その日のまえに の商品レビュー
読んでいて胸が苦しくなる場面がいくつもあったけれど、必ず訪れる死と当たり前の日常を過ごせる幸せについて考えるきっかけになった。
Posted by
あらゆる形で『その日』と向き合った人達のお話。人が人を想う気持ちが美しくて、とても切なくて何度も泣かされました。読後も清々しい気持ちになれる素敵な作品なんですが…、やっぱり「自分だったらどうするだろう?」を考えてしまうわけで…。世界で1番大切な人がもし…なんて、ちょっと想像しただ...
あらゆる形で『その日』と向き合った人達のお話。人が人を想う気持ちが美しくて、とても切なくて何度も泣かされました。読後も清々しい気持ちになれる素敵な作品なんですが…、やっぱり「自分だったらどうするだろう?」を考えてしまうわけで…。世界で1番大切な人がもし…なんて、ちょっと想像しただけでも気が変になりそうで、ひどく悲しい気持ちになりました。それでも『その日のあと』を生きて行かなければならない事、思い知らされました。
Posted by
私は基本的に短編集を好んで読まない。 世界観に没頭する前に話が終わってしまうのが、どうしても歯切れ悪さを感じて…。しかし本作『その日のまえに』は重松清さんの一貫した想いが伝わってくる短編集でした。 簡単な概要を綴ると、「その日」を告げられた人や周りの人々が「あの日」を振り返り...
私は基本的に短編集を好んで読まない。 世界観に没頭する前に話が終わってしまうのが、どうしても歯切れ悪さを感じて…。しかし本作『その日のまえに』は重松清さんの一貫した想いが伝わってくる短編集でした。 簡単な概要を綴ると、「その日」を告げられた人や周りの人々が「あの日」を振り返りながら生と死を考える短編集になりますが、そのような言葉で纏めるのが申し訳ないほどに読後感を表現し難い作品でした。 重松清さんは初読みで名作の『きみの友だち』に惚れ込んだこともあり、本作『その日のまえに』は前半の数編でしんどさを感じていましたが、表題作『その日のまえに』に辿り着いてから作品全体の構成と意味にようやく気づけました。これからお読みになられる方は、一つ一つの編を大事に味わって頂けたらなと思います。
Posted by
本作のテーマは、自分自身や自分の愛する人の生きてきた意味と死んでいく意味を考えること。 「その日」を迎えることは寂しくて、重くて、考えたくないことだけど、「その日」に向き合うことは、きっとこれから自分自身や、他者に対して、優しく接するきっかけを与えると思いました。 本作は短編...
本作のテーマは、自分自身や自分の愛する人の生きてきた意味と死んでいく意味を考えること。 「その日」を迎えることは寂しくて、重くて、考えたくないことだけど、「その日」に向き合うことは、きっとこれから自分自身や、他者に対して、優しく接するきっかけを与えると思いました。 本作は短編集ですが、後半の「その日の前に」、「その日」、「その日のあとで」は、小説や映画で滅多に泣かない私も、涙しました。 以下、散文的ですが、感想です。 ■その日 その日に近づいていく和美さんの、言動が泣ける。 残された子供たちが成長していくことを想ってホームヘルパーさんには、子供たちの苦手なものや和美さんが作らなかったものを作れる人を雇ったり…自分が亡くなった時に着る喪服に、旦那さんを茶化すメモを入れたり…自分の歯ブラシは捨てておいて、自分がいなくなった日常を、家族が受け入れやすくなるようにしたり… 和美さんが、自分がいなくなった世界での、自分の大切な人たちのその後を考えての、言動が泣ける。 ■その日のあとで 「その日」を見つめて最後の日々を過ごす人は実は幸せなのかもしれない、って。 自分の生きてきた意味や、死んでいく意味についてちゃんと考えられるから。 後に残される人にとっても。 そして、それは答えが出なくてもいいのだと思う。 そのことに向き合って、考えることが答え。 死んでいく人にとっても、後に残される人にとっても。 死んでいった人のことは忘れていく。 けれど、かならず、いつだって思い出す。 残された人が、死んでいった人のことを思い出した時、「おかえり」って温かく迎えてあげたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大切な存在が亡くなる経験がある私でも、それらはおばあちゃんだったりおじいちゃんだったり、天寿を全うしただけのことだった。もう現実社会で会えなくなるのは悲しいけれど。生物である以上、自然なことである。 しかし、この小説は「どうしてあなたが?」と思わざるを得ない年齢での「死」の宣告。そこから周囲がどのように生きていくのかを描いた短編小説。 今まで、子を亡くした親が1番悲しい存在だと思っていた。甘かった。幼い年齢で親と生き別れた子供たちこそが、究極に悲しいのだと確信した一冊だった。 物語の終盤までは、読まなければよかったと思うほど悲しすぎ、恐怖すら感じた。最終章でやっと冷静に読了できた。
Posted by
2023.12.10 内容を全然知らずに偶然手に取った一冊。 個人的な大失敗と重ねあわせ、そしておとつい急逝された妻の叔父の苦しまずに亡くなったこと、この本で述べられる生と死を見つめるまなざし。 いろいろと考えさせられるタイミングでこの一冊をあっというまに読んでしまい、生きること...
2023.12.10 内容を全然知らずに偶然手に取った一冊。 個人的な大失敗と重ねあわせ、そしておとつい急逝された妻の叔父の苦しまずに亡くなったこと、この本で述べられる生と死を見つめるまなざし。 いろいろと考えさせられるタイミングでこの一冊をあっというまに読んでしまい、生きること、死ぬこと、家族、いろんなことを考えさせられた。 まだ間に合うならこの本を人生を変えた一冊として心に刻んで生き直したい。まだ間に合うだろうか。人は死んで評価が定まるという。その死を見つめないで、あるいは目を背けて生きるほうが簡単だけどそれで良いのか?と自省している。
Posted by
思っていた内容とは違っていたけど後半は涙腺崩壊するところだった。短編が最後には繋がっていき読後はスッキリする。『死』を直面したらどうなるのか想像できない。『その日のまえに』以降は和美さんになったつもりだったけれど、残された家族のことを思うとまた泣けてしまった。
Posted by
人の死 死の世界を感じて日々を生きる 生死に思いをはせる その日までどう過ごしたいか、すぎていった日々の大切さ
Posted by
今は読書をする時間がとれなくなって、やっと読めた作品でしたが、こんなにボロボロ泣いた本は久しぶりでした。これは切ないストーリーで、時間がゆっくりとれた時にはじっくり読み返したいです。
Posted by
タイトルの通りいつか訪れる「その日」に向けてみんな生きていく 残された私たちは時々思い出しながら、センチになったり微笑んだりしながら、生きていく 各物語の登場人物が最終話にそれぞれの人生を背負いながら登場する 死に代わりはないけど、でも事故などの突然死よりはやっぱりいいのかな...
タイトルの通りいつか訪れる「その日」に向けてみんな生きていく 残された私たちは時々思い出しながら、センチになったり微笑んだりしながら、生きていく 各物語の登場人物が最終話にそれぞれの人生を背負いながら登場する 死に代わりはないけど、でも事故などの突然死よりはやっぱりいいのかな それでも後悔は残るんですけどね そういえばカオルさんはどうなったんだろな
Posted by