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私という運命について の商品レビュー

3.7

274件のお客様レビュー

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女性の最大のジレンマ

仕事に生きる女性にとって、結婚と出産(それと天秤にかける自身のキャリア)は尽きないジレンマだ。この物語は、ひとりの働く女性の10年間を描く。運命とでも呼ぶべき、大きな力に翻弄される彼女の姿を……。

かんだ

2024/08/19

この方の本を読むのは初めて。 近所のちょっとおしゃれな本屋でおすすめされていて、手に取った。 女性という性別を神聖視・特別視しすぎでは?としらけつつ、起承転結に富んだドラマを毎週それなりに楽しみに見るような気持ちで読み終えた。 たしかに私も妊娠出産を通じて、「いのちとは、ただ...

この方の本を読むのは初めて。 近所のちょっとおしゃれな本屋でおすすめされていて、手に取った。 女性という性別を神聖視・特別視しすぎでは?としらけつつ、起承転結に富んだドラマを毎週それなりに楽しみに見るような気持ちで読み終えた。 たしかに私も妊娠出産を通じて、「いのちとは、ただただ連綿と紡いでいくものなのだ。私も、私の先祖たちが連なる長い長い人間の営みの歴史を構成する1人に過ぎないのだ。」と、雄大な時間に思いを馳せたりした。 ただ、本作の描かれ方はちょっと綺麗事すぎる感じで、当事者の女性としては、もっともっと生々しくて苦しくてどうにも割り切れないどろどろした部分だってあるんだけど、男性からはそう見えるでしょうね、としらけてしまった。 (これは単に私の好みの問題だとはわかっている。) 選ばなかった未来などない、というフレーズは印象的だった。

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2023/09/24

30代という妙齢の女性の10年を通して、女性の幸福とは何か?を考えさせられる。 結婚・未婚の区別ではなく、出産・未出産の区別が幸・不幸を分けるとの仮説には共感できなかった。 幾度となく「運命」という言葉が出てくるが、この物語では感傷的な思い込みによって語られている印象が強く、...

30代という妙齢の女性の10年を通して、女性の幸福とは何か?を考えさせられる。 結婚・未婚の区別ではなく、出産・未出産の区別が幸・不幸を分けるとの仮説には共感できなかった。 幾度となく「運命」という言葉が出てくるが、この物語では感傷的な思い込みによって語られている印象が強く、自分の意思によらない一種の割り切りにも見えて、冷めてしまった。

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2023/08/08

読み終わって本を閉じたとき、思わず「読み終わったー」と口に出して言ってしまった。比較的厚い本なのでバッグに入れて持ち歩くのも重かったが、その内容も充分に重かった。 主人公の冬木亜紀の、29歳から40歳までの約10年間を描いた超大作である。 恋愛、仕事、結婚、出産。 いくつになっ...

読み終わって本を閉じたとき、思わず「読み終わったー」と口に出して言ってしまった。比較的厚い本なのでバッグに入れて持ち歩くのも重かったが、その内容も充分に重かった。 主人公の冬木亜紀の、29歳から40歳までの約10年間を描いた超大作である。 恋愛、仕事、結婚、出産。 いくつになっても夢は諦める必要はないと世間は言うけど、でもやっぱり年齢的なものが原因で、手放さざるを得ない願いはある。 あのときああしていれば、もしかしたら。 違う選択をしていたら、今頃は。 そんな気持ちになったことがない人なんて、この世にいるのだろうか。 『運命』という漢字は、ウンメイともサダメとも読める。 サダメと読むと『定める』と似ているので、運命というものは、生まれつき決まっていて、どうすることも出来ないものなのだと思っていたが、実はそれは『宿命』というらしい。 運命とは、人の意思によって変えることは出来ないが、巡り合わせによるものなので、日々の行動や考え方などにより、結果として変わっていくもの。 まさしくこの本の内容は、そのタイトルにふさわしい。 登場人物たちのセリフが、わたしの心を傷つけ、考えることを避けてきた事柄を無理矢理目の前に突き付けてきた。そしてあるときはそっと支えてくれたり、やさしく背中を押してくれた。 最後はどうしても涙がでた。 人生にはいろんなことがある。 いくら色々な経験をして強くなったとしても、本当の哀しみにだけは慣れることができないから。

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2023/07/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

確か30代後半に読んだ記憶がある。 主人公と同じ世代だったので、感情移入してしまい、悲しい出来事が起こる度に泣いてしまった。 運命ってなんだろう。どうして幸せはみんな平等じゃないの?悲しいことがあったとき、乗り越えた先に嬉しいことが待っているんだと信じてきたけど、それは死ぬまで繰り返されるのかな。自分で運命を選んで行って、宿命から逃れられるのかな。今までの人生と、これからのことを、色々考えさせられる一冊。 最後のシーンで号泣。 生まれ変わって会いに来てくれたと信じたい。

Posted byブクログ

2023/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冬木亜紀は佐藤康とプロポーズを一度は断ったが、10年後に自分からプロポーズをして康と結婚することになる。 この作品は「運命」がキーワードとなっている。 亜紀と康が一度は離れても再度繋がったみたいに、運命という糸で生まれてきた時点できまっているのでは?と考えさせられました。 運命に抗っても、あらかじめ決まっていることには立ち向かえない。 だから人生って流れに身を任せて生きていくもんだと思いました。 どこで誰といつ繋がるか分からない。 誰も未来は予想できない。 そこに人生の面白さや難しさが集約されていると思います。 大人の恋愛小説の方が淡々と読み進めることができるので、好きだと改めて感じました。

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2023/01/23

1人の女性の20代から40代までのお話。 人は選びとっているようで本当は選んでなくて、そうなるように生かされている。 それでいて受け身ではない生き方。 女性であること。 名言に溢れた一冊でした。

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2022/12/25

読み応えあった。 康の死亡フラグが立ったり消えたり。 まぁ、最後はそうなるよな、と。 面白かったです!

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2022/12/24

全体的な評価としては★★★なんだけど、心に刺さる言葉があったので★★★★に。 私という運命とは、、。運命は受け入れるだけではなく、自らの意思と行動あってこそ。 これからの人生において、心の中にしっかり留めておきたい。

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2022/10/03

泣きました。 解説にもある通り、読み終わった今の心境は 「広大な砂漠の真ん中で、途方に暮れてしまったような気持ち」です。 それは恐らく、29歳から始まり、40歳まで描かれた亜紀の人生・運命がこの先どうなるのかが分からないから。 この小説は自分の人生と同様に、生きていて、どのよ...

泣きました。 解説にもある通り、読み終わった今の心境は 「広大な砂漠の真ん中で、途方に暮れてしまったような気持ち」です。 それは恐らく、29歳から始まり、40歳まで描かれた亜紀の人生・運命がこの先どうなるのかが分からないから。 この小説は自分の人生と同様に、生きていて、どのような結末を迎えるのかまだ分からないから、読み終えても、読み終えた感覚が得られにくいように思います。 物語の大半を占める、30代の亜紀とちょうど同年代の女性である自分には手厳しいというか、目を逸らしている現実も描写されており、時々、自身と重ねては焦燥感に駆られる心境にもなりましたが、とにかく丁寧に描き上げられた作品だという事がひしひしと伝わってきました。 「運命というのは、たとえ瞬時に察知したとしても受け入れるだけでは足りず、めぐり合ったそれを我が手に掴み取り、必死の思いで守り通してこそ初めて自らのものとなる」 という文章が強く印象に残っています。 果たして私は必死で守り通そうとしただろうかと、省みる気持ちになりました。 白石氏の作品を読むのはこれで3作目ですが、勝手ながらこの方の持つ愛情や、死に対する感覚や、出来事への考え方・受け止め方が私の持つそれらと酷似しているように思います。 善し悪しは別として。 私とは20歳以上離れていますが、何だかあと20年後の自分から、言い聞かせられているような感覚で読み進めていった一冊です。

Posted byブクログ