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「私はうつ」と言いたがる人たち の商品レビュー

3.2

40件のお客様レビュー

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2022/03/19

うつという概念が社会に広まり、うつそのものの幅も広くなった。うつにも色々ある。 筆者は、社会に広まったうつ病概念を、本当のうつ病と言われる「大うつ病」、躁うつ病の一種と言われる「双極性障害II型」、そして「うつ病になりたがる人たち」の3つに分けている。(ほか、パーソナリティ障害を...

うつという概念が社会に広まり、うつそのものの幅も広くなった。うつにも色々ある。 筆者は、社会に広まったうつ病概念を、本当のうつ病と言われる「大うつ病」、躁うつ病の一種と言われる「双極性障害II型」、そして「うつ病になりたがる人たち」の3つに分けている。(ほか、パーソナリティ障害をうつと誤診するケースもある)。 その中でも「うつ病になりたがる人たち」は、うつという診断を欲し、診断書を水戸黄門の印籠のように使う。アイデンティティを求め、それを「うつで可哀想な自分」とすることで安心を得る「平凡恐怖」や、病気を申告することで心配されたり異動や休職の許可が容易に出る「疾病利得」などが挙げられており、読んでいて自分が関わってきた人にも、そのような人がいたなと思い出す。 近年では発達障害が似たような状況になっていないだろうか。もちろん、実際に苦しんでいる方がおり、治療が必要な場合も多いが、発達障害はスペクトラムであり、凸凹である。大なり小なり、全ての人に得て不得手がある。本来はそれを周囲に相談したり、理解を得ながら生活をするが、最近は安易に、伝家の宝刀のように「私は発達障害だからできない」となることが多いように感じる。 著者が指摘するように、これでは本当に治療が必要な患者が困る。悩みを悩みとして、ゆっくり時間をかけて消化したり、周りに相談ができる環境づくりが必要な気がしている。

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2019/06/02

精神的な病気は、どう診断されているのか?を知れました。具体的な事例も書いてあり、納得する内容が多かったです。本当の「うつ病」がどれほど辛い病気なのか?を知る手立てにもなりました。

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2018/11/18

この本を手に取った理由は、部下に元うつ病 患者がいるから。 詳細は控えるが、彼に関してワタシが相当な 時間と労力をかけているのは紛れもない事実。 本書の中には、その彼にぴったり当てはまる 内容も述べられていて、「そうそう」と相づち を打ちながら読み進めた。 ど...

この本を手に取った理由は、部下に元うつ病 患者がいるから。 詳細は控えるが、彼に関してワタシが相当な 時間と労力をかけているのは紛れもない事実。 本書の中には、その彼にぴったり当てはまる 内容も述べられていて、「そうそう」と相づち を打ちながら読み進めた。 どう対処したらよいのか、という問いへの答は なかったが、少なくともワタシと同じような ジレンマを抱えている人が少なくないこと、 そしてワタシの認識・考え方は香山さんの 指摘とかなり近いということは分かった。

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2018/01/10

うつ病という言葉が膾炙した中で、意識的・無意識に、それを患うことによる疾病利得を求める人々がいる一方、組織や社会の中で、そうした病気への適切な治療をとることが許されず、追い込まれている人々がいる問題を扱う。一般的に言ううつ病というカテゴリに、様々な心理的状態が一緒くたにされてしま...

うつ病という言葉が膾炙した中で、意識的・無意識に、それを患うことによる疾病利得を求める人々がいる一方、組織や社会の中で、そうした病気への適切な治療をとることが許されず、追い込まれている人々がいる問題を扱う。一般的に言ううつ病というカテゴリに、様々な心理的状態が一緒くたにされてしまっていることが問題であり、例えば身体症状を明確に伴わないような気分の落ち込みについては、認知療法を行うことで改善の可能性があるにも関わらず、DSMの機械的な判断で、二週間以上の気分の落ち込みを即うつ病と診断してしまうことが、要因として挙がっている。ただ、全体として、うつ病でない人は病気ではないのだから、と斬るような内容ではなく,むしろ病気であるにせよそうでないにせよ、自身の精神的苦痛が何によってもたらされているのかを明確にし、正しい治療や自己努力をできるようになるべきである、としている。

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2017/05/17

鬱だと言うと会社をクビになってしまう中小企業の社員と、鬱ではないのに鬱だと言って職場を休んで海外旅行に出かける官公庁や大企業の社員という、両極端な問題を指摘している本。鬱だと言って得をしている人がいるせいで、本当の鬱の患者が窮地に立たされるという、1つの格差の問題として捉えている...

鬱だと言うと会社をクビになってしまう中小企業の社員と、鬱ではないのに鬱だと言って職場を休んで海外旅行に出かける官公庁や大企業の社員という、両極端な問題を指摘している本。鬱だと言って得をしている人がいるせいで、本当の鬱の患者が窮地に立たされるという、1つの格差の問題として捉えているところが新しい。

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2015/03/22

2007 朝青龍 モンゴル サッカー 安倍晋三 雅子様 語学留学にロンドンへ 鬱病にも格差がある ラテン系気質 雨宮処凛 湯浅誠 生活保護 税金 健康保険 ホリエモン 亀田一家 プロフィールに書けるアイデンティティー 鬱病を利用して叶えた願望は、本当にその人の心を満たすものなのだ...

2007 朝青龍 モンゴル サッカー 安倍晋三 雅子様 語学留学にロンドンへ 鬱病にも格差がある ラテン系気質 雨宮処凛 湯浅誠 生活保護 税金 健康保険 ホリエモン 亀田一家 プロフィールに書けるアイデンティティー 鬱病を利用して叶えた願望は、本当にその人の心を満たすものなのだろうか? 脳の中のセロトニン不足

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2015/02/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。 初めて読んだのは大学生の頃だったと思う。2008年の出版のものなので、内容は少々古く感じるが、今も状況としては、大きな変化はないと思われる。 まずは朝青龍や安倍首相など著名人がうつ病だったのかどうかの検証をする内容から始まる。前述したように、本書の安倍首相は2008年当時の状況が語られている。 うつ病か?うつ病ではないのか?こんなYESかNOかという究極の選択のようなものを、追求される現代では、精神が病んでしまうのも理解できる気がする。しかし本書では、うつ病であるかどうかは大きな問題ではないと言い切っていた。一般人の知識の不足や教養のなさによって、どうでもいい問題に人は興味関心を寄せているような印象を受けた。 次に、一般の人たちのうつ病についての記述がなされる。「うつ病セレブ」「うつ病難民」、たった少しの違いで、同じうつ病という診断があるにも関わらず、大きく生活の違いが露呈されている。学歴社会と言われて久しい現代だが、貧富社会に近づいているのではないかと感じた。 同時に、うつ病とパーソナリティ障害、双極Ⅱ型(躁鬱病)、これらの鑑別が難しいとの記述がある。こんなことを言い出したら、うつ病セレブやうつ病難民にも病名がついてしまって、さらに鑑別出来なくなってしまうのではないかと思った。 それらの理解も含めた上で、「私はうつ」と言いたがる人たちについて語られる。自分のアイデンティティのマイナス要因として、「うつ病」があることで、注目を集めようとする。今はブログやTwitter、Facebook等のネットでのコミュニケーションは私たちにとってかかせないものになっている。そこにマイナス要因の「うつ病」というキーワードが存在することによって、他人からの同情を得て注目を集めようとしているのか。 ただ、そういうマイナス要素は、知人に知られるとまた厄介な状況も作られる気がするのだが、、、それこそ自分がうつ病=大切に扱われるべき存在として、自分のアイデンティティに価値を見出しているのか。そういった意味では、彼らは現代の闇にとらわれているのだろうな。 現在はうつ病=心の風邪 と言われるために、深刻に捉える人も減ってきているから、状況はどんどん変わってくるだろうけれど、現代人は何かが原因で心を病んでいるのには間違いない。 おわりにで述べている、「現代人は悩めなくなった」という言葉はとても印象に残った。宗教の問題とも照らし合わせると、『無宗教』という日本人の宗教観から何かにぶつかってしまった時にすがるべきものが分からない。「うつ病」というのは、その問題から逃げる際にとても都合良く使えるものだから、このように乱用されているのだろう。 ま、書いてある通り、次はまた違う病名がはやったり、病気じゃない別のものがでてきたりする気がする。

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2014/10/11

なぜ最近「うつ」が話題になることが多いのか気になっている。 一種の風潮なのかも知れないが。 本物、偽物ということも無いのだろうけれど、何かがおかしい。 人間が弱くなったのか。これも教育の問題が原因の一つなのか。 色々と考えさせられるが・・・

Posted byブクログ

2013/09/12

「うつ」は今や富める者のステイタスになりつつあるのですね。 しかし「私はうつ」と言いたがる人たちによって、うつ病を苦にしている人たちが詐病扱いされるのは、理不尽としか言えません。

Posted byブクログ

2012/11/23

やっぱりこういう人、今の世の中ならいるよなあ、と。それでいて本当にうつの人もいるわけで。精神科医ってマジメに考えていると頭がおかしくなってしまいそうな職業だなあと思いました。

Posted byブクログ