さむけ の商品レビュー
久しぶりに読んだが60年近くも昔の作品なんだな。 最終10ページになるまで全く予想もつかない展開が続く。こういうクールな主人公は好きだ。チャンドラーやハメットの系統が好きなせいかもしれない。 本作もヴェルレーヌやルクレツィアボルジアがそっと入っていてインテリくささは感じる。マーロ...
久しぶりに読んだが60年近くも昔の作品なんだな。 最終10ページになるまで全く予想もつかない展開が続く。こういうクールな主人公は好きだ。チャンドラーやハメットの系統が好きなせいかもしれない。 本作もヴェルレーヌやルクレツィアボルジアがそっと入っていてインテリくささは感じる。マーロウがエリオットを口ずさむようなものかな。 著者の作品では一番好きだ。
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毎日新聞の「今週の本棚」で津村記久子が取り上げていた(2020年10月17日)のを読んで,全く予備知識なしに買ってみた. 本当に何も知らなかったんだけど,ハードボイルドの古典的名作とされているんですね. 20年の時を隔てて起こる3つの殺人事件を,私立探偵が一つに繋げる.足を使って...
毎日新聞の「今週の本棚」で津村記久子が取り上げていた(2020年10月17日)のを読んで,全く予備知識なしに買ってみた. 本当に何も知らなかったんだけど,ハードボイルドの古典的名作とされているんですね. 20年の時を隔てて起こる3つの殺人事件を,私立探偵が一つに繋げる.足を使って集めた情報のすべてが伏線となって,次々と回収されていくのは気持ちがいいのだが,ちょっとご都合主義過ぎるかも.
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※このレビューにはネタバレを含みます
敬愛するラノベ作家、秋田禎信先生の登場人物の元ネタ、という動機で手に取った。 ラストの一行、「あげるものはもうなんにもないのだよ、○○」に集約する構成のすばらしさ。 主人公が一つのカメラとしてソリッドに機能するために主役にもかかわらず影が薄く、そのせいか劇中の町と同じく靄がかかってなかなか物語に入りにくい。 入り組んだ事件も相まって、読み進めるのにかなり難儀した。 しかしそれを越えてこちらにも町に絡む因縁が明らかになり始めたころには、気づけば夢中になってアーチャーの後を追いかけていた。 結末のある種のあっけなさと、犯人との対面で無駄なく物語を断ち切る探偵の鋭利さに、なんて研ぎ澄まされた小説なのかとため息がでる。 わずかな救いと、もう救われない人々を前に、探偵は全てを明らかにして目撃するだけ。読者の感情移入を阻むからこそ読者の感情に突き刺さる、冷たく、乾いた、肋骨の隙間を潜り心臓に届くラストシーンこそが、経年劣化しない物語の力なのだろうか。
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読んだ本に登録しているのが、ロス・マクでこれだけ。他に読んだ本あるはずなんだけど、Yes!記憶にない。。。
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浅い、と思った。 ブラッドショーの苦悩、トム・マギーの苦渋、ドロシー・マギーの狂気、そのどれもが響かなかった。 最後の4ページで一気呵成に暴かれる真相に唖然とさせられたせいで、まだ頭の中が整理されていないのかもしれない。 だが結末で憶えた戦慄は『象牙色の嘲笑』の方が上。 今回は...
浅い、と思った。 ブラッドショーの苦悩、トム・マギーの苦渋、ドロシー・マギーの狂気、そのどれもが響かなかった。 最後の4ページで一気呵成に暴かれる真相に唖然とさせられたせいで、まだ頭の中が整理されていないのかもしれない。 だが結末で憶えた戦慄は『象牙色の嘲笑』の方が上。 今回はドロシー・マギーの失踪に始まった人物相関が完全に遊離してしまったのが残念。 マクドナルドは、ロイ・ブラッドショーをテリー・レノックスにしたかったのかもしれない。
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ハードボイルド物はチャンドラーに続き2作目。 チャンドラーは、ちょっと何言ってるかわからない、て感じだったが、これはそんなことはなくミステリーとして楽しめた。 事件も時代も場所もどんどん変わり、いろんな人が次々出てくるので、何度も前に戻って確かめた。 人物相関図を書きながら読んだら、もっと推理を楽しめただろう。 それにしても病的な人が多すぎ。
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東西ミステリーベスト15にランクインする本書でしたので、期待していましたが・・ まず、翻訳に一部おかしなところが散見され、退屈なストーリーに加えて興ざめでした。 物語の最初のツカミはよかったのですが、結局はサイコパスの仕業。 肖像画をみてどんでん返し・・別の意味でさむけがし...
東西ミステリーベスト15にランクインする本書でしたので、期待していましたが・・ まず、翻訳に一部おかしなところが散見され、退屈なストーリーに加えて興ざめでした。 物語の最初のツカミはよかったのですが、結局はサイコパスの仕業。 肖像画をみてどんでん返し・・別の意味でさむけがしました。
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さむけ vs ねむけ。たしかに、最後5ページぐらいはちょっとさむけ。それまでは基本的にねむけに軍配。なんとなく『充たされざる者』を思い出した。
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非常に単線的な物語の進み方に少々の古さを感じるのだけど、ハードボイルドと謎解きがいい具合に絡まって、読み進めるのが楽しい。 最後のどんでん返しは「本格」の名作に匹敵する。 ま、ただ謎解き自体に「本格」を期待しているとちょっと期待はずれかも。
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ストーリーは面白かったが、あとはあんまり。読んで気がついたが、俺は別にハードボイルド的文体が好きではなかったのだな、と。血の闇、というか歪んだ家族像というのも、あまりぴんとこなかった。
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