さむけ の商品レビュー
ロス・マクドナルドの…
ロス・マクドナルドの代表作でかつ、ハードボイルドの傑作。意外なラストは、ハードボイルドが苦手な人でも楽しめるはず。
文庫OFF
アメリカ産ハードボイ…
アメリカ産ハードボイルドの頂点作。この物語はずしりと心に効きます。特に最後の1行にこめられた哀切な響きはしばらくは後遺症となるでしょう。
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ロス・マクドナルドの傑作。内容を忘れた頃に読むやうにしてこれで3度目くらいだが、何度読んでも素晴らしい。過去に起きた事件と現在の事件が二重螺旋を描くように展開して、最後の方になるまで結末が見当もつかない。そしてラスト、犯人の人となりを一言で表現した最後の1行の何とも言えない味わい...
ロス・マクドナルドの傑作。内容を忘れた頃に読むやうにしてこれで3度目くらいだが、何度読んでも素晴らしい。過去に起きた事件と現在の事件が二重螺旋を描くように展開して、最後の方になるまで結末が見当もつかない。そしてラスト、犯人の人となりを一言で表現した最後の1行の何とも言えない味わい深さがこの作品を傑作たらしめている。生意気ながら、よくできていると言わざるを得ない。
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タイトルから本の内容を思い出せるものとそうでないものがあるが、本書は後者だと思う。 名作という評判だが、期待値が高すぎたのかそこまで入り込めなかったが、再読してみたくなる内容だった。
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ロサンゼルスの探偵リュウ・アーチャー。新婚旅行第1日目で妻ドリーが失踪したと新夫キンケイドはアーチャーに捜査を依頼。宿を訪ねた男がいるという聞き込みで、それが実はドリーの父で妻殺しの罪で服役して出所したばかりなのだという。ほどなく妻の居所はつかめたが、妻は大学に入学していてその主任教授ヘレンが殺された。 ある人物を起点に殺人が殺人を、人が人を結び付けていた。それを捜査するアーチャーの地道な捜査ぶり。丁寧すぎる描写かと思う所もあったが、どうつながっているのか?という興味がだんだん増してくる作品だった。最後の終わり方がどうかねー。悪者は捕まったけど、あまりに時間がかかりすぎた。周りにずっと不幸をまき散らしていたさもしい事件。 引用がおもしろかった。 文章のなかに引用があって、( )の中に由来は書いてあるのだが、わかっていれば、おおなるほど、わからなければ初めて知りましたわい、となった。 「誰か探していらっしゃるの?」 「いや待っているだけです。」 「レフティを? それともゴドーを?」・・ゴドーはわかったのでにんまり。レフティはクリフォード・オデンツの「レフティを待ちながら」1935ということです。 また、「サリーの前夫は、ドラキュラとユライア・ヒープ(ディケンズの「デヴィッド・コパフィールド」に出てくる人物)をつきまぜた人物」などと出て来て、おっ、あの70年代のロック・グループ、ユーライア・ヒープ、ってここからきてたのかと、ぽん、と膝をうったのだった。 地道に捜査を続ける探偵アーチャー。事件は20年前の有力者の死、ドリーの母の死、教授ヘレンの死が実はつながっていた。この犯人が最後の最後でアーチャーが謎解きするのだが、最後までわからなかった。おっとそうだったのか。1963年の発表、生活費のための遺産や資産にこだわって、その所有者におもねる生活する人、を登場させている。それに対し、そんなうるさい親の元は出て自力で自由にやったらいいじゃないか、と発言する友人も登場させている。 1963発表 1976.9.30発行 図書館
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ハードボイルド御三家、ロス・マクドナルドの名著。 10年近く前に読んだ本を読み直してみました。 チャンドラーに比べたら、キャラクターの魅力も低く、気の利いた会話もないのですが、不思議と読み進めてしまう。 ジャンル的には、ハードボイルドといった感もなく、どちらかと言えばサスペンス的な味わいがあります。 特にラスト100ページの展開力は圧倒的です。 それにしてもどうして男女の愛はこう人を哀しくさせるのでしょうね。
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短所 海外のミステリー小説にありがちだが、ストーリーが進むごとに活動範囲が広がっていき、登場人物も増える。おまけに偽名(改名)もある。 加えて、過去の事件と現在の事件があるので、相関図を脳内で展開するのがかなり大変。 読み辛いわけではないが、把握し辛い。 長所 リュウのキャラクタがジェントルでカッコいい! 文章がとにかく洒落ていてハードボイルドを味わえる ドリーのような嫌な女にも献身的なアレックスが素敵! 結末はシンプルながら意表を突いた構成で、やはり驚いた。母親だとばかり思っていたけれど奥さんだなんてね。 ラストはブツギレでおわるが、それも洒落ている。
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「わたしのなつかしい一冊」で紹介されていたもの。 紹介者は忘れたけど、後味は悪いけど・・・と書かれていたし、題名もなるほどそうかなぁと思いつつも、少し古典のミステリーが読みたくなった。 結果、正解!読み応え十分。 携帯電話がないだけで、古い時代でも違和感なし。 これを機会に探偵...
「わたしのなつかしい一冊」で紹介されていたもの。 紹介者は忘れたけど、後味は悪いけど・・・と書かれていたし、題名もなるほどそうかなぁと思いつつも、少し古典のミステリーが読みたくなった。 結果、正解!読み応え十分。 携帯電話がないだけで、古い時代でも違和感なし。 これを機会に探偵リュウ・アーチャーのシリーズを紐解いてみたい。
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失踪した新妻探しの依頼を受けただけなのに、こんな複雑な事件に繋がるとは予想外だった。 過去の事件、怪しすぎる登場人物たち、二転三転するストーリー。 見事に振り回された。 そしてラスト5ページの衝撃。 真相に気づいた瞬間、鳥肌が立った。 タイトルがあまりにも的確で思わず身震いした。
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ハードボイルド御三家、私的には残すところ最後の一人となったロスマクの<私立探偵リュウ・アーチャー>シリーズ、その最高傑作として名高いのが今作。奥付によると1976年刊行らしいが、古臭さを殆ど感じさせない翻訳。プロットは錯綜していて、中盤の中弛み感も否めないが、チャンドラーで耐性が...
ハードボイルド御三家、私的には残すところ最後の一人となったロスマクの<私立探偵リュウ・アーチャー>シリーズ、その最高傑作として名高いのが今作。奥付によると1976年刊行らしいが、古臭さを殆ど感じさせない翻訳。プロットは錯綜していて、中盤の中弛み感も否めないが、チャンドラーで耐性がある私は然程気にならず。それよりも物語の発展と帰着、怒涛のラスト五頁までの牽引力に感嘆させられる。スペードやマーロウのような絶対者ではなく、あくまで等身大の探偵として在り続けるアーチャー。最後の呼びかけが闇夜に冷たく木霊する様だ。
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