ハローサマー、グッドバイ の商品レビュー
読み終わって呆然として、しばらくしてから何となく釈然としないものがあって、幾つかのエピソードを読み返してみて、最初に思ったのと違う意味の結末だと知ってとても驚きました。 正直、冒頭からしばらくは、ドローブと両親との関係や叔母さんとのエピソードが好きになれず、「ほんまに評判通りの名...
読み終わって呆然として、しばらくしてから何となく釈然としないものがあって、幾つかのエピソードを読み返してみて、最初に思ったのと違う意味の結末だと知ってとても驚きました。 正直、冒頭からしばらくは、ドローブと両親との関係や叔母さんとのエピソードが好きになれず、「ほんまに評判通りの名作かなぁ」と疑問を持ったのですが、ドローブがパラークシに到着し、ブラウンアイズと出会って(再会して)から以降は引き込まれるように読みました。 これは思春期の二人の愛と互いの成長の物語なんですが、自分で思ってる以上にこういう話が好きなんやなぁと実感しました。
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面白かった。 独特な世界観で、ハマれるまでが長いけどハマってしまうと一気読み。幼少時代の淡い恋心に泥臭さがついて回ってて素晴らしい。読みやすいとは言えへんけど、読後感は良し。
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青春SF小説。若さに溢れていてとても良かったけど、最後のどんでん返しにはビックリ。ちょっと予想外の終わり方で、後味がほろ苦かったです。うーん、切ない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この作品は絶版になっているSFの名作を たんぽぽ娘の関連で調べていた時に 新訳版が出ていることを知り入手。 解説にあるように 恋愛小説であり SF小説である。名作といいたくなるのがわかる。 ちょっと「冷たい方程式」風でもある。 前半は決して読みいいとは言えない。説明なしに連発される固有名詞、聞きなれない言い回し。 主人公の両親や、知り合う人々の、どこか人間性の欠如を感じさせる言動。そして話題になるものの、なかなか登場しないヒロイン。 話の方向も、どちらに向かうのかなかなか見通せない。 それが主人公とヒロインの仲が急激に進展するのと歩調を合わせるように、一気に世界が変わっていき、裏の事情が見えると 主人公の父親の言動の意味もわかってくる。 屈指の名作 と呼びたくなる気持ちもわからないではない。で、どの辺が名作なのか人に紹介するのが難しい。ネタバレしないとその凄さが伝わらないし、ネタバレすると面白さが半減する。
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この一小節、一文の為に書かれた、というタイプの小説はほとんど名作。 そしてこれもそのタイプ。 20140214すみよしにて
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約30年ぐらい前にサンリオ文庫で読んだはずが、ほとんど内容を忘れていてf^_^;おお!!こんな伏線の回収が!と、新鮮な気持ち。さて、この新鮮な気持で続編『パラークシの記憶』へ。
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なんとしても夏が終わる前に読み終わらねば、と。SFだけど、少年少女の一夏の成長物語の要素の方が強い。冒頭、自分のことだけしか考えられなかった少年が、世の中全体を見られるようになっていく。少女はオンナになっていく。今年続編も出たそうだ。
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めでたく続編も刊行された青春恋愛SFの名作。買ったきっかけは何だったか、もう覚えていない……。 構成そのものは単純なボーイ・ミーツ・ガールだが、一見幸せそうに見える主人公カップルと、街を覆う不穏な空気の対比がラストの切なさを盛り上げている。
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イギリスの作家によるSF青春小説、1975年作。 幼さゆえの、世界に対してどこまでも純粋たろうとしてしまう感性と、それに対する万能感。そして少年が感受する、性愛の温かく柔らかい否応もない引力を帯びた美しさ、世界の分断情況、「力」へと疎外された者たちの見え透いた欺瞞と剥き出しの...
イギリスの作家によるSF青春小説、1975年作。 幼さゆえの、世界に対してどこまでも純粋たろうとしてしまう感性と、それに対する万能感。そして少年が感受する、性愛の温かく柔らかい否応もない引力を帯びた美しさ、世界の分断情況、「力」へと疎外された者たちの見え透いた欺瞞と剥き出しの暴力の醜悪さ、「性」へと自らを疎外されざるを得なかった者の哀しさ・・・。手にした世界観の苦い屈折を、その苦さを打ち捨てることなく、醜さ・哀しみ・屈折をそのままに見据えようとするのもまた、若さの純粋さそのものだ。 「・・・。そしてこの夏のあと、ぼくたちはだれひとり、前と同じじゃなくなっているだろう・・・・・・それがこわいって思うところもある。すごくたくさんのものを、すごい早さで失っているような感じがして。得たものもたくさんあるけどね」 読書を終えても読者の人生は続くのだから、ハッピー・エンドは全て安直で欺瞞的だと思う。しかし、かの世界は少年の純粋さを生き延びさせていく、再生の陽光が見える極寒の終末だ。見事な幕切れではあるが、それでも安直といえば安直かもしれない。尤も、それだって少年の若さそのものであるこの物語の最後の場面として、実によく適っていると云えるのじゃないか。 その全てが込められた、タイトルが秀逸。 しかし、この齢で読むには、retrospective にならなきゃあいかん。
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人間ではない人々の過ごすどこかの星で少年が恋をして大人になる物語。 前書きからSFだとわかるのに、牧歌的な雰囲気に飲まれ大仕掛けが明かされるまでSFと思わせない不思議な一作。 惹かれあう少年と少女の愛がまぶしい。
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