チャイルド44(上) の商品レビュー
仕事関係の複数の方から「おもしろいよ!」とおすすめされて読んでいたら、あらら『このミス』の海外部門の1位になってました。よかった♪へそ曲がりの私は1位なんかになってからだと きっと読まない(笑)絶妙のタイミングでした♪上下巻読み終えて おもしろかったです。「時代の流れに翻弄される...
仕事関係の複数の方から「おもしろいよ!」とおすすめされて読んでいたら、あらら『このミス』の海外部門の1位になってました。よかった♪へそ曲がりの私は1位なんかになってからだと きっと読まない(笑)絶妙のタイミングでした♪上下巻読み終えて おもしろかったです。「時代の流れに翻弄される」←これ系のお話が好きな人には(私です)おすすめです。上巻のピリピリとした緊張のストーリーから下巻になるといきなりスパイ大作戦みたくなるのがちょっとビックリしますが(笑)全体を通してグイグイと読み進めることができました。
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初読みの作家さんです。 今年(2008)の海外ミステリ部門では超話題となった一冊です。おおむね絶賛、大好評のようで、遅ればせながらと手にとってみました。引っ越しのドタバタで途中行方不明になっていましたが、続きを読み始めると手がとまらずどんどんと読み進めてしまいました。 まず...
初読みの作家さんです。 今年(2008)の海外ミステリ部門では超話題となった一冊です。おおむね絶賛、大好評のようで、遅ればせながらと手にとってみました。引っ越しのドタバタで途中行方不明になっていましたが、続きを読み始めると手がとまらずどんどんと読み進めてしまいました。 まず、設定が独創的だし面白い(実話をもとに着想だそうですが、目のつけどころがグッドです)。 スターリン政権下での連続殺人のミステリというのですから、他になかなか例を思いつけません。今までミステリの歴史においては、中世の修道院が舞台だとか、古代ローマが舞台だとか、ドイツ軍と吸血鬼が占拠しているイギリスが舞台だとか、はたまたドイツ占領下のパリでゲシュタポとコンビを組む推理ものとかいろいろ特殊な舞台設定がありましたが、これもけっこう独創的。なにせ、この時代のソビエトでは、犯罪はあってはならないもの、減っていくもの、連続殺人犯なんて存在してはならないものとして、捜査すら許されていないからです。恵まれた社会主義国家で、思想的にも社会的にもそんなものはいる筈がない、だから連続殺人なんてない、という論法です。 そんな特殊な状況下で、本来は刑事事件などとは縁遠かった国家保安省(いわゆるKGBの前身のようなもの)の若きエリート捜査官のレオが、めぐりめぐって連続殺人犯を追う事になるというのがこの小説の大きな本筋なんですが、本来起こらないことが起こることが自然であるために、この主人公のレオはひたすら苦難の道を進むことになります。いまだかつて、人を国家のために捉え裁くことに疑問を覚えず、悪くいえばそんなことは意識的にシャットアウトして、自分の正義を貫いてきた彼の人生の歯車が徐々に狂っていく様や、それでもその中でまだ自分の信念や意志にしがみついて動く彼の姿はひさびさに骨太なミステリを読んだなと満足させられます。 とはいえ、前半のまでの彼の正義はある意味ひとりよがりなもので、それが徹底的に否定されるところも並のうすっぺらい小説とは大きく異なり、ただ単にミステリを読むというよりはもっと強い「人間そのもの」を描いた小説ともいえます。まだ下巻に入って半ばくらいなので最後にオオハズレになる可能性もないではないですが、話が進むにつれて面白くなっていく様子からはかなり傑作の予感がします。 「ブレードランナー」「エイリアン」のリドリー・スコット監督で本作は映画化されるそうです。リドリー・スコット監督って、ラッセルクロウとロビンフッドを撮るとか、ゲームの「モノポリー」を映画化するとか、、、なかなかに精力的な人ですね。ジャンルも無茶苦茶広いし。
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偉大な革命を成し遂げた理想の国家ソ連。「この社会に、犯罪は存在しない」。 この社会は、犯罪者の存在を認めない―知的障害者、窃盗犯、レイプ犯、国家から不要と断じられるもの以外は。 ソ連に興味を抱くきっかけになりました。 共産主義が政治的な観点から批判されることは多いけど、 実際...
偉大な革命を成し遂げた理想の国家ソ連。「この社会に、犯罪は存在しない」。 この社会は、犯罪者の存在を認めない―知的障害者、窃盗犯、レイプ犯、国家から不要と断じられるもの以外は。 ソ連に興味を抱くきっかけになりました。 共産主義が政治的な観点から批判されることは多いけど、 実際の人々の生活の視点から、その実情を知ろうとは、今まで思わなかった。 用心と警戒なしには夜も日も明けない、閉塞した社会。そこで確かに生きた人たちがいる、このなんともいえない事実。 スターリンの恐怖政治下のソ連。実在した大量殺人事件がベースになってます。 52人もの少年少女を殺害しながら、12年も逃げとおすことができた、その理不尽さと歯がゆさは、読みながらふくらみにふくらみます。国家の威信って何なのか、組織の規律って何なのか。個人の尊厳とは。 背筋が寒くなるサスペンスであると同時に、ソ連の当時を知る手がかりにもなる。 お勧めの一冊。上下巻。
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テレビで絶賛されてたので、のってしまった。 犯罪を取り扱ってるんだけど、犯罪よりも怖いソ連の「体制」。 ほんとはそっちを描きたかったんじゃないかと思うくらい。ソ連で発禁になった本て本当ですか?
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スターリン体制下、社会主義の理想の国ソ連で発生する子供ばかりを狙った、猟奇的な連続殺人事件を追う捜査官を描く。 この物語は、実在の連続殺人鬼アンドレイ・チカチーロ事件をモデルにしている。本書は、タイトルにあるように44人の子供たちが犠牲になるが、実際の事件はわかっているだけで52...
スターリン体制下、社会主義の理想の国ソ連で発生する子供ばかりを狙った、猟奇的な連続殺人事件を追う捜査官を描く。 この物語は、実在の連続殺人鬼アンドレイ・チカチーロ事件をモデルにしている。本書は、タイトルにあるように44人の子供たちが犠牲になるが、実際の事件はわかっているだけで52人が犠牲になっている。当時のソ連では「資本主義の弊害による連続殺人は、人類理想の国でこの種の犯罪は発生しない」ということになっていたため、組織的な捜査が行われなかった。その矛盾に満ちた体制下では捜査することすら許されない。主人公の捜査官は、家族を危機に曝しながら殺人鬼を追う。
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ロシア…ああ、なかなか読み進まなかった…。そして断念…最近多いな、断念作品。。。08.11下巻の途中で断念。
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思想的に連続殺人犯がいないとされている国(ロシア)で起こる連続殺人の真犯人を捕まえようと、主人公が孤立無援の中奮闘する話。 うお! 面白いんじゃないですか? これ。はやく下巻を読まなきゃ!!
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読み始めたばかりですが、導入部分から引き込まれる“何か”が感じられます。映画化されるのが決定しているようですが、先ずは映像の前に想像を働かしてこの世界を構築してみます。
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79年生まれとずいぶん若い作家のデビュー作。チカチーロの事件を下敷きにしたらしい連続殺人事件ものだが、ミステリーとしての謎解きよりも、スターリン時代ソヴィエトを舞台とした密告、裏切り、教条主義の陰鬱とした風景がよい。(あらすじなど)KGBの高級捜査官レオは、部下の策略にはまり地方...
79年生まれとずいぶん若い作家のデビュー作。チカチーロの事件を下敷きにしたらしい連続殺人事件ものだが、ミステリーとしての謎解きよりも、スターリン時代ソヴィエトを舞台とした密告、裏切り、教条主義の陰鬱とした風景がよい。(あらすじなど)KGBの高級捜査官レオは、部下の策略にはまり地方の閑職に追いやられる。そこで発見された殺人事件の死体は、彼がかつて事故として処理した事件の被害者の様子と酷似していた。連続殺人事件を思わせるが、当時のソヴィエトでは殺人は資本主義の持つ病いとされており、今回の事件も近所に住む知的障害者による事件として処理されつつあった。中央の判断に逆らうと、死刑や強制労働となる危険を感じつつ、レオは一人で事件の捜査を始める。■今のあなたのように無力になってしまうことの問題点は、人々が急にその人に真実を語りだすことね
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