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夜市 の商品レビュー

4

678件のお客様レビュー

  1. 5つ

    207

  2. 4つ

    249

  3. 3つ

    147

  4. 2つ

    22

  5. 1つ

    8

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2023/10/12

読み始めは文章がくどいと思ったが、『風の古道』はどこで話が繋がっていくのか分からなく、先が読めない展開で面白かった。 子供の純粋さと不気味な世界観のバランスがよく、だんだんと物語に引き込まれていく作品。

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2023/10/15

夜市だけ読んだ。結末のスッキリ感と不安感のバランスが良い。 風の古道も読んだ。夏の暑さと森の涼しさを感じる描写が良い。

Posted byブクログ

2023/11/27

〝龍が最後に帰る場所〟を読んで、さらに評価の高い本作を読了。 二冊を読んだ限りでは、異界に迷い込み、妖怪みたいな異形の いわゆる〝もののけ〟と遭遇したり、奇天烈な物を入手したり、その異界から脱出したり…現世と異界を彷徨う様なストーリーが多い。 京極夏彦氏の作品から観念的な叙述を引...

〝龍が最後に帰る場所〟を読んで、さらに評価の高い本作を読了。 二冊を読んだ限りでは、異界に迷い込み、妖怪みたいな異形の いわゆる〝もののけ〟と遭遇したり、奇天烈な物を入手したり、その異界から脱出したり…現世と異界を彷徨う様なストーリーが多い。 京極夏彦氏の作品から観念的な叙述を引いて簡素にし、情景描写を豊かにしたような印象。快適に読める筆致であるため、他の作品も読んでいきたい。良作。

Posted byブクログ

2023/10/02

何でも買える夜市で 弟と引き換えに野球の才能を買った 夜市は閉じ弟は消えた 弟を買い戻す為再び訪れた夜市で 今度は何を支払うのか ギャーと叫ぶホラーではなく じっとりした違和感のような怖さ 例えるなら 山の中の神社の裏山みたいな。。

Posted byブクログ

2023/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。ホラーだとは知らずに読んだ。読みながら、ついつい作家が何を伝えたいのかと考えてしまっていた。 だけど、そんなことよりも、自分が子供の頃、意味もなく恐れていた想像上の「怖いこと」を作家も怖がっていたのではと思えてきた。 例えば、人攫い、例えば、一生戻れない迷い道 怖かった。

Posted byブクログ

2023/09/16

ホラーというよりもどうしようもなく切ない話でした。情景描写がしっかりされていて、綺麗な話だなと思いました。

Posted byブクログ

2023/09/12

例えば『リング』や『黒い家』のような、ぐいぐい攻めてくるような怖さじゃなく、自分の中にある説明がつかない違和感が、ずるずると引きずり出される恐怖に近い。 小学生の時、クレヴァスに関する本を読んでからしばらくずっと、そこに落ちて死んでしまうことが怖くて仕方がなかった。通学路や公園...

例えば『リング』や『黒い家』のような、ぐいぐい攻めてくるような怖さじゃなく、自分の中にある説明がつかない違和感が、ずるずると引きずり出される恐怖に近い。 小学生の時、クレヴァスに関する本を読んでからしばらくずっと、そこに落ちて死んでしまうことが怖くて仕方がなかった。通学路や公園の近くにそんなものがあるはずないのに、それでも、誰にも気づいてもらえず死んでいく自分自身を想像してしまう。そしてその恐ろしさに怯え、夜中にひとりでしくしくと泣いた。 そんなことを思い出すのだ。恒川光太郎の本を読むと。 ■夜市 大学生のいずみは、高校時代の同級生の裕司に夜市に行ってみないかと誘われる。足を踏み入れたのはこの世の夜市ではなかった。夜市のいくつかの決まりの中で最も恐ろしいのは、何かを買わないとそこから出られないということ。 裕司は子どもの頃に一度、夜市に来たことがあるという。その時彼は、自分の弟と引き換えに『野球の才能』を手に入れた。元の世界に戻ったら、弟は初めから存在しないことになっていた。裕司は今日、あの日見捨てた弟を買い戻しにきたのだ。 では、なぜ裕司はいずみを夜市に連れて行ったのか。 弟を取り戻し、無事に三人で元の世界に戻ることはできるのだろうか。 ■風の古道 古道とは、今は使われていない昔の古い道のことをいう。 主人公は5年前に一度、その古道を歩いたことがある。そのことに興味を示した親友のカズキと一緒に、再びその古道に足を踏み入れた。 その道はただの古い道ではなかった。この世のものではない。普通の人は入ることができないはずなのに、たまたま出来た綻びのような亀裂から彼らは入ることができてしまったのだ。でもそこから出ることは容易なことではなかった。 この話は両方とも主人公は子どもだ。 大人には見えず子どもには分かる、そういう空間の歪みというか裂け目みたいなものが、本当にあるんじゃないかとわたしは思う。わたしたちが暮らすこの世界と時間の流れに平行して、または交差して、全く違う別の世界が。 怖いのは、この2つの話がおとぎ話ではないことだ。本当に存在がそこなわれ、命を落としてしまう。元の世界に戻ったらめでたしめでたしというわけにはいかない。 だから、最後の5行にはハッとさせられる。

Posted byブクログ

2023/09/01

初読みの作家さん。 ホラーは苦手だが、みなさんの感想を見て興味が湧き、手にとってみた。 ホラーの要素より、ファンタジー寄りに感られて読み進められた。 2作品共、最後は哀しくもあり、夏の終わりを感じる物語。 夜市も古道も何処かにあるのでは…と少し背筋がぞくっとしてしまう。

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2023/08/31

望むものが何でも手に入る市場「夜市」。 幼い頃、弟と一緒に迷いこんでしまった裕司は一体何を望んだのか・・・ 夏(猛暑)ということでホラー作品を読みたくなりこちらの作品を手に取りました。 「夜市」「風の古道」の2つの短編が収録されており、 そこまでホラー感(ファンタジー要素あり)も...

望むものが何でも手に入る市場「夜市」。 幼い頃、弟と一緒に迷いこんでしまった裕司は一体何を望んだのか・・・ 夏(猛暑)ということでホラー作品を読みたくなりこちらの作品を手に取りました。 「夜市」「風の古道」の2つの短編が収録されており、 そこまでホラー感(ファンタジー要素あり)も強くなくて読みやすくかったです。 ※ホラーが苦手な自分でも楽しめました 不思議な世界観があり文章を読みながら映像を想像するのが楽しかったです。 どちらの作品も読了後は怖さよりも切なさや哀しさ、 夏の終わりに感じる寂しさのような感覚でした。 夏の夜長にオススメです。

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2023/08/29

「今宵は夜市が開かれる。夕闇の迫る空にそう告げたのは、学校蝙蝠だった。」冒頭の一行から引き込まれ、極上の幻想世界を堪能させてもらった。 裕司は岬の森で開かれる夜市に、大学二年生のいずみを誘った。幼い頃に迷い込んだ夜市で、彼は「野球の才能」と引き換えに弟を売ったのだった・・・「夜...

「今宵は夜市が開かれる。夕闇の迫る空にそう告げたのは、学校蝙蝠だった。」冒頭の一行から引き込まれ、極上の幻想世界を堪能させてもらった。 裕司は岬の森で開かれる夜市に、大学二年生のいずみを誘った。幼い頃に迷い込んだ夜市で、彼は「野球の才能」と引き換えに弟を売ったのだった・・・「夜市」 端正な文体の中で、言葉一つひとつが立ち上がってくるように思える。 「秋の夕暮れ」「学校蝙蝠」「岬の森」「夜市の気配」それらの言葉が繰り返される度に、遠い記憶が呼び起こされる。 約束を果たすために夜市に向かった兄と、行き場のない旅を続けるしかなかった弟。現実と異界の狭間を彷徨う二人がせつない。 再び夜市が訪れることを予感させる最後の一行で、物語は五年後のいずみから始まり、また次の人へと手渡されていく。 終わりが見えないことが本当の怖さだと知った。 7歳の春に迷い込んだ古道。12歳の私は友人と再びその道に足を踏み入れた。 書き下ろし「風の古道」でも異界を歩く少年二人が描かれるが、すぐ側に秘密の入り口があるストーリーに興味をひかれた。 「古道は進めばあちこちで分岐を繰り返し、迷路のように日本中に延びている。」少年、古道、異界の住人の描き方が繊細で、どこかノスタルジーを感じさせる物語だった。 好みが分かれそうだが、私は表題作「夜市」の凄みに圧倒されてしまった。

Posted byブクログ