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チャイルド44(上) の商品レビュー

3.8

209件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  3. 3つ

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2015/05/16

スターリン時代のソビエト、その本の中で、「子供たちはみな学校で、殺人も窃盗もレイプもすべて資本主義社会の病気だと教えられている。」と記載している。ただひとたび国家保安省に国家への忠節心に嫌疑を持たれたらそれはもう死を意味することでしかない。上巻はその国家保安省の捜査官のレオのこと...

スターリン時代のソビエト、その本の中で、「子供たちはみな学校で、殺人も窃盗もレイプもすべて資本主義社会の病気だと教えられている。」と記載している。ただひとたび国家保安省に国家への忠節心に嫌疑を持たれたらそれはもう死を意味することでしかない。上巻はその国家保安省の捜査官のレオのことが書かれており、大量殺人は下巻へと引き継がれていく

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2015/02/07

ライーサのレオに対する態度はちょっとひどいんじゃないか。でもそれだけ自由や言論が制限されていたということなんだろう。連続殺人事件の真相だけでなく、この夫婦の行く末も気になる。

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2014/12/31

疑惑という名の幻が、嘘の罪を具現化する。 (以下抜粋) ○ワシーリーは無分別に残虐で、  おれのほうが観念的に残虐だっただけのことだ。(P.334)

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2014/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

旧ソ連時代の恐怖政治の恐ろしさ。 冒頭からぶっちぎりで恐ろしい。極寒。飢え。貧困。これが「ありふれた悲劇」だなんて。 食料として捕らえられた兄と、その兄に見捨てられたと考えた愚図な弟。 兄弟は別々の人生を歩み、心に深い傷をおった弟は子どもを殺し続ける。 兄宛ての秘めたメッセージとして。 ストーリーは兄がメイン。 弟の人生ももうちょっと掘り下げてほしかった。 この本は二十数カ国で翻訳されているのに、ロシアでは発禁書になっているらしい。 旧ソ連の話なのに未だなおスターリンの影が見えるのかと思うとそれも恐ろしいと思う。

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2014/07/20

何で手に取っちゃったのか…、あまりの絶望感、救いのない展開に読みながら後悔し続け、早く終わらせたくて、やはりそれでも面白くて、一気に読了。何が怖いってスターリン時代のソ連の暗黒社会。これが本当にあったことだとしたら、今の北朝鮮や中国でも同じ事が起きているのかもしれないと暗澹たる気...

何で手に取っちゃったのか…、あまりの絶望感、救いのない展開に読みながら後悔し続け、早く終わらせたくて、やはりそれでも面白くて、一気に読了。何が怖いってスターリン時代のソ連の暗黒社会。これが本当にあったことだとしたら、今の北朝鮮や中国でも同じ事が起きているのかもしれないと暗澹たる気持ちになった。読んで良かったのか悪かったのか…。

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2014/07/18

暗く重苦しい内容だが、冒頭からどんどん引き込まれていく。生まれた時代や場所で人の一生はこんなに違うものなのか、傍観者として安全である所にいる自分の頭のなかでいろんな想いがぐるぐる回っている。馴染みのない名前や地名をものともしない(訳もすごく読みやすい)内容で加速をつけながら下巻へ...

暗く重苦しい内容だが、冒頭からどんどん引き込まれていく。生まれた時代や場所で人の一生はこんなに違うものなのか、傍観者として安全である所にいる自分の頭のなかでいろんな想いがぐるぐる回っている。馴染みのない名前や地名をものともしない(訳もすごく読みやすい)内容で加速をつけながら下巻へ。

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2014/07/09

トムハーディ主演で映画製作ということで、原作読んでみた。いかにも映画になりそうだけれど、上巻は話がなかなかすすまない。

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2013/10/05

このミステリーがすごい!で海外部門1位に輝いた本書。 その肩書は伊達ではありませんな。 ストーリーテリング、キャラ設定、オチに至るまで 完成されたといってもいいほどの内容だわ。 冒頭、ロシアの飢餓の恐ろしさから物語はスタートします。 私たちにこの苦しみは分からないのかもしれない...

このミステリーがすごい!で海外部門1位に輝いた本書。 その肩書は伊達ではありませんな。 ストーリーテリング、キャラ設定、オチに至るまで 完成されたといってもいいほどの内容だわ。 冒頭、ロシアの飢餓の恐ろしさから物語はスタートします。 私たちにこの苦しみは分からないのかもしれないけど 圧倒的なまでの悲しさ、苦しさ。 それをド頭から見せつけられただけで、物語に引き込まれますね。 しかし、犯罪を認めないだけではなく 怪しい人物がいると 片っ端からつるし上げて 拷問(ここの静かな、しかしウッとくる説明がすごい)の挙句自白させられ、 あっという間に処刑させられてしまう 当時のロシア社会主義は実際にあったわけで そこに生きていなかったことを幸せに思います。 冒頭の飢餓シーンが、後半どういう流れで入ってくるのかと思ったら あーそう来たかと。 壮大なカタルシスとともに、底無しの悲しみに包まれます。 幼い子供の命を救うために両親ができることは何なのか それができなかった時両親ができることは何なのか 真剣に考えざるを得ない重みがのしかかってきます。 もともとはアンドレイ・チカチーロという実在の連続殺人鬼が題材ですが それを真似るわけでもなく、一級のエンターテイメントに仕上げてます。 読むべし、そして考え苦しむことの喜びを知れ。

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2013/09/30

文句無し満点!サスペンスの大傑作である。 単なる猟奇ものではなく、飢餓や圧政に苦しみそしてそれに立ち向かう人々を描き、人間の尊厳を描き出している。 これを読んだ後、海外ミステリーに手をだしたが、これを越えるものにまだ会えていない。

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2013/09/09

古本で購入。上下巻。 スターリン体制下のソヴィエト連邦。 国家保安省の捜査官レオ・デミドフは「国家の未来」を建設する「より大きな善」を信じ、“無実の”スパイを逮捕・尋問し続けていた。 ある日、モスクワの鉄道沿いで、腹を裂かれ口中に泥を詰め込まれた少年の死体が発見される。 しかし...

古本で購入。上下巻。 スターリン体制下のソヴィエト連邦。 国家保安省の捜査官レオ・デミドフは「国家の未来」を建設する「より大きな善」を信じ、“無実の”スパイを逮捕・尋問し続けていた。 ある日、モスクワの鉄道沿いで、腹を裂かれ口中に泥を詰め込まれた少年の死体が発見される。 しかし少年の死は列車による轢断、事故によるものとして処理された。 何故なら理想的な社会主義国家たるソヴィエトに、「犯罪など存在しない」のだから― 80年代のソ連で起きたチカチーロ事件を下敷きにしたミステリー。 「このミステリーがすごい!」2009年版の海外作品1位になった小説だそうな。 スターリン時代の閉塞感や人々の絶望など、作品が纏う重苦しさは尋常じゃない。 理想によって捻じ曲げられた現実と徹底した管理社会がどんな恐ろしい歪みを生みだすか。 だがそれがいい。 主人公レオが決して「ヒーロー」でないところも、またよし。 シリアルキラーを追い詰めるサイコサスペンスではなく、人間を描くことを目的にしているように思う。 訳者はそれを「再生」と書いている。なるほどなぁ。 作者がテレビドラマの脚本を手掛けていたこともあって、プロローグ・挿話の入れ方・アクションなどなど、構成が映像作品的。これがデビュー作だとは、すごい。 なんて思っていたら、リドリー・スコットによる映画化が決定しているらしい。 少し冗長かな、という部分もあるけど、一気読み推奨のオモシロ本。

Posted byブクログ