水の城 新装版 の商品レビュー
『のぼうの城』で興味をもった甲斐姫についての小説が読みたくて借りてきたのですが、あまり甲斐姫メインではなく、ちょっとがっかり。 お話は『のぼうの城』と同じく、忍城の攻防戦についてです。 わかっていて借りたのですけど、流れは全く同じでした。 が、当然ですが同じ題材でも印象は違いま...
『のぼうの城』で興味をもった甲斐姫についての小説が読みたくて借りてきたのですが、あまり甲斐姫メインではなく、ちょっとがっかり。 お話は『のぼうの城』と同じく、忍城の攻防戦についてです。 わかっていて借りたのですけど、流れは全く同じでした。 が、当然ですが同じ題材でも印象は違います。 ついつい比べてしまうのですけど、こちらのほうがおっさん臭いです。 スピード感は『のぼう』のほうがありますが、こちらのほうは地に足がついた感じで、がっつり歴史小説です。 忍城についての描写が詳細で、なぜ「水の城」なのかがイメージしやすかったです。 そのためどうして三成の軍勢が攻めあぐねたのかがよくわかりました。 長親も「のぼうさま」ではなくふつうのおじさんといった感じで、そのため甲斐姫の奇矯さがより際立つように描かれていました。 それにしてもこういった前例があるのに『のぼう』を書こうとした和田さんは、よっぽど忍城戦に惹かれたのでしょうか。 約一月半の戦。 どちらの作品もその魅力に溢れていました。 その後の甲斐姫について読んでみたいですねぇ。 かなり波乱万丈だったようですので。とても気になります。
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石田三成の「戦下手」云々で有名な忍城ということで読んでみた。この作者さんの人物の描き方がすごく良い。甲斐姫ちゃんかわいいよ甲斐姫ちゃん 一気に読めて面白かった! ううむと唸ったのが 石田隊=理路整然とした戦い方 汗かかない 大谷隊=理性的な戦い方 が石田隊にない死に物狂いさがあ...
石田三成の「戦下手」云々で有名な忍城ということで読んでみた。この作者さんの人物の描き方がすごく良い。甲斐姫ちゃんかわいいよ甲斐姫ちゃん 一気に読めて面白かった! ううむと唸ったのが 石田隊=理路整然とした戦い方 汗かかない 大谷隊=理性的な戦い方 が石田隊にない死に物狂いさがある 後のことを考えると確かに言いえて妙。
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読みやすい文章と程好いボリュームで、とても楽しく読む事が出来ました。 『のぼう』とはまた一味違った小田原攻めの際の忍城を描いた作品で、攻め方・城方問わずどの登場人物もとても魅力的でした。 1人1人に文字にはなっていないけれどしっかりとストーリーがある事を想像出来る描かれ方だった...
読みやすい文章と程好いボリュームで、とても楽しく読む事が出来ました。 『のぼう』とはまた一味違った小田原攻めの際の忍城を描いた作品で、攻め方・城方問わずどの登場人物もとても魅力的でした。 1人1人に文字にはなっていないけれどしっかりとストーリーがある事を想像出来る描かれ方だったので、読みやすいのですぐに読み終わってしまうものの、とても長い作品を読んだような読了感がありました。 大満足な作品でした!
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『のぼうの城』を読んでこっちのほうも気になって読んで見た。 私は武士達の活躍がかっこよく描かれている『のぼうの城』のほうがすき。 でもどちらも成田長親の人柄の暖かさがつたわってきた。
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「幻の城」がとても面白かったので、そのうち読もうと思ってた作品。 こちらも良かった~。 もっと戦国もの書いて欲しい作家さんです。
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1590年、武州忍城の攻防記。 だが、なんといってもこの話が江戸の人々に人気があったのは、小が大に立ち向かうという、つまりは判官贔屓を刺激したからにちがいない。 人は、実人生ではいそいそと多勢側に就くわりには、ある種、贖罪のような気持ちからか、無勢で多勢に立ち向かうという話を好...
1590年、武州忍城の攻防記。 だが、なんといってもこの話が江戸の人々に人気があったのは、小が大に立ち向かうという、つまりは判官贔屓を刺激したからにちがいない。 人は、実人生ではいそいそと多勢側に就くわりには、ある種、贖罪のような気持ちからか、無勢で多勢に立ち向かうという話を好むのである。 (本文、序章より抜粋)
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ちょっとコメディー入った歴史小説。 水攻めされたけど、のんびり忍城を守る成田長親と、 作戦がことごとく失敗して、ドンドン追いつめられる石田三成と、 いきなり敵陣に突っ込んでいって、敵味方をドン引きさせる 忍城の姫君、甲斐姫など人物像の愉快な作品です。
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秀吉の小田原攻めの中で唯一落ちなかった城で有名な武蔵忍城を舞台にした話です。この戦いからついた通称浮城、先日行ってきまして思い入れもある城です。主人公は城主成田氏政の従兄弟である長親ですが、その彼がまた独特なのですよ。一言で言うならば捉えどころのない茫洋とした人柄。武勇に優れる訳...
秀吉の小田原攻めの中で唯一落ちなかった城で有名な武蔵忍城を舞台にした話です。この戦いからついた通称浮城、先日行ってきまして思い入れもある城です。主人公は城主成田氏政の従兄弟である長親ですが、その彼がまた独特なのですよ。一言で言うならば捉えどころのない茫洋とした人柄。武勇に優れる訳ではないのになぜだか人望を集める不思議な魅力。私この手に弱いのでホント楽しめました。しかも男勝りの甲斐姫や城主夫人のお菊様がアレなんでその対比がね(笑)。ただ腕っ節が強いだけじゃ面白くないと思ったらコレはかなりオススメ出来ます。ちなみに攻め手の三成(戦下手と呼ばれるのもこれが原因だと思われますが)、空回りっぷりや開き直りっぷりが可愛らしいので、さきっちゃん好きでも楽しめるんじゃないかと思います。是非に。
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小田原北条討伐にて、小田原城開城後も落城しなかった支城の攻防戦。 歴史ものとしてさらっと読める文章。 「やるだけやって、あとは野となれ」急遽城代に指名された成田長親の言葉。 あまりにも脱力系ながら、見事篭城戦を戦い抜く。 全てを見透かしているかのような城主の妻お菊さま。 じゃ...
小田原北条討伐にて、小田原城開城後も落城しなかった支城の攻防戦。 歴史ものとしてさらっと読める文章。 「やるだけやって、あとは野となれ」急遽城代に指名された成田長親の言葉。 あまりにも脱力系ながら、見事篭城戦を戦い抜く。 全てを見透かしているかのような城主の妻お菊さま。 じゃじゃ馬そのものの甲斐姫。 商人、百姓etc.etc.と登場順物は多彩ながら、もう少しキャラクターの描写が厚ければなぁ、とも思う。 全体的にあっさり目な感じでしょうか。 最後の3行が日常生活にも当てはまりそうでツボった。
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幼いころ、車中から眺めた御三階櫓。長い間名前しか知らなかった城の事が書かれた本だ、と思い手に取って以来、何度読んでも面白い。 主人公の様な存在感を持って描かれる城と、その中の人物・それを囲う人物のリアルさで、一気に読んでしまう。 あの状況にあってやや気の抜けた感の否めない城代が...
幼いころ、車中から眺めた御三階櫓。長い間名前しか知らなかった城の事が書かれた本だ、と思い手に取って以来、何度読んでも面白い。 主人公の様な存在感を持って描かれる城と、その中の人物・それを囲う人物のリアルさで、一気に読んでしまう。 あの状況にあってやや気の抜けた感の否めない城代が、(抜けた感は保ちつつも)頼もしい姿に感じられる様になっていく様や、城方の百姓の意識がだんだんと変わっていく姿、最初から全て見透かしていたかの様な城主の妻といささか勇まし過ぎる美しい姫。そんな描写を追っていくと、城方とは対照的な寄手方のゴタゴタした人間関係も相まって「この城、落ちないわ」と思えてくるから不思議。 そしてラストの三成の懐述が、戦国時代全体の・あるいは現代社会にも通じる事の様に思えて、ことある毎に蘇ってくる。 ドキドキワクワクと子供の様に読み進めて、あたたかい読了感と教訓の様な視点が得られる本です。
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