子供たち怒る怒る怒る の商品レビュー
凶悪犯罪を犯した加害者少年の生い立ちをあれこれ探って、犯行の動機を薄っぺらい論理で片付けようとするワイドショーにムカつく人にオススメの一冊。表紙に似合わずガッツリグロいのでご注意ください。 これらの作品群は、一昔前であれば、異常な子供たちの突拍子もない物語、現実ではどの子供に...
凶悪犯罪を犯した加害者少年の生い立ちをあれこれ探って、犯行の動機を薄っぺらい論理で片付けようとするワイドショーにムカつく人にオススメの一冊。表紙に似合わずガッツリグロいのでご注意ください。 これらの作品群は、一昔前であれば、異常な子供たちの突拍子もない物語、現実ではどの子供にも適用されない物語の中だけの物語、だったはずだ。しかしいまならばこの物語が理解でき、共感もできる。子供たちだけの自己完結の世界には、完璧な論理が通っている。通っているが、それは社会=大人の世界では異端視され圧殺される論理だ。 子供たちはなんとなくで人を殺せる。大人がどうがんばっても理解できない懸隔がある。そういう時代が、とっくに来ている。だから、この本は出版物として成り立っている。 この本が「いまどきこんなヤバイ奴はいない」と時代遅れになり、絶版になる日が来るのを、大人になってしまった私たちは怯えながら祈らなければならないだろう。
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