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チャイルド44(上) の商品レビュー

3.8

209件のお客様レビュー

  1. 5つ

    38

  2. 4つ

    88

  3. 3つ

    51

  4. 2つ

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2016/05/14

事件の謎解きの前に主人公の処遇と閉塞感漂うソ連について語るので上巻は終わっちゃった。続きへGo 2016.5.14

Posted byブクログ

2016/04/03

ソビエト連邦の空気感がめちゃくちゃリアルに伝わる。 共産圏における、不条理な世界で嘘と本当の紙一重に翻弄され、真実を見つける話。

Posted byブクログ

2016/03/25

スターリン体制下のソビエトの話ということで、物語全体を陰鬱な空気が覆っているという感じ。 国民が満たされている共産主義社会では犯罪は起こらないという建前のもと、主人公レオが軋轢や妨害と戦いながら殺人事件の捜査に当たるということが、この作品の見どころなのかな? それとも、殺人事件の...

スターリン体制下のソビエトの話ということで、物語全体を陰鬱な空気が覆っているという感じ。 国民が満たされている共産主義社会では犯罪は起こらないという建前のもと、主人公レオが軋轢や妨害と戦いながら殺人事件の捜査に当たるということが、この作品の見どころなのかな? それとも、殺人事件の犯人は、冒頭の飢餓の村の話と結びつきそうな感じだけど、何かどんでん返しがあるのか、楽しみにしつつ下巻に突入。

Posted byブクログ

2016/02/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭のプロローグ?から不吉で、読むのどうしようか迷った。その後一気に20年後に飛んで、序盤は誰が重要人物で何の繋がりなのか分からない断片が続くのと、ロシアンなカタカナがいっぱい出て分かりにくい。中盤の誤認逮捕からは段々スピーディーになってきて、続きが気になる発見!で上巻が終わるのだけど。 読んでて連続殺人そのものより、ソ連というか、閉鎖社会というか、貧困というか、何ていうか舞台全部が怖い。しかも全然ファンタジーな怖さじゃなく、過去に同じ感じの時代があって、これから先もこんな感じにならないと限らないというかそっち方向に向かいつつある気もしなくもない現在の日本だから暗い過去のような未来のような印象で余計怖い。 あと夫の側から見てた結婚と、妻の側から見てたそれとが全然違った事実も痛い。江戸時代の身売り婚みたいな、専業主婦からの熟年離婚宣言みたいな、庇護と恭順、善意と鈍感。夫婦が平しく記号や拘束力を持たない「平等」の上に、個人として内面を吐き出しあい信頼を築いていけるのか、夫の方が焼け跡の中から若芽を掘り出すことができるのか、それとも凍てつく孤独と断絶が描き出されておしまいなのか、そこの所は下巻読まないと分からないので結構気になる。 連続殺人については、獲物を見かけたから食べた、という感じ。ディーヴァーみたいな犯人捕捉は楽しめるのかな。楽しむっていうのは本当は不謹慎だけど、でもこれ娯楽小説だし。プロローグとレビューで何か異常者で頭の良さはいまいち感じられないから、切れるトリックとかじゃなく「犯罪は西側のモノ」っていう欺瞞をはがしてレオの出世の材料になるんだろうか。 あー最期まで読めるかどうか自信がなくて上巻だけにしたけど、やっぱ上下巻で揃えて読めばよかったかな。不愉快で怖くて汚いんだけど、転落した主人公に何かを期待してしまう、迫力があって不思議な小説。

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2016/01/15

何かあらすじ読んだらアメリカによくありがちなジェフリーディーバー系のしょうもないサイコサスペンスに思えたけど、読んでみると、ソ連統治下のロシアとそこに暮らす人々の悲哀というか、変にアメリカみたいに自由とかどうとか取りあえず体制に反発する的なあれではない人びとの暮らしが何ともよく描...

何かあらすじ読んだらアメリカによくありがちなジェフリーディーバー系のしょうもないサイコサスペンスに思えたけど、読んでみると、ソ連統治下のロシアとそこに暮らす人々の悲哀というか、変にアメリカみたいに自由とかどうとか取りあえず体制に反発する的なあれではない人びとの暮らしが何ともよく描けている。

Posted byブクログ

2016/01/12

とても面白かった。 とてもひきこまれ、一気に読み終わりました。 ただ、少し読んでいて辛いところが。 内容的な辛さもありますが、 あまりに読みすすめたくなる力が強すぎて 途中でやめられないところがありました。 ほんと、好み的なもので☆4で。

Posted byブクログ

2016/01/08

昨年映画を観て、実在の事件を描いたノンフィクションを挟んでから読み始めたが、スターリン体制下のソ連で統制される人々の厳しさと、その中で起こる、実際には起こらないと断言される殺人事件の恐ろしさは先の本で読んだことからイメージがはっきり浮かび上がり、統制する側からこぼれ落ちてしまった...

昨年映画を観て、実在の事件を描いたノンフィクションを挟んでから読み始めたが、スターリン体制下のソ連で統制される人々の厳しさと、その中で起こる、実際には起こらないと断言される殺人事件の恐ろしさは先の本で読んだことからイメージがはっきり浮かび上がり、統制する側からこぼれ落ちてしまった主人公レオと妻ライーサの運命は映画よりも過酷に描かれていた。結末は知っているけど、下巻ではこれがどう展開するのか。

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2015/11/03

トム・ロブ・スミスのデビュー作。 こちらが読みたかったがなかなか本屋さんで発見出来ず、ようやく見つけて読んだ。 「偽りの楽園」の作者と同じとは思えないテンポ良い作品だった。 これがデビュー作なら文句なしだと思う。 1933年、貧しくろくに食べ物もないために、ようやく見つけた猫を...

トム・ロブ・スミスのデビュー作。 こちらが読みたかったがなかなか本屋さんで発見出来ず、ようやく見つけて読んだ。 「偽りの楽園」の作者と同じとは思えないテンポ良い作品だった。 これがデビュー作なら文句なしだと思う。 1933年、貧しくろくに食べ物もないために、ようやく見つけた猫を食べるために殺した兄弟。その喜びも束の間に、兄が消えてしまう。 20年後に時は移り、雪遊びをしている兄弟の弟が行方不明になる。 このように始まる物語。 幼い少年少女が次々に殺されていくのだが、題材は連続殺人鬼アンドレイ・チカチーロ。 そのため俄然興味が募る。 テンポ良く物語が展開されるため大変読みやすい。 ただ、ロシアの名前が長いややこしい。 ミハイル・スヴァトストラヴィッチ・ジノヴィエフとか、一体何なの。舌噛みそう。 そんなややこしい名前にも次第に慣れ、どんどん読み進められる。 ロシア(ソビエト)を舞台にした作品が余りないため、ロシアの社会を窺うことが出来るところも本作の魅力だと思う。 革命を成し遂げたソビエトは、理想の国家であるという建前のもとに、自由のない束縛と監視に満ちた息苦しそうな社会。 何もしていなくても国家保安省によって捕らえられ、拷問にかけられたり、強制労働につかされたりと、日本で暮らしていると俄かに信じられないようなことが描かれている。 ひとりの反逆者を逃がすより、10人の民間人を傷つける方が望ましいとか、反逆者は生かして捕まえ拷問にかける、その際捜索隊員の命が失われることよりも反逆者逮捕が優先といった考え方にも衝撃を受ける。 誤認逮捕や罪のないままの処刑などは日常。 こういった考え方なので、犯罪が起きるはずがないということになる。 そういった社会によっていつまでも捕まらなかったのがチカチーロ。 この作品における犯人はどうなるのか。 下巻に突入。

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2015/11/02

冷たい世界だ…人間味のない世界だ。こう言う社会では人間味と言うモノは美徳にはなり得ない。主人公のレオにさえ感情移入しにくかったのだが、子供が惨殺される事件が起こり、彼が何ゆえに厳密には自分の職務として責務を果たさなくてもいい、むしろそうする事で自分の首を絞めかねない方へ向かうのか...

冷たい世界だ…人間味のない世界だ。こう言う社会では人間味と言うモノは美徳にはなり得ない。主人公のレオにさえ感情移入しにくかったのだが、子供が惨殺される事件が起こり、彼が何ゆえに厳密には自分の職務として責務を果たさなくてもいい、むしろそうする事で自分の首を絞めかねない方へ向かうのか、それは彼の中にある人間性が成せる業なのか、そう言う面でも下巻を読むのが楽しみだ。 ロシアの食人鬼・連続殺人犯チカチーロ事件がモチーフになっていると思われる。若い時、自分がストーカー被害に遭う事によって、殺されるかもしれないと恐怖を抱いた時、連続殺人犯のノンフィクションものを読み漁った時があるが、このチカチーロと言う犯人はハンニバル・レクター博士の元ネタになっていると思われる。彼も幼い時に自分の兄が「攫われて食われた」と言う過去がある。とは言え、彼のノンフィクションを読んだ時は心底吐き気を催すほど嫌悪感を抱いた。恐怖に立ち向かうのではなく、彼は兄にされた事を被害者に行っていた。自分の恐怖に屈服したのだ。 この図式は『東京喰種:re』の滝澤の心境にリンクする。恐怖にはそちら側に寄り添って仲間になってしまうしかないのだろうか…

Posted byブクログ

2015/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

獣医アナトリー・ブロツキーをスパイ容疑で拘束するが、狡猾な副官ワシーリー・ニキーチンの計略にはまり、妻ともども片田舎の民警に追放されるまでを描いているが、スターリン政権下の悪化している政情はひしひしと感じる。子どもの惨殺体に絡んだ事件は、未だ入口に足を踏み入れたところである。

Posted byブクログ