木曜日だった男 の商品レビュー
日曜日から土曜日まで七つの曜日を名乗る男たちが 取り仕切る秘密結社をめぐる陰謀を描いた小説。 七つの曜日を名乗る男たちの誰が味方で、誰が敵なのか 彼らが計画するテロの行方は、とストーリーは冒険・スパイ ものの雰囲気を漂わせているのですが、しょっぱなの語りなど ところどころ観...
日曜日から土曜日まで七つの曜日を名乗る男たちが 取り仕切る秘密結社をめぐる陰謀を描いた小説。 七つの曜日を名乗る男たちの誰が味方で、誰が敵なのか 彼らが計画するテロの行方は、とストーリーは冒険・スパイ ものの雰囲気を漂わせているのですが、しょっぱなの語りなど ところどころ観念的な話も出てくるなんともおかしな小説です。 七つの曜日の男たちそれぞれの正体が先に進めば進むほど、 意外というか、想像の上をいかれてしまい思わずにやり としてしまいました。 後半はゾウや気球を追っての逃避行に最後に語られる 話と 分析したり話の裏を読み取ろうとすると、様々な解釈が 出来そうな小説だと思いました。
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ミステリものかと思っていたけど、ミステリ要素もある冒険活劇もので、さらにとても詩的だった。山田風太郎はこの影響を受けてたりするのかな、とも思う。とにかく詩的で幻想的だったのが印象として強い。
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月曜日から日曜日までメンバーを曜日で命名する謎のアナーキスト集団に、木曜日として潜入する刑事の物語。 奇妙でいてシンプルな仕掛けが反復するミステリとしても面白いけど、その実とても観念的な小説。 筋どうこうは置いておいて、曜日たちのドタバタ劇と観念的な掛け合いの両方がおんなじくらい...
月曜日から日曜日までメンバーを曜日で命名する謎のアナーキスト集団に、木曜日として潜入する刑事の物語。 奇妙でいてシンプルな仕掛けが反復するミステリとしても面白いけど、その実とても観念的な小説。 筋どうこうは置いておいて、曜日たちのドタバタ劇と観念的な掛け合いの両方がおんなじくらい面白い。 今まで読んだチェスタトンの中で一番好き。
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古典とよべるくらい古い本。 哲学的な面が多く出てくる小説である。 表現が難しく、なかなか読み進められなかったが、小説として読むには物足りない感じだ。 哲学はわからないが、この本に出てくる表現は不思議な感じで初めて体験する本であった。 これをすんなり読めるようになるくらい、いろ...
古典とよべるくらい古い本。 哲学的な面が多く出てくる小説である。 表現が難しく、なかなか読み進められなかったが、小説として読むには物足りない感じだ。 哲学はわからないが、この本に出てくる表現は不思議な感じで初めて体験する本であった。 これをすんなり読めるようになるくらい、いろいろな本を読んでみようと思わされた。 新しい出会いであった。
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出だしはちょっと不安だったけど、七曜会メンバーとの対決が始まってからは物語が一気に加速してスラスラ読めた。会話は喜劇だけど追走劇はスリリングなのでシリアスな物語として読んでた。
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父であり敵の親玉である「日曜日」はイコールで政府だったのでしょうか。無政府主義というのが作品で頻出単語であることを思う。 最後の場面で曜日の面々が創世記に基づいた衣装着てて、これは誠凛勢に着せたいと思いました。
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曜日で呼び合う無政府主義者たちがおいかけっこをする話(無体な説明)。ところどころ入るうだうだした哲学めいた議論がおもしろい。 続きが気になってサクサク読んだ。よくできたキャラクター小説といってもよいんじゃなかろうか。月曜日から日曜日までキャラたちすぎ!ホワイダニットかと思って読み...
曜日で呼び合う無政府主義者たちがおいかけっこをする話(無体な説明)。ところどころ入るうだうだした哲学めいた議論がおもしろい。 続きが気になってサクサク読んだ。よくできたキャラクター小説といってもよいんじゃなかろうか。月曜日から日曜日までキャラたちすぎ!ホワイダニットかと思って読み進めたらもっと壮大な話でちょっと肩すかし。 その後解説を読んでちょっと納得。壮大な中二病小説だったんだよ!とか言うとファンの方に怒られるかしら。でもそうするとのめり込んで読んだことにも納得できるんだよなぁ。世界に絶望し、思想に耽溺し、破滅を希求していたあの頃…つって36になったおじさまが思い出しながら書いてたと思うとちょっと微笑ましいよね。 ブラウン神父シリーズ読んでみよう。
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本書が執筆された20世紀初頭とは、世界から絶対性が失われた時代であった。科学や数学は危機を経験し、哲学や文学はモダニズムへの再考を迫られる。サイムは法と秩序の詩人と称して無政府主義者たちの集会と潜り込み、木曜日の男として潜入捜査を開始するが、追えど追われどもオセロが反転するが如く...
本書が執筆された20世紀初頭とは、世界から絶対性が失われた時代であった。科学や数学は危機を経験し、哲学や文学はモダニズムへの再考を迫られる。サイムは法と秩序の詩人と称して無政府主義者たちの集会と潜り込み、木曜日の男として潜入捜査を開始するが、追えど追われどもオセロが反転するが如く無政府主義者は煙の中へ。7つの曜日が創世記と照応するなら、そこに込められたのは古典主義的な回帰志向か。いずれにせよ、単純なドタバタ劇としても純粋に楽しめるのは確か。新訳に辺り、原文に忠実にとタイトルが過去形になった点も興味深い。
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「本のまくら」フェアで購入するも放置していたが、ここにきて興が乗って読了。「えっ、えっ、…」と言ってる間にとてもシュールな展開になり、終盤のおっかけっこで日曜日が投げる紙片の文句に極まる。 こんなヘン小説と思ってなかった。寓話といえばそうも読めるけど、なんだかすげー。
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紀伊國屋書店新宿本店で開催されていた「本のまくらフェア」で購入した本。 冒頭の文が非常に詩的で魅力的だったので、思わず手に取ったが実際は著者の前書きだったのでちょっと反則された気分。 しかし面白かった。 チェスタトンと言うとブラウン神父シリーズが有名なのでてっきりミステリ作家か...
紀伊國屋書店新宿本店で開催されていた「本のまくらフェア」で購入した本。 冒頭の文が非常に詩的で魅力的だったので、思わず手に取ったが実際は著者の前書きだったのでちょっと反則された気分。 しかし面白かった。 チェスタトンと言うとブラウン神父シリーズが有名なのでてっきりミステリ作家かと思ったが、実際はジャーリズム精神に溢れた詩人、哲学者のようだ。 本作も無政府主義者と言われる、今で言うテロリスト集団に一人の刑事が潜入操作をしてそこから巻き込まれるドタバタ劇を描いた長編小説だが、ミステリ的などんでん返しを織り交ぜながら「人の幸福」とは果たして何なのかを登場人物が語り合っていくラストは読み応えがある。 何度も何度も読み返しては自分なりの考えを見つけていくための、スイッチのような小説。
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