最長片道切符の旅 の商品レビュー
「乗り鉄」に属すると自覚している私にとってはバイブルのような本。時刻表を武器に、あの手この手で全国の路線を乗り継ぐ様に魅了されます。随所に淡々と記される旅のエピソードは、著者の人柄が最もあらわれています。
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1978年だから今から45年も前の話である。鉄道ファンである著者が、稚内から枕崎まで国鉄の最長片道切符で旅行した話を記した本である。 これは記録本であり、どこそこ駅を何時の列車に乗って、天気が悪くて景色が見えない、などが続き、地理や鉄道に感心が薄い人には最後まで読み通せないか...
1978年だから今から45年も前の話である。鉄道ファンである著者が、稚内から枕崎まで国鉄の最長片道切符で旅行した話を記した本である。 これは記録本であり、どこそこ駅を何時の列車に乗って、天気が悪くて景色が見えない、などが続き、地理や鉄道に感心が薄い人には最後まで読み通せないかもしれない。 しかし、時代の流れをひしひしと感じとれる。当時は今よりも路線が多く、しかも頻繁に電車や列車が走り、急行も多かった。あちこちの駅で駅弁を買い、駅に到着してから宿に電話して当日宿泊を決めるのが普通だった。 地方の路線は、学生が多く、また学生がいないときはガラガラで、現在の状況を予感させるものである。 最長片道切符は、今は当時よりどれくらい短くなったのだろう。もう四国も回れないし、非JRも増えて一抹の寂しさを感じるが、時の流れのせいで仕方がない。
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<目次> 略 <内容> 1979年発行の本の復刻版(表記は新潮文庫だが、実際は復刻版のハードカバーを読んだ)。自分は初版の出版時に読んだ記憶がある。こうした旅に憧れたものだ。今から40年以上前の、JRがまだ国鉄時代のものなので、懐かしさもかなりある。また昭和の時代の話なので、地...
<目次> 略 <内容> 1979年発行の本の復刻版(表記は新潮文庫だが、実際は復刻版のハードカバーを読んだ)。自分は初版の出版時に読んだ記憶がある。こうした旅に憧れたものだ。今から40年以上前の、JRがまだ国鉄時代のものなので、懐かしさもかなりある。また昭和の時代の話なので、地方はまだまだ古き良き時代であったようだ。 宮脇氏は、鉄道を意識しつつも、地方の様子を見たり聞いたりしたことも克明に記すし、車内の人々の様子も、途中下車した駅の人々(駅員を含む)も牧歌的に描いている。巻末には、この時の取材ノートが見つかり、それを原武史氏が注と解説をしたものが出版されたとの広告が載っており(この復刻版は2008年刊)、どこかで目を通したいものだ。
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ずっと一人旅で内面と向き合い続けているからこそ、伴女や星の王子と一緒に行くところが良いアクセントになってるなあ
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この書籍は、宮脇俊三氏が北海道の広尾駅(広尾線、現在は廃線たが駅などは多目的に利用されているのもあり)から鹿児島の枕崎駅(指宿枕崎線)を一筆書きで長距離鉄道旅です。 ただ、現在は清算が取れないから廃線になっているのもあるので、現在同じ行程を取るのはバス・徒歩などが入るかと思います...
この書籍は、宮脇俊三氏が北海道の広尾駅(広尾線、現在は廃線たが駅などは多目的に利用されているのもあり)から鹿児島の枕崎駅(指宿枕崎線)を一筆書きで長距離鉄道旅です。 ただ、現在は清算が取れないから廃線になっているのもあるので、現在同じ行程を取るのはバス・徒歩などが入るかと思います。
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JTBの鉄道地図を脇に置いて読み進めました。 北海道・九州など廃線になっている箇所が多く、 40年前ならもっと鉄道旅が楽しめたのにと。 でもとても楽しめました。鉄道旅にGO!の気分です。
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面白かった。 夢中で読んだ。 一緒に日本中を旅した。 聞かれてもいないのに家族に言う。 『やっと東北だよ』とか 『今、金沢』『今、紀伊半島』 まるで、旅先から絵はがきを送ってるみたいに。 もうないかもしれない日本の景色。 もう僕には乗ることも出来ない路線。 夢中で旅した、読...
面白かった。 夢中で読んだ。 一緒に日本中を旅した。 聞かれてもいないのに家族に言う。 『やっと東北だよ』とか 『今、金沢』『今、紀伊半島』 まるで、旅先から絵はがきを送ってるみたいに。 もうないかもしれない日本の景色。 もう僕には乗ることも出来ない路線。 夢中で旅した、読書体験。名著。
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『取材ノート』を先に読み本書に入る。答え付きの参考書を見た後に教科書を読んだ、そんな感じ。「鉄子の旅」を同時進行で読んでいると、宮脇氏の文章の何と洗練されたものかと思う。文庫本解説から更に時代を経てローカル線は次々に廃止され、もう本書の旅は不可能だ。と言うか、現在の時刻表で一筆書...
『取材ノート』を先に読み本書に入る。答え付きの参考書を見た後に教科書を読んだ、そんな感じ。「鉄子の旅」を同時進行で読んでいると、宮脇氏の文章の何と洗練されたものかと思う。文庫本解説から更に時代を経てローカル線は次々に廃止され、もう本書の旅は不可能だ。と言うか、現在の時刻表で一筆書きをしてみようと路線を辿るも、関東までで何だか虚しくなってしまった(@o@)
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片道切符では同じ駅を二度通れない、いわゆる一筆書き。北海道から九州までの最長片道切符を持って列車の旅が始まる。 昭和53年9月30日、渋谷駅で65000円の片道切符を購入する。北海道・広尾から鹿児島・枕崎まで紆余曲折ルートで13319.4キロ、34日間の列車旅。 宮脇さんのとても読みやすく親しみやすい文章がいい。説明的でもなければ、過度に情緒的でもない。お仕着せがましいこともない。私はテツではないが、公共交通>>>自家用車、であって鉄道好きではある。 宮脇さんのように、自分に正直になって、自分の思うことに自分の時間を費やせる人生はきっと豊かなのだろうと思いつつ。自分ももっと正直にならなくてはと思う次第でありました。
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1983年(底本79年)刊。78年9月から始めた国鉄(当時)一筆書き切符の旅行記。鉄ちゃん垂涎の旅(今となってはここまでの旅行は不可のはず。特に北海道)だが、流石に真似はできないなぁと。近畿圏以外は個人的記憶の埒外。とはいえ、紀勢本線「くろしお」電車化の一方、和歌山から橋本、高田、奈良経由の急行「しらはま」の残存は意外。案外覚えていないと感じる上、数多存在した急行群の最後の煌輝を物語る。また、彼方此方に挟まれる土地毎の風物、景色、駅弁、乗客の空気感、鉄路の淵源・軌跡が醸し出されるのは、実に著者らしい。
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