クレィドゥ・ザ・スカイ の商品レビュー
【怖いかい。信じる事は?裏切る事は?だけどそれも全部君の罪だから。ちゃんと遂行するべきだ。】 成長とは、育てる側の衰退でも有る。そのことに気が付いたとき、人は前にも後ろにも動けなくなる。それがスカイクロラ現象だ。もちろん嘘である。でもさ、よく考えてごらんよ。僕らだって心は何にも...
【怖いかい。信じる事は?裏切る事は?だけどそれも全部君の罪だから。ちゃんと遂行するべきだ。】 成長とは、育てる側の衰退でも有る。そのことに気が付いたとき、人は前にも後ろにも動けなくなる。それがスカイクロラ現象だ。もちろん嘘である。でもさ、よく考えてごらんよ。僕らだって心は何にも変わってない。見てくれなんてそもそもが両親からの借り物なんだから。僕はぞっとするね。それでも、やっぱり、人だから仕方のないことだと君達は言うのだろうけど。
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「スカイ・クロラ」シリーズの一冊。物語内の時系列では、第4巻に当たります。過去と現在、夢と現実が交錯して、シリーズ全体が迷宮のような構成に仕立てられています。 栗太仁朗の記憶の断片を持つと思しき元パイロットの少年は、病院から抜け出して、フーコや相良亜緒衣を頼って組織の追跡をかわ...
「スカイ・クロラ」シリーズの一冊。物語内の時系列では、第4巻に当たります。過去と現在、夢と現実が交錯して、シリーズ全体が迷宮のような構成に仕立てられています。 栗太仁朗の記憶の断片を持つと思しき元パイロットの少年は、病院から抜け出して、フーコや相良亜緒衣を頼って組織の追跡をかわそうとします。そんな彼を、なぜか草薙水素の影が追いかけてきます。 亜緒衣は、過去を持たないキルドレの少年が、やがて記憶を取り戻すはずだという確信を抱いていました。なぜなら彼女は、ひそかに少年に対して、キルドレから普通の人間に戻るための薬の実験をおこなっていたからです。そんな彼女の思いをよそに、少年はただ飛びたいという願いだけを心に抱き続けます。 そして、そんな彼の生き方は、キルドレを利用する社会を批判するYA新聞の杣中だけでなく、戦いに生きるほかないキルドレに同情的な亜緒衣にも、けっして理解できないものでした。ただ草薙だけが、かつての自分自身の心を受け継いだ少年を理解しており、理解しているがゆえに、もはや自分自身でなくなった彼に死を与えることと、かつての自分自身である彼によって現在の彼女に死を与えることの狭間で揺れ動いていました。 やがて少年は、組織から逃げるために散華に乗り、パイロットとしての腕前が以前と変わらないことを証明して、ふたたびパイロットに戻ることになります。そんな彼の生き方は、すでに亜緒衣から遠く離れてしまっており、亜緒衣は彼の選択を見届けて、みずから死への道につきます。 『スカイ・クロラ』を読んだときには、物語の静謐な雰囲気に惹かれましたが、この巻で物語の全体像が示されたことで、改めてこのシリーズが好きになりました。途中、成長することを拒否するキルドレの生き方と、地上に暮らす大人たちの生き方を対比させるピーター・パン賛美の物語になってしまうのではないかと懸念したこともありましたが、キルドレであることをやめた草薙の視点を組み込むことで、そうした安直な図式に回収されることなく、空に生きるキルドレの生き方のピンと張り詰めたような美しさを保つことに成功しているように思います。
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精神的にあっちにイッている人の状況を読み解くのは難しいー。元々性別をわざと隠した書き方をしてきたシリーズだけれど、飛行機乗りなんて最も性別関係ないのがよくわかったかもw。
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僕が誰なのか。いろいろな視点で読むことができた。 謎が解けないまま終わってしまったが、時系列でスカイ・クロラを読むことで理解できるのだろうか。
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クリタの記憶を失いカンナミとしての「僕」?。クサナギの一人称も僕で本当にややこしい。クサナギは病院で過去に一度カンナミと会っているはずなのに2人ともそれを忘れてるような会話があるのは、キルドレは過去の記憶が曖昧だから…?謎が増える。。サガラに何をされたかもはっきり分からない。
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ひさびさに読み直したらわけわかんね(^◇^)クサナギなの?え? もっかいスカイ・クロラよみなおす(・ω・)
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どこまでもはてしなく、 リズムとともに続くブルー。 見ろ、これが僕たちの場所。 どこまでも細く、 蛇のようにうねるスモーク。 そう、あれが僕たちの墓。 太陽に彩られたエッジ、 切り込ん...
どこまでもはてしなく、 リズムとともに続くブルー。 見ろ、これが僕たちの場所。 どこまでも細く、 蛇のようにうねるスモーク。 そう、あれが僕たちの墓。 太陽に彩られたエッジ、 切り込んでいくウィング。 落ち着かない空気がジルバを踊る。 光り、震え、揺れ、鳴り、叫ぶ。 すべてが纏いつき、 すべてが剥がれていき。 美しさも醜さも、 眩しさに色を失い、 区別できない、なにものも。 それでも、 目を閉じるな。 真っ白な光の中に、 お前が撃ち込むものがいる。 必ずいる。 いつでもいる。 どこかにいる。 目を閉じるな。 眠ってはいけない。 今までに見たことがない美しい 翼がきっと一瞬だけ現れる。 これまでに思ったこともない美しい ループを描くだろう。 その一番美しいものこそ、 お前の敵だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スカイ・クロラシリーズの最終巻。 時系列では1巻のスカイ・クロラの直前と思われる。 シリーズ構成ではスカイ・クロラが時系列の最後にあたり、 2巻以降はクサナギスイトの過去から主人公を変えながらスカイ・クロラへ進んでいく。 読み終わったとき「やられた」と思った。 クレィドゥ・ザ・スカイを読む前と読んだ後では1巻のスカイ・クロラの解釈が変わる可能性がある。 この巻の主人公は記憶がない。(一時的に忘れているか、消されたか。) 前巻のまま読み進めれば主人公はクリタジンロウ。 フーコもクリタと認識している様子。 しかし、サガラの「あなたはキルドレに戻った」というセリフで 、「僕」はクサナギスイトである可能性が浮上。 そしてソマナカは「僕」をクサナギスイトに似ているとしながら、 「僕」をカンナミと呼んだ。 では、スカイ・クロラのクサナギスイトは誰なのか? カンナミがクサナギスイトなのか? もう一度、スカイ・クロラを読み直そう。 2度楽しめるとは思わなかった。 楽しみだ。
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だめだ…混乱してる。 もう一度、スカイ・クロラを読み直さなくては、このシリーズを読み終えた感覚がまだ…ない。 レビューはおあずけ。
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散々やりたいと思いつつ出来ずにいた事を、ここぞというときに、やっとの思いで出来た気持ちよさってのは、やっぱりあるんかなーって。子どもと大人の境界が、この世界では生と死の葛藤として描かれているのかなぁなど。
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