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サスツルギの亡霊 の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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2023/10/27

数年前、南極大陸で亡くなった兄からからカメラマンの弟拓海の元にハガキが届く。 兄の死には謎が多く、越冬隊に参加した拓海の周りでも不自然なこと、殺人が次々起こり、それに振り回されながらも真相に近づいていく話。 ミステリーの内容は、それぞれの動機にあまり共感出来なかったが、南極ま...

数年前、南極大陸で亡くなった兄からからカメラマンの弟拓海の元にハガキが届く。 兄の死には謎が多く、越冬隊に参加した拓海の周りでも不自然なこと、殺人が次々起こり、それに振り回されながらも真相に近づいていく話。 ミステリーの内容は、それぞれの動機にあまり共感出来なかったが、南極までの航海の荒れ具合や南極に着いたあとの運営や居住事情など知ることができて興味深かった。

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2023/10/10

南極の昭和基地が舞台の、クローズド・サークル・ミステリー。 まず最初に、知人に何人か南極観測隊員として南極に行っていた人がいるので、人も資源も予備はあっても余剰のない南極で、これほど人が死んで物が破壊されるのはないなーと思いました。 欲に駆られようが証拠隠ぺいを図ろうが、自分の...

南極の昭和基地が舞台の、クローズド・サークル・ミステリー。 まず最初に、知人に何人か南極観測隊員として南極に行っていた人がいるので、人も資源も予備はあっても余剰のない南極で、これほど人が死んで物が破壊されるのはないなーと思いました。 欲に駆られようが証拠隠ぺいを図ろうが、自分の命を喪う可能性を自ら高めていく行為は、普通あり得ないよなー。 でも、それを別として見ると、面白かったです。 限られた人間関係の中で、誰が敵で誰が味方なのかわからない。 というか、主人公自身が、自分の立ち位置をわかっていない。 何があっても怪しいし、なにを言われても怪しい。 動けば動くほど何者かにからめとられていくような閉塞感が心地よい。 そして文章が読みやすいので、ぐいぐい読み進められる。 結末は、誰も幸せにならないような気がするのだけど、どうなんだろう。

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2023/09/19

一般人では一生涯足を踏み入れる経験がない極寒の地。 そんな特上の閉鎖空間、特殊な舞台背景を丁寧に扱っているのは良かった。 しかしその特殊環境の設定だけが売りの気がしてならない。 それ以外の人物達の動かし方も動機もトリックも何もかもに特筆性がなく、 ありきたりな殺人、過去の確執...

一般人では一生涯足を踏み入れる経験がない極寒の地。 そんな特上の閉鎖空間、特殊な舞台背景を丁寧に扱っているのは良かった。 しかしその特殊環境の設定だけが売りの気がしてならない。 それ以外の人物達の動かし方も動機もトリックも何もかもに特筆性がなく、 ありきたりな殺人、過去の確執と恨みの怨嗟のあれやこれやを極寒の地でやりました。 というだけで、この作者さん自体が舞台装置だけで食っているような作家さんにしか感じられなかった。残念。

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2023/07/02

冒険小説のようだった。 最初はゆっくりと話が進み、途中から一気に展開が変わる。 最後は驚きました。まさか、あの人が関係していたなんて。 内容 2年前に死んだはずの兄から届いた手紙。事件の真相は、史上最大の密室・南極大陸に。他殺か事故か。死者からの手紙が、凍てつく大地を呼び覚ま...

冒険小説のようだった。 最初はゆっくりと話が進み、途中から一気に展開が変わる。 最後は驚きました。まさか、あの人が関係していたなんて。 内容 2年前に死んだはずの兄から届いた手紙。事件の真相は、史上最大の密室・南極大陸に。他殺か事故か。死者からの手紙が、凍てつく大地を呼び覚ますーーカメラマンの矢島拓海のもとに届いた、一葉の絵はがき。差出人は、2年前に南極で死んだはずの兄だった。時を同じくして拓海に、越冬隊への密着撮影の仕事が舞い込んでくる。「死の真相を知りたければ南極に行くといい」。これは偶然なのか、それともあいつが……。冷たく広大な「密室」で、過去の事件が甦る。19年本屋大賞・超発掘本!

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2023/05/31

初神山。本大の発掘本。南極描写がとても良い。ここまで臨場感を出せるなんて、どれだけ資料を読み込んだんだ!!推薦者も言っているが、真夏に読むと涼むのではなかろうか。こうなると、デビュー作『カタコンベ』も気になりますね(^^) 星三つ半。

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2022/03/02

内容(「BOOK」データベースより) カメラマンの矢島拓海のもとに届いた一葉の絵はがき。差出人は二年前に南極で死んだはずの兄だった。時を同じくして、拓海に越冬隊への密着撮影の仕事が舞い込んでくる。「死の真相を知りたければ南極に行くといい」。これは偶然なのか、それともあいつが―。冷...

内容(「BOOK」データベースより) カメラマンの矢島拓海のもとに届いた一葉の絵はがき。差出人は二年前に南極で死んだはずの兄だった。時を同じくして、拓海に越冬隊への密着撮影の仕事が舞い込んでくる。「死の真相を知りたければ南極に行くといい」。これは偶然なのか、それともあいつが―。冷たく広大な“密室”で、過去の事件が甦る。

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2021/01/14

南極の描写がリアルでとても興味深い。基本富士山より高い標高というからそれだけで如何に厳しい世界か窺われる。 南極は隕石が豊富という話も面白い。 状況描写が上手いと思う一方、深掘りが足りないのか登場人物の区別があまりつかない。名前を聞いてもピンとこず、犯人が明かされても誰だっけ?...

南極の描写がリアルでとても興味深い。基本富士山より高い標高というからそれだけで如何に厳しい世界か窺われる。 南極は隕石が豊富という話も面白い。 状況描写が上手いと思う一方、深掘りが足りないのか登場人物の区別があまりつかない。名前を聞いてもピンとこず、犯人が明かされても誰だっけ?状態… 兄弟の確執や越冬隊という限らた世界の狭い人間関係をテーマにした話だけに、人物描写の弱さに残念さを感じたかな。

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2020/04/24

南極での活動、描写はすごく引き込まれた。 でも所々、登場人物たちの言動にどこか不一致性が見えて、それが解消されないまま、結局自分勝手な人たちが自己満足的な手段に出ただけの物語だったのね…という残念感。 拓海の兄の嫁に関しては不快感だけしかない。

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2020/04/19

 「マチネの終わりに」をメルカリで探していたら、この本とまとめ売りになった出品を発見。聞いたことのない作家さん。でも2019年の本屋大賞選出作ということで興味を持ち、一緒に購入してみた。  カメラマンの矢島拓海のもとに届いた一通の手紙。差出人は2年前、南極大陸を探検中に死んだはず...

 「マチネの終わりに」をメルカリで探していたら、この本とまとめ売りになった出品を発見。聞いたことのない作家さん。でも2019年の本屋大賞選出作ということで興味を持ち、一緒に購入してみた。  カメラマンの矢島拓海のもとに届いた一通の手紙。差出人は2年前、南極大陸を探検中に死んだはずの兄だった。しかし、筆跡鑑定で送り主が兄本人ではないことが判明する。誰がなんのためにこの手紙を書いたのか。真相を究明するため、拓海は自ら南極大陸に向かう。  この作家さんは地学とか地質学とかが好きなのかな。南極大陸の調査についての専門的な用語が多かった。私は個人的にそういう科目がひっじょーに苦手なまま大人になってしまったので、そういう用語の多い部分を割と容赦なく読み飛ばしてしまって、物語に入り込めなかった。途中で頓挫しそうになりつつ、虫の息で読了。ふぅ。

Posted byブクログ

2020/04/12

南極越冬隊に参加し不審な死を遂げた血のつながらない兄。3年後の越冬隊に参加要請が来たカメラマンの弟。そして参加した越冬隊では不審火が発生し、不穏な空気が流れる続ける・・・。兄の死は事故ではなかったのか・・・。 とても刺激的な展開の本で、兄弟の確執と情、越冬隊内部の歪んだ人間関係...

南極越冬隊に参加し不審な死を遂げた血のつながらない兄。3年後の越冬隊に参加要請が来たカメラマンの弟。そして参加した越冬隊では不審火が発生し、不穏な空気が流れる続ける・・・。兄の死は事故ではなかったのか・・・。 とても刺激的な展開の本で、兄弟の確執と情、越冬隊内部の歪んだ人間関係でどこから悪意の矢が飛んでくるか分からない展開が秀逸です。 誰が犯人か分からないという疑心暗鬼の中、南極という開けたクローズドサークルで追い詰められていく越冬隊員たち。読んでいる方も隊員皆が怪しく見えてきて、非常に面白いです。 人間ドラマを充実させようとして、わざとらしさが出てしまっている部分が感じられますが、それ以外は概ね好意的に読めました。

Posted byブクログ