1,800円以上の注文で送料無料

赤めだか の商品レビュー

4.3

216件のお客様レビュー

  1. 5つ

    89

  2. 4つ

    80

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/11/03

今更ながらドラマ「タイガー&ドラゴン」を見て、落語の世界をもう少し覗いてみたくなりこの本に行き着いた。 俳優としても活躍している立川談春の入門~真打昇進までが主なストーリーではあるが、話のメインは"イエモト"こと立川談志である。 側で見続けていたからこ...

今更ながらドラマ「タイガー&ドラゴン」を見て、落語の世界をもう少し覗いてみたくなりこの本に行き着いた。 俳優としても活躍している立川談春の入門~真打昇進までが主なストーリーではあるが、話のメインは"イエモト"こと立川談志である。 側で見続けていたからこそわかる立川談志の姿、人物像が丁寧に描かれており、なかなかに読み応えがあるものだった。また、落語という世界、特に前座、下積み時代の壮絶さを想像を絶するもので、かなり興味深く読ませてもらった。先日歌舞伎を題材にして小説「国宝」を読んでも感じたことだが、落語や歌舞伎などの歴史ある芸事の世界は本当に独特だと思う。一般的な常識に照らし合わせればほとんどが非常識になるのではないだろうか。 落語好きな人にはもちろんのこと、落語を知らない方にでもおもしろく読める本だと思う。そしてこれを読むと落語を聞きたくなること間違いなし。また一つ新しい世界を知ることができたことに感謝。

Posted byブクログ

2023/09/26

素晴らしい。 談志との師弟関係、その悲喜交々なエピソード、洒脱な筆致… よく考えてみれば口述で観客を惹き付け、笑わせ、泣かせるのがプロの落語家。 そのプロの落語家がじっくり推敲して筆で笑わせ、泣かせるのだから面白くない訳がない。 優れた「噺家」が声を文字に変えたと考えれば納得。 ...

素晴らしい。 談志との師弟関係、その悲喜交々なエピソード、洒脱な筆致… よく考えてみれば口述で観客を惹き付け、笑わせ、泣かせるのがプロの落語家。 そのプロの落語家がじっくり推敲して筆で笑わせ、泣かせるのだから面白くない訳がない。 優れた「噺家」が声を文字に変えたと考えれば納得。 上手いもんだね!

Posted byブクログ

2022/12/14

17歳で天才落語家・立川談志に入門。 両親の反対により新聞配達をしながら、「上の者が白いと云えば黒いもんでも白い」世界での落語家前座修業が始まる。 三日遅れの弟弟子は半年で廃業。なぜか築地市場で修業を命じられ、一門の新年会では兄弟子たちがトランプ博打を開帳し、談志のお供でハワイに...

17歳で天才落語家・立川談志に入門。 両親の反対により新聞配達をしながら、「上の者が白いと云えば黒いもんでも白い」世界での落語家前座修業が始まる。 三日遅れの弟弟子は半年で廃業。なぜか築地市場で修業を命じられ、一門の新年会では兄弟子たちがトランプ博打を開帳し、談志のお供でハワイに行けばオネーサンに追いかけられる……。様々なドタバタ、試練を乗り越え、談春は仲間とともに二ツ目昇進を目指す! テレビドラマ『下町ロケット』(TBS系)などで俳優としても活躍、「今、最もチケットの取れない落語家」の異名を持つ立川談春のオリジンがここに! 立川流の修行は、談志師匠に大量の用事を言いつけられるところから始まる。 立川談志師匠の落語の稽古は、「浮世根問」という初心者向けの噺で落語のリズムとメロディーを叩き込むところから始まる。 談志師匠の稽古は丁寧で、お辞儀の仕方や扇子や目線の置き方や声の張り方まできっちり教えてくれる。チェックするところはちゃんと指摘するが、褒め上手だし相手の進歩に合わせて教える。 談志師匠に礼儀作法や気遣いなど修行するために築地市場で桂文字助師匠から手ほどきを受ける時の数々のエピソード(仕事を通じてコミュニケーションや気遣いが自然に出来るようになった。 「スパイシー事件」は大爆笑エピソード)、談春と弟弟子・志らくのライバル関係(覚えるスピードが早い志らくに追い付くために友人になり切磋琢磨するエピソードの数々)、談志師匠と弟子の馴れ合わない壮絶な関係(談志師匠を批判した真打ちと談志師匠の芸人のプライドを懸けた喧嘩のエピソードなど)、前座時代の空腹と戦った爆笑エピソード(談志師匠が寝た後に家の隣のスーパーで一日分の食事を食べているところを見つかり怒られるエピソードや立川流一の大食い談之進のエピソードなど)、落語家としてスタートを切れる二ツ目になるためのハラハラドキドキの試験、談春が真打ちになる時の事情、談志師匠の名言の数々「落語とは業の肯定」「嫉妬とは、己が努力行動をせず相手の弱味を口であげつらって自分のレベルまで下げる行為」「現実は事実だ。現状を理解分析しろ。そして原因を見つけ処理しろ」、落語という芸人の世界で立川談志という天才に憧れた弟子たちの一流の芸人を目指す苦闘奮闘を描いた傑作青春物語。

Posted byブクログ

2022/11/02

「落語はなんにもうまくいかなかった人間の話、人間の業がここにある」と書かれていて俄然興味が湧きました。談志師匠の優しさや落語に対する愛や情熱も伝わってきます。打ち込めるものがあるって羨ましい。

Posted byブクログ

2022/05/07

プロの落語家って、普通の感覚の人ではできないのかも知れない…。とこれを読んで、そう信じ込んでしまうほど、本人も含め、登場する人たちが個性豊か過ぎ! 立川談志は、生存していたころは、ただただ破天荒な落語家…というイメージを持っていましたが、これを読んで、私が思っていた談志の人物像が...

プロの落語家って、普通の感覚の人ではできないのかも知れない…。とこれを読んで、そう信じ込んでしまうほど、本人も含め、登場する人たちが個性豊か過ぎ! 立川談志は、生存していたころは、ただただ破天荒な落語家…というイメージを持っていましたが、これを読んで、私が思っていた談志の人物像が変わりました。真剣に落語のことを考えていたんですね。憎めない人柄。 でも、ここに弟子入りした人たちは大変だったんですね。 それにしても、面白エピソードが満載で、本当に笑いながら一気に読み進んでしまいました。 師弟愛もすごい!半端ではない師弟愛を感じました。 うん、面白い!落語聞いてみたくなりました! この本も皆さんにお勧めしたい!

Posted byブクログ

2021/09/14

談春師匠は私と同学年。私がお気楽な高校生活を満喫していたのと同じ時期に、談志師匠のもとに弟子入りして厳しい修行に耐えていた、というわけだから驚くほかない。厳しいながらも愛情を持って真摯に弟子に接する談志師匠と、師匠に強烈に憧れている弟子たち。その師弟の強い結びつき、あり方には嫉妬...

談春師匠は私と同学年。私がお気楽な高校生活を満喫していたのと同じ時期に、談志師匠のもとに弟子入りして厳しい修行に耐えていた、というわけだから驚くほかない。厳しいながらも愛情を持って真摯に弟子に接する談志師匠と、師匠に強烈に憧れている弟子たち。その師弟の強い結びつき、あり方には嫉妬すら感じてしまう。人材育成に関わるすべての人に読んで欲しい一冊。

Posted byブクログ

2021/08/15

浅草キッドを思い出しながら読み進めたが最後に涙腺崩壊。厳しくも愛情あふれる修行の描写の数々。教育ってこうありたい。

Posted byブクログ

2021/07/17

弟子の談春から見た師匠の談志が書かれていて立川流を立ち上げてからの苦労や、談志師匠の一見がさつで厳しそうなイメージが180度変わりました。映画化されているので観てみたくなりました。

Posted byブクログ

2021/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ドラマ「下町ロケット」で殿村経理部長役をやっていた立川談春さんが、立川談志の弟子になってから真打に昇進するまでを記したエッセイ。 これぞ江戸っ子といった感じの立川談春さんは好き嫌いが分かれるタイプだと思いますが、こういう人、結構好きです☆ 「師匠なんてものは、誉めてやるぐらいしか弟子にしてやれることはないのかもしれん」「相手の進歩に合わせながら教える」「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱味を口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と云うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいれば更に自分は安定する」「現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったかという原因があるんだ。」などなど、とっても心に残る、談志さんのフレーズも出てきますが、それを言われた時はすんなり受け入れられなかったが、自分が弟子を持つ時になってようやく腑に落ちたみたいな記述がよりリアリティあって良かった!

Posted byブクログ

2020/12/23

立川談志の弟子、立川談春が反省を綴ったエッセイ集。 落語は門外漢ですが、落語家の世界が垣間見れて面白かった。落語家らしく読みやすくて、オチがあったり笑わせたり泣かせたりと、文章も上手いです。 ある落語家の自伝として、落語を知らない人でも楽しめる本でした。

Posted byブクログ