顔のない裸体たち の商品レビュー
読破するのはかなりな苦労が必要。 素材はさもなんなのでしょうが、生々しくて読んでられない。 しかし、作者の意図はわかるし、「書かなくてはならなかった」のでしょう。 官能小説ばりの書き出しに「ひるみ」ましたが、辛うじて読破。 それでもやっぱり「もう少し違う書き方」で、表現できなかっ...
読破するのはかなりな苦労が必要。 素材はさもなんなのでしょうが、生々しくて読んでられない。 しかし、作者の意図はわかるし、「書かなくてはならなかった」のでしょう。 官能小説ばりの書き出しに「ひるみ」ましたが、辛うじて読破。 それでもやっぱり「もう少し違う書き方」で、表現できなかったものかとは思う。
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『ある男』『決壊』『本心』『マチネの終わりに』と読んできて、どの作品も素晴らしく、何度も読み返したいと思った。実際、『ある男』などは4回読んでいる。 が、これは二度と読むことはないと思う。こんな世界があるということは勉強になったが、とにかく気持ち悪くなる。平野作品なので最後まで頑...
『ある男』『決壊』『本心』『マチネの終わりに』と読んできて、どの作品も素晴らしく、何度も読み返したいと思った。実際、『ある男』などは4回読んでいる。 が、これは二度と読むことはないと思う。こんな世界があるということは勉強になったが、とにかく気持ち悪くなる。平野作品なので最後まで頑張ったが、そうでなければ、冒頭で読むのをやめていた。
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あっという間に完読。 生々しい性描写があり不快感を感じる部分もあるのだけどら読み進めてしまう不思議。 人間が生まれて性欲に目覚める流れを事細かに書かれていて自分がどうだったか?ということを考えてしまった。 私は女性だから特にミッキーに感情移入してしまった。
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村上春樹が「純文学は、作者が読者に…ある程度の努力を要求する」と語っているようなので、純文学を読んでみようという気になって、芥川賞作家の本を読んでみた。 …エロ小説じゃん。。。読了直後はそう思った。でも、吉田希美子とミッキーは、同一人物のとてつもなく離れた二つの人格の話だけど、...
村上春樹が「純文学は、作者が読者に…ある程度の努力を要求する」と語っているようなので、純文学を読んでみようという気になって、芥川賞作家の本を読んでみた。 …エロ小説じゃん。。。読了直後はそう思った。でも、吉田希美子とミッキーは、同一人物のとてつもなく離れた二つの人格の話だけど、これって、ちゃんと化粧してまともな服を着てにこやかに仕事をする会社の私と、ボサボサ頭にノーメイクで子供を怒鳴り付けている家の私…にも通じるなぁ…。そして、そのどちらが本当の私なんだろう?なんて思ってしまった。 その意味で、誰にだって二面性、三面性、もしかしたらもっと多くの多面性があるのかもと思った。
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ほぼ性描写、かな。 『文人』という思想について基礎知識あったから、それも頭の片隅に置いて読めたけど、事前知識ないと、出来事文章でああそうだっかーそんなことがあったかーで終わってしまう気がした。 短くてさくっと読めるのは良いところ。 あと『事件』と冒頭に言って、終盤に向けて読者へボルテージ高めるような工夫あり。 ただ肝心のその『事件』が平凡というか、もっと小説的奇想天外なものとか、あるいは本人達の心理描写を細かくこまかーく、普通そんなこと考えないだろくらいに書いてたら、もっと読了感と読み応えあった気がする。
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平野さんの本の中ではテーマが下世話で身近だし、短編だから読みやすい。堕ちていく人間のフィクションだけど現実にもこんなことほあるだろうと思う。本当に他人に言えないことは皆黙っているから。
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かつて、筑紫哲也が平野啓一郎の「日蝕」を褒めていた。 僕は今回初めて平野啓一郎の作品を読んだのだが、完全に不純な動機からである。 そして、この作品からは、文学というよりは、風俗のルポ、あるいはノンフィクションのような印象を受けた。 女教師と市役所職員が、出会い系で出会って、男の方がネットに投稿し、その露出はエスカレートして行き、最後に破綻を迎える。 破綻の前兆として、男が女教師にプロポーズするのだが、女教師(ここではミッキー)は男を現実世界では、受け入れられない。 そして、その気配を感じた男が、最後に事件を起こしてしまい、男は刑務所へ、女は執行猶予は付くが、職を失う。 今のネット社会だったら、いかにも起きそうな事件である。 顔以外の全てを晒して、ネットで人気者になっていた二人も、顔が分かった瞬間、偶像から相当低いランクの一般市民に格下げになる。 匿名性とは、何なのかを少し考えた。
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官能的な面も大きかったが、文学的な表現で書かれているためいやらしい感じではなかったです。 平野啓一郎は『私とは何か「個人」から「分人」へ』でも分人主義に触れているが、本書も根本はその部分について書かれているものでした。 会社にいる自分と友人といる自分が違うというのは当然といえ...
官能的な面も大きかったが、文学的な表現で書かれているためいやらしい感じではなかったです。 平野啓一郎は『私とは何か「個人」から「分人」へ』でも分人主義に触れているが、本書も根本はその部分について書かれているものでした。 会社にいる自分と友人といる自分が違うというのは当然といえば当然のことで、本書の女性のそれは、現実社会の教師とネットの中の淫乱な自分という側面で描かれていました。 匿名であったり非匿名であったり…ネットがとても身近にある現代も、そう言った多面性は存在するんだろうな、と思いながら読める作品でした。
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エロさに驚いたが、エロを扱っていても内容は文学的なため、そういう気分にはなりきれない。人物の描写を通して作者の思想が披露され、頭を使うのが好き人には心地よい。恋愛や学校にコンプレックスがある人も興味深く読める。
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昔に題材をとった話が得意な人との印象であったが、現代の話だとぎこちないのか。テーマが刺激的なようでいて、紋切り型にはまっているような。
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