語学習の効率的なやり方のヒントがあるかと思い読んでみた。内容は第二言語習得の学術的な内容が多かったので、一般的な英語学習者にはあまり参考にはならなかった。
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読みやすかった。でも引用する研究の数が多すぎて結局何言いたいのかはよくわからなかった。 多分ようはインプット多めで、でもアウトプットも今の学校の量よりは増やすようにってことだと思う。
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近年、英語学習は「アウトプットが大事」「とにかく話せ」と言われることが多く、大学入試改革なんかもその動きがきっかけになっていて、そんな状況にどこかモヤっとしていました(もちろん大切ではあるのだけれど)。けれど自分の知識不足、語彙力不足のせいで言語化できずにいました。 そんなモヤ...
近年、英語学習は「アウトプットが大事」「とにかく話せ」と言われることが多く、大学入試改革なんかもその動きがきっかけになっていて、そんな状況にどこかモヤっとしていました(もちろん大切ではあるのだけれど)。けれど自分の知識不足、語彙力不足のせいで言語化できずにいました。 そんなモヤっとを明快に言語化してくださったのがこの本です。大切なのは「インプットの理解とアウトプットの必要性」。いわゆる受験勉強で培ってきた多読や多聴も無駄ではないはずなのです…。 そして著者の方の丁寧な語り口、物腰の柔らかさが個人的に好印象でした。とてもわかりやすく、読みやすかったです。
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外国語としてどうやって学べば効果的か、という事を論文と検証結果を交えて考察。 つまり、多聴多読と少しのアウトプット。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第二言語習得論について一通り網羅されており大変勉強になった。クラシェンのインプット仮説は聞いたことがあったが、インプット仮説が全て正しいというわけではなく、それだけでは説明できない点があること、自動化モデル説の存在など、第二言語習得論における位置づけや潮流も概観することができて良かった。 日本の英語教育には圧倒的にインプットが不足しているというのは薄々感じていたが、第二言語学習のために最も良いとされているコミュニカティブアプローチの真反対をいく文法訳読方式に問題があるという主張には深く頷かされた。 もともとは子どもの英語教育について関心があり本書を手に取ったが、幼児期の学習は無意識の学習であり、第二言語習得ともまた違っているように思う。子どもの言語習得について他の本も読んでみたい。むしろ、自分の英語学習法を振り返り、今行っているLearning Englishのリスニング、ディクテーション、英語ニュースのリスニングは理に適っていると再認識できたのは副産物であった。
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