夜市 の商品レビュー
○好きなフレーズ あるときにある場所で生まれて、そして誰かと出会うって、嫌だから変えられることじゃないだろ? 生きていくのがひどく怖くて億劫になった。
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こんなに美しいホラー小説がこの世にはあるのか… 恐怖感は無く、読了後に感じたのは美術館で高名な絵画を見た後のような なんとも言えぬ満足感
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ホラー小説というよりは和風ファンタジーや幻想奇譚といった表現が似合うような綺麗な作品だと感じた。 小難しい表現がなく、全体通してとても読みやすかった。 ただ、ホラー特有のゾワッと感がまるで無いのでホラー目的だと少し物足りないかもしれない。 本作は、題名にある「夜市」と「風の古道」という2つの中編で構成されている。どちらもストーリー的には、異界に迷い込んだ人間が異界から出ようとする話。ただし、「行きはよいよい帰りは怖い」と詠われるように、入ることは容易だが出ることは困難である。 …困難であるが帰れない訳では無い、という点がこの話のポイントのように感じた。 この話に出てくる異界は平等なのだと思う。人間を取り込んでやろう、食べてやろうといった意思は感じられない。ルールを守っていればちゃんと出ることができる点が特徴のように感じ、面白いなと思った。 全体的に綺麗な話だった。
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ホラーというより怪奇小説のような感じです 自分なりの感想を記していきます 夜市、風の古道は共に運命とか選択とかそういうものを感じる話でした。 人生を迷路に例えて表現することがある。この話はまさにそんな感じだと思いました。 人生は常に無数の選択肢に溢れていると思っている。 どう選択するかで、その後の結果が大きく変わる。 運命が変わってしまうような大きな選択した後の道は後戻りができない。 これらは現世を生きる私達にも共通しているのではないでしょうか? そしてその選択肢は残酷なことにある程度は最初から限定されているものである。 物語ではレンが外の世界へ強い憧れがあったとしても古道から出ることは叶わない。理不尽としか言いようがないが、それを打ち破る方法はないのだという。 これはまるで現世のよう。生まれ育った環境によってどうしようもなく選択肢のないことは確かに存在していた。 そういうことをファンタジー風に書いているように思う。 だけど、古道では死んだものを生き返らせることができるという。 しかし、死んだものを蘇らせるにはそれ相応の対価が必要という。 古道と現世との大きな違いは死んだものを蘇らせることができること。しかし、そうやって蘇るというより生まれ変わったものは、普通なのだろうか。 この物語のレン、西村昌平は普通に生まれれば古道へと縛られることはなかったのに、特殊な生まれ方をしたために、選択肢を縛られた運命を辿ってる。外の世界へ行くという分岐はない。 私はここにメッセージがあるように感じた。死んだものが普通に生きかえることは絶対になく、人生の選択肢を狭めてしまうのだと。この話において、選択肢つまり人生の分岐が複数あるということは、選べる幸せがあるということだと思う。ただ、その選択肢の中に命を含めてはいけないと伝えているような気がする。 才能と弟を引き換えた兄、恋人を蘇らせた母の息子は共に選択肢が狭まってしまっている。息子に関しては自身の選択ではないため理不尽を感じてしまうが、命の取引は選択した人以外へも影響が及ぶという暗示なのだろうか。 私達は常に選択肢つまり人生の分岐がある。 命の取引を伴う選択をした後の分岐は、自身も選択をしていない当事者も、分岐を狭める人生になってしまう。 時には選択肢のないどうしようもない理不尽なことに巻き込まれることもある。なにかの犠牲の中で望むものが手に入るなら、私達は犠牲にしてしまうだろうか。そんなことを考えてしまう作品でした。 毎度、誤読や誤解もあると思います。 私なりの物語を読んでの感想でした。
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大人の童話を読んだような気分。少し不思議な世界観の話で新鮮だった。ホラーといっても怖くない。 二つの話が入っている本でタイトルにもなっている夜市は完成度が高かった。世界観に馴染めば楽しめると思う。
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夏なのでホラー。(実際はホラーというよりファンタジー)はじめて読む作家さんだったけど面白かった。調べたらデビュー作とのこと。才能がすごい。 夏休みの今の時期に読んでよかった。 内容はファンタジーだから、そんなバカな!?的な状況もあるんだけど、暑さで頭がボーっとしてて、湿気で空気も...
夏なのでホラー。(実際はホラーというよりファンタジー)はじめて読む作家さんだったけど面白かった。調べたらデビュー作とのこと。才能がすごい。 夏休みの今の時期に読んでよかった。 内容はファンタジーだから、そんなバカな!?的な状況もあるんだけど、暑さで頭がボーっとしてて、湿気で空気もモヤモヤ〜としてる猛暑の今だからこそ、そこに更に未熟な子どもが迷い込むから設定に違和感を感じさせない
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夏こそホラーを!と思い、手にしたホラー小説。タイトルの『夜市』というワード、表紙にまず惹かれました。 読了した感想としては幽霊的な恐ろしさを求めるなら物足りなく、どちらかと言えばファンタジー。 正直勝手に期待していたものとは違ったけど、これはこれで素晴らしかった。 全体的に物寂し...
夏こそホラーを!と思い、手にしたホラー小説。タイトルの『夜市』というワード、表紙にまず惹かれました。 読了した感想としては幽霊的な恐ろしさを求めるなら物足りなく、どちらかと言えばファンタジー。 正直勝手に期待していたものとは違ったけど、これはこれで素晴らしかった。 全体的に物寂しい雰囲気で、現実的ではないけど実は隣にはこんな世界があるような気もしたり。なんとも言えない不思議な読了感。 サクッと読めるボリュームでいつもと違う雰囲気を味わいたい時にぴったりでした。 自分は表題作より風の古道が好き。
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幽玄さすら感じる唯一無二の世界観で、新しい夏の感じ方ができました。 もっと恒川光太郎さんの本を読んでみたくなる。
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この空気感はなかなか味わえない 文字が肌に不思議とすぅ〜と染み込んでくる感覚 この著者の作品に出逢えて本当に良かった
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風の古道が面白かった。 すぐ近くなのに誰も気づいてくれない異世界、 もしかしたら本当にあるかもしれないと思うとワクワクします
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