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波打ち際の蛍 の商品レビュー

3.6

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    23

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    1

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2013/02/17

くっついたりくっつかなかったり、そこに立ち止まってなかなか踏み出せないこの感じ。 初めて島本理生を読んだ時のナラタージュを思い出した。 この人の感情の機微をひたすら描く内向的な恋愛小説が私は好きだ。 蛍の大人な包容力とさとる君の献身的な支えがあったからこそ、麻由はちゃんと自分の足...

くっついたりくっつかなかったり、そこに立ち止まってなかなか踏み出せないこの感じ。 初めて島本理生を読んだ時のナラタージュを思い出した。 この人の感情の機微をひたすら描く内向的な恋愛小説が私は好きだ。 蛍の大人な包容力とさとる君の献身的な支えがあったからこそ、麻由はちゃんと自分の足で戻ってこれた。 蛍にいつか心から触れ合える時がくるまで、ちゃんと向き合うラストで良かった。 ただあの母親とは分かり合えなさそうだし今度の付き合いがつらそう。

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2012/11/18
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 人は、程度の差こそあれ、傷つきながら  生きていくものなんだよなあ。  そして、時には損なわれている自分に  少し安心していることすらある。  酔っている、の方がしっくりくるかな。  なんでだろうね。悲しみや苦しみは  たとえ解決しなくとも、誰かと共有する  ことで、その重みはずっと減る。  でも、そうしない人はきっとたくさん  いるんだろう。なぜかね。  主人公の場合は、たとえ暴力でも、  「彼から与えられている」というのが  なんというか、しばらくそこに留まって  しまった理由なのかなと思う。  もしかしたら無視されるよりいいのかもしれない。  何かをもらうっていう意味においてなら。  もちろん正しくなんてないけれど。  しかし、その与えられるっていう受け身な  姿勢がアウトー!な気がする。  愛情を求めて待っていたのだろうか。  でも受け身って、対等じゃない気がするの。  与える、与えられるっていう力関係は、  支配と服従を意味する気がする。  相互にならいいのだろうけれど  考えすぎか。  それにしても蛍みたいな人いるかな?!  男の人にしちゃめずらしいタイプだと  思うのだけれど。  静かで淡めで安らげるかもしれないけれど、  いとこの方が好きかも、その強引さに  救われる気がする。  ただ、こういうヒーロータイプは独り占め  できないんだろうなあ…    ああ、妄想が広がってしまった。

Posted byブクログ

2012/11/17

しっとり重かった。 ずっしり、じゃなくて、しっとり。 なんだか曖昧な輪郭の本。 今の私には、少し苦しかった。

Posted byブクログ

2012/08/31
  • ネタバレ

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誰にも知られたくなかったし、相談できなかったのも事実で、 だけど本当はずっと、誰にも理解されない可哀想な自分でいたかったんだと、思う 暴力を受けていた、元恋人に。 けれどそれが悪いことなのか、いいことなのか、わからなくなっていた。 そんな過去を背負いながらの中で、出会った年上の蛍。 蛍の全てがほしくて蛍を受け入れたくて、けれど頭がそう思っても、 よみがえるあの日で、体は言うことを聞いてくれない。 びっくりした、また暴力の話すか\(^O^)/ て。 でも、些細なことを過剰に気にしたり、臆病で弱虫で、しかし前に少しずつでも確実に進もうとするところは まあいいんじゃないかなぁと(何様 私は、変わることができたかな?と自分に問いただすきっかけをもらた)^o^(

Posted byブクログ

2012/07/29

こんな風に甘過ぎる恋愛小説は苦手。 だけどそれは、彼らのように素直に好きを伝えられない自分の、嫉妬心からきているのかもしれない。

Posted byブクログ

2012/07/27

わーい久しぶりの島本理生だ! でも・・ちょっと、最近暗くないですか?病んでるよー そんなわけで主人公にとてもじゃないけど共感できなくて、それこそ蛍のように、壊れ物を扱うかのように、びくびくしながら読み進めてました。 ふたりが初めてきちんと向き合う、本に埋もれた書斎...

わーい久しぶりの島本理生だ! でも・・ちょっと、最近暗くないですか?病んでるよー そんなわけで主人公にとてもじゃないけど共感できなくて、それこそ蛍のように、壊れ物を扱うかのように、びくびくしながら読み進めてました。 ふたりが初めてきちんと向き合う、本に埋もれた書斎のシーンが好き。 あやが島本理生を好きなのは、 静かな、穏やかな中に隠された激しい感情が、どうしようもなくなって滲み出てきてしまう ってことを表現するのがものすごくうまいから。 その意外性に、温度差に、もうめっちゃどきどきしてしまうんです。 蛍もそうなんだけど、特に主人公の麻由がね、臆病で静かなのに、その身体の中にはものすごい激しい感情がうずまいている人で。 それがだんだんコントロールできなくなってきて、パニックになって逃げ出したいくらいなのに、蛍といたいっていう欲望はどんどん高まっていく ってゆー、あやにはまったく理解できないけど、なんかすごく惹きつけられる女の子でした。 あと、さとるくんがめっちゃ良い!かっこよすぎ! うん、満足。

Posted byブクログ

2012/05/22

島本理生さんの本はすごく好き。この本は、精神的に不安定な女の人が主人公のお話。読むと共感して、自分も不安定になったりした。やっぱり、恋愛が始まるときって、すごく好きだと思う。好きで触れたいのに、触れられないのがもどかしかった。さとる君みたいな友達がほしいなあ(^-^)

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2012/05/21
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 こころが壊れてしまうということについて。  島本さんは、わたしよりほんの少し年上なだけなのになあと、思う。この気持ちは、感嘆?羨望?うまく名前を見つけられないけれど、溜息が出るような心持ち。  終わり方については、二人の仲がもっと決定的に進んでくれれば良かったのになあと感じたところ。でも、これは純粋に、わたしがふたりの今後の姿を知りたかったからっていう前向きな理由から。

Posted byブクログ

2012/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

島本さんの書く危うい女性がすごく好きです。 過去に恋人から受けた暴力によって深い傷をおった真由。 そんな彼女に好意を寄せる蛍。 お互い好きだけど、真由の傷はあまりにも深すぎて…… 蛍は優しいし、真由のことを大切に思っているのはわかるけど、少し強引にこじ開けようとしてる部分もあるかな。 私は従兄弟のさとる君がすごく好きです。 今まで出会った物語の登場人物の中では一・二位を争うくらい。 あっけらかんとしてるけど、この人ものすごい。 作品自体はぼんやりとした形で終わってるので、物足りなさもあるかな。 でも全体的に優しくてどこか痛みをともなう物語でした。

Posted byブクログ

2012/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

島本作品はこの作品で6作目。 精神的にダメージを負った主人公と蛍。 不完全で繊細な2人の距離感。 その周囲の人間たち。 まさに今回も「人と人が響きあう」作品で、 テーマや雰囲気も、島本作品らしいなぁ、と思わせる一作だった。 「波打ち際の蛍」 綺麗で、麻由の心をよくあらわした素晴らしいタイトルと感じる。 ただ、共感できない故に内容は私には少し難しい。 弱い、脆い等の単純な言葉では表現できないし、共感しきれないだろう。 でも作品の中では描かれないこれからの2人を、応援せずにはいられない。

Posted byブクログ