さむけ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文春100にもランクインしていたので、買ってはおいた。 ハードボイルド、という事でなかなか気が進まなかったけれどこの頃の寒さの中新たにほかの本をてにすることもないかなぁと深くも考えずに。 これは最後まで読んでみなければ分からなかった「さむけ」ですね、。まさしく!
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探偵リュウ・アーチャーの元に新たに舞い込んだ依頼は新妻の失踪事件というものだった。ほどなく居所は分かるが、彼女が殺人事件に巻き込まれてしまい… 探偵の失踪人探しという出だしに、事件に対し過剰な感傷を挟まない文章、時々挟まれる小気味いいアーチャーと登場人物たちの会話など、「チ...
探偵リュウ・アーチャーの元に新たに舞い込んだ依頼は新妻の失踪事件というものだった。ほどなく居所は分かるが、彼女が殺人事件に巻き込まれてしまい… 探偵の失踪人探しという出だしに、事件に対し過剰な感傷を挟まない文章、時々挟まれる小気味いいアーチャーと登場人物たちの会話など、「チャンドラーの後を継ぐ」と呼ばれている作家の作品だけあって確かにハードボイルドらしい雰囲気が楽しめる小説だと思います。 過去の事件を追っていくことに話の軸が移っていき、それに伴い証言を集めることが中心になっていくので、少しその過程が退屈だったことや、 行方不明となった新妻の話がちょっと中途半端に感じてしまったのが残念でしたが、 ラストに明らかになるある人物の狂気にはタイトル通り確かに”さむけ”がしました。 最後の最後までなかなか事件の全容が明らかにならず、「もうページ数もないのに決着を着けられるのか」と勝手に心配しながら読んでいたのですが、その不安は杞憂でした(笑) 少ないページ数ながらしっかりと人の狂気とそれを向けられた人物や事件の皮肉さを、最後の数ページでしっかりと書き上げているのが非常に印象的でした。
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「おっさんになるまでハードボイルドなんて読むものか」と思っていたのですが,おっさんになったので最近は少しずつ読むことにしています.読んで驚いたのですが,この本は本格ミステリィです.容疑者は二転三転し,最後にはとても重たい真相が待っています.ぜひとも最後まで読んでほしい作品です.
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ハードボイルド小説として有名なこの本。 人間関係がとても複雑で、登場人物もそれなりに多く読むのに結構時間がかかった。 それでも魅力的な主人公、段々と明かされていく秘密、印象的な最後の一文。 これが、冒険小説を読む醍醐味なんだなと認識。
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4.15読了。複雑なプロットで、最後までカラクリはわからなかった。まあ面白いけど、めくるページが止まらないて感じじゃない。 なぜか読んでると眠くなって、何度も寝てしまった。 自分的にはチャンドラーのクールネスはハメットの豪放な主人公のほうがしっくりくるかな。
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5 終盤のじわじわと真相を明らかにしていく見せ方が、まさかまさかという心理を刺激し続ける。ある種の不気味さと張りつめた気配をまき散らしながら、結末に着地した瞬間。驚きと安堵とカタルシスが渾然一体となった、複雑ながらも心地良い読後感に包まれる。 読了後、本を閉じ、タイトルを見て...
5 終盤のじわじわと真相を明らかにしていく見せ方が、まさかまさかという心理を刺激し続ける。ある種の不気味さと張りつめた気配をまき散らしながら、結末に着地した瞬間。驚きと安堵とカタルシスが渾然一体となった、複雑ながらも心地良い読後感に包まれる。 読了後、本を閉じ、タイトルを見て、ただ頷くのみ。
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エアミス研の某氏より、新品でいただきました。 (とってもうれしかったです。本当にありがとうございました) ■評価 「人物の関係図を書きながら読むとわかりやすいよ」 といわれたのでその通り書きながらやってみました。 確かに、作中でどんどん人物がつながっていく…!!! 本書は、...
エアミス研の某氏より、新品でいただきました。 (とってもうれしかったです。本当にありがとうございました) ■評価 「人物の関係図を書きながら読むとわかりやすいよ」 といわれたのでその通り書きながらやってみました。 確かに、作中でどんどん人物がつながっていく…!!! 本書は、主人公リュウが、最初にあらわれる「ミセス・キンケイド失踪事件」」を追いかけることがメインになっていながら、登場人物たちの過去を掘り起こしていくうちに第二、第三の事件が現れ、それらが絡まり合い、最終的にすべての真相があきらかにされるという構造になっている。 何層にも重なっていながら、混線も取りこぼしもなく、最後の一文に向かって綺麗にまとまりながら収束していくさまは非常にスマートでうつくしい。 京極夏彦の「絡新婦の理」に、構造は多少似ているかもしれない。 音楽でいうと、まるでフーガかソナタのようだ。 お勧めされた際に、「ロスマクのハードボイルド=探偵が調べるうちに、簡単に見えた事件から、一家の奥底に秘められた秘密やどろどろした内情が明らかになっていく」というお話をうかがっていたので、そんな点にも注目しながら読んだ。 まさしくそのような感じ。 どろどろといっても、本書では乱歩のようなどぎついえろはなく、「因果」「忌まわしい過去」とでもいうようなもの。…事件そのもののエグみの薄さは、横溝文学にも似たものがあるように感じた。 事件の渦はあちこちに余波を与え、さまざまな意外な事実が章ごとにどんどん明らかになっていく。あちらにこちらにと振り回される探偵リュウとともに、読者の興味も失速せずに物語をすみずみまで駆けまわされることになる。中だるみさせずに最後まで惹きつけてくれる筋書きはなかなかのもの。 一番の驚きところは、「最後の一文」でしょうか。 これだけ振り回されたあげくにこの結末。 しかもそれを、最後の数行で説明しきってしまう。 まったく見事です。 非常に美しい収束だと思いました。 こういうところも、「絡新婦~」に類似していると感じました。 ■感想 相関図を描いていたはいいものの… 全体的にカタカナの名前が覚えられず、何度も人物紹介を見返してしまいました。(高校生のころは世界史も苦にならなかったのに!) 普段、海外ミステリを読みつけない弊害が出たようです。 また、翻訳ミステリならではの興味点として、 面白い訳がある部分は、「原文ではどうなっているのかな~」と 気になりました。 ラテン語での言い回しも散見されましたね。 付箋をはっておいたので、あとであらためて引いてみようと思います。
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新婚旅行のさなか失踪した花嫁を探すように依頼された探偵――。 と、ハードボイルド小説ならばよくあるような「失踪人捜索」からはじまる物語ですが、あれよあれよといううちに読み進め、そのラストの一ページにはぐうの音も出ませんでした。 ほんとうにタイトル通り「さむけ」を感じずにはいられな...
新婚旅行のさなか失踪した花嫁を探すように依頼された探偵――。 と、ハードボイルド小説ならばよくあるような「失踪人捜索」からはじまる物語ですが、あれよあれよといううちに読み進め、そのラストの一ページにはぐうの音も出ませんでした。 ほんとうにタイトル通り「さむけ」を感じずにはいられない作品です。 この本のおもしろさとネタバレが密接につながっているので、曖昧な表現でしか感想を伝えられないのが歯がゆいです!本当に「読んでください」としか言いようがありません。 レイモンド・チャンドラーのフィリップ・マーロウもいいですけど、私はロス・マクドナルドの描く私立探偵リュウ・アーチャーのほうが好きだったりします。どちらもタフで優しい男ですが、アーチャーの厳しい「真実」を直視して、決して目をそらさないところが最高にいい男だと思います。
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ラストで真相が分かった時、思わず声が出るほどに驚いた。(ホントに出た。)犯人の執着心があまりにもこわい。。 この犯人の病的な考え方が、周りに伝染していたかのようにも思える。そう考えるとまた恐ろしい。 町には常に霧が立ちこめているし、ストーリー自体、ちょっと湿っぽい。なので、ごく稀...
ラストで真相が分かった時、思わず声が出るほどに驚いた。(ホントに出た。)犯人の執着心があまりにもこわい。。 この犯人の病的な考え方が、周りに伝染していたかのようにも思える。そう考えるとまた恐ろしい。 町には常に霧が立ちこめているし、ストーリー自体、ちょっと湿っぽい。なので、ごく稀にアーチャーが友人と交わす冗談にほっとした。
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