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失敗の本質 の商品レビュー

4.2

28件のお客様レビュー

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2023/08/01

大東亜戦争の諸作戦を分析し、日本軍の組織としての失敗を教訓として、現代の組織にどう活かせるかを考察している図書。なぜ無謀な戦争に突入したのか、敗北したのかは分析の対象外となっている。 日本軍の組織としての失敗は、目的の不明確、今後のビジョンが長期的でない、場の空気を重視して議論し...

大東亜戦争の諸作戦を分析し、日本軍の組織としての失敗を教訓として、現代の組織にどう活かせるかを考察している図書。なぜ無謀な戦争に突入したのか、敗北したのかは分析の対象外となっている。 日本軍の組織としての失敗は、目的の不明確、今後のビジョンが長期的でない、場の空気を重視して議論しない、攻撃すべしという積極論は評価され、多数の被害が出ても責任は追及しないような、結果よりも動機・プロセスを重視する、などがあげられており、興味深かった。組織の学習については、日本軍は特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎており、違った環境、状況に対応するための自己変革能力がなかった、というのがあった。うまくいった知識を捨てるのは、なかなか困難だけど、重要な指摘と思う。

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2022/08/24

名著だというので読んでみましたが、めちゃくちゃよかったです。 まず大東亜戦争の失敗エピソードが興味深く、日本軍の組織構造がそのまま現代の企業や政治組織のまんまだということに、ゾクゾクとした恐怖や危機感を味わいながら読みました。今もし仮に戦争になったら、また多くの犠牲者が出るよう...

名著だというので読んでみましたが、めちゃくちゃよかったです。 まず大東亜戦争の失敗エピソードが興味深く、日本軍の組織構造がそのまま現代の企業や政治組織のまんまだということに、ゾクゾクとした恐怖や危機感を味わいながら読みました。今もし仮に戦争になったら、また多くの犠牲者が出るような失敗をまさに今現代の組織でも行われていると思うと。。。 アメリカ軍の合理的行動と対比させていたのもとてもわかりやすかったです。 失敗エピソードを自身の組織に当てはめて考えてみるのがおすすめです。現場と本部での作戦の目的が共有されていないなど、あるあるですね。 また、私自身も日本独特の「プロセス重視」「人情論」「人間関係融和」「空気感」に溶けこんでいることに危機感を持つことができ、とても為になりました。何回も読んで、日本軍の失敗を頭に叩き込みたいです。

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2022/06/06

太平洋戦争での失敗とされる6つの作戦について、前半でその経緯、後半で論理的な分解と分析が記されている。 ガダルカナル島やインパールで多数の犠牲者が出たということはなんとなく聞いたことがある程度の知識で読み始めたが、書き手の思想を排除して、ひたすら淡々と当時の事実が述べられている...

太平洋戦争での失敗とされる6つの作戦について、前半でその経緯、後半で論理的な分解と分析が記されている。 ガダルカナル島やインパールで多数の犠牲者が出たということはなんとなく聞いたことがある程度の知識で読み始めたが、書き手の思想を排除して、ひたすら淡々と当時の事実が述べられている前半が特に面白かった。戦後すぐの文献が使われてたりして言葉が難しかったり、史実が気になったりする度にググって確認しながら夢中で読んだ。 前半部を読むだけでも、日本軍という組織の良くないところが分かるんだけど、後半の分析部を読んで前半で自分なりに感じた感想の答え合わせをし、さらに理解が深まるという感じ。 負けると分かっている重大な局面でも現場を立てて曖昧な表現をして作戦中止命令が出来ない日本軍。そして何度も同じ過ちを繰り返す。 こんなしょうもない事で多くの命が犠牲になったのか…と虚しくなることが多数。 「兵站」という言葉と概念を初めて知る。これを軽視している企業、沢山あるよね。 38年前に発行された本作、組織論として(実体験と照らし合わせても)色褪せないと感じたのは、現代もまだ悪しき慣習が残っているってことなんだろうな。 しっかり読み込んでしまった。面白い。

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2021/04/15

先の戦争でどうして負けたか。何が原因なのかを追究した本。 ノモンハン事件(事件にしていることからして問題)から日本組織の弱点が露呈している。日本人の兵卒が超人的な忍耐力で極限まで戦っていたのに上官が糞では仕方あるまい。 個人的には以下の3つが失敗の本質だと思う。①都合が悪いと隠す...

先の戦争でどうして負けたか。何が原因なのかを追究した本。 ノモンハン事件(事件にしていることからして問題)から日本組織の弱点が露呈している。日本人の兵卒が超人的な忍耐力で極限まで戦っていたのに上官が糞では仕方あるまい。 個人的には以下の3つが失敗の本質だと思う。①都合が悪いと隠す②フワッとした指示で部下に押し付ける③失敗を分析しないでまたやらかす クソみたいな組織だと思ったら壊滅したわけだが日本軍に関わらず日本型組織にみられる特徴として記憶しなくてはならない。というかバブルでまた敗戦を味わうわけだが…。

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2019/09/11

ノモンハン事件から沖縄戦を通して組織論としての旧日本軍の敗北を分析した名著責任の曖昧さや人間関係・情緒中心主義、失敗を顧みない姿勢は今も改善されていないと感じた単なる歴史本ではなく組織マネジメントの内容であった

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2018/10/08

本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパ...

本書は歴史の専門家と組織論、社会学の専門家6名がそれぞれの英知を結集し、組織論の側面から数々の無謀とも思える勝算の低い作戦がどのようにして策定、意思決定され、そして実施されていったかを検証したものである。ケーススタディとして、ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル、インパール、沖縄戦 の6つの事例を抽出し、それぞれから導き出される共通性と、その背後にある組織としての普遍的な行動原理をあぶりだし、一般化を試みている。日本国民のみならず周辺各国にあれだけの多大な犠牲を強いた戦争からなにかを学び生かしていくことは、後世に生き、平和を教授しているる我々にとって責務であろう。 情緒的な人間関係が入り込んだ組織であったことにより軍事的合理性を最優先しない作戦立案、意思決定、人事評価、組織的学習の欠如などは、本書によって度々指摘されているものであるが、現代の実社会において日本企業の中でも未だに垣間見ることができる。 環境が変化するに応じて、自身を自立的に変革し適応させていくことが組織には最も求められているものである。本書が最初に発行されたのは1984年でありバブル経済崩壊の前であるが、既に書中において戦後の成長期を経て移行期にある経済環境とそれに適合できていない企業経営について指摘がなされている。20年以上経って今尚、本書が指摘し問題提起した点が繰り返されている。経済は低迷しグローバル化という大きな変革の波に適応できていない企業が大多数存在し、地方自治は中央の補助金頼みであり、年金問題をはじめとした中央官僚が無策である状況を考えると、日本はあれだけの過酷な敗戦体験を生かしていないのではないかとすら思える。すべての日本人は先人の過ちから学び、それを生かしていく責任を有している。そうしなければ、最前線でその意味も知ることもなく命を捧げていった戦死者が報われない。 事例として登場した、参謀本部、大本営、指揮官などの上層部の無能さに怒りが収まらないと同時に、これを反面教師とできない現代の指導者にもその矛先が向かわざるを得ない。

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2018/07/02

学術書だった。前半は敗戦した作戦の経緯紹介。 後半は本日の解説。 私には難しすぎた… と思ったら「超入門」がちゃんと発刊されているのね… そちらを読むことにしよう。

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2017/06/19

2015年8月再読 大艦巨砲主義に固執しすぎた帝国海軍と、銃剣突撃主義に固執しすぎた帝国陸軍。 彼らは、適応しすぎて特殊化してしまった。これは新しいことを学習しようとしない硬直性を招いてしまった。 結果として、環境変化への対応を鈍らし、自滅してしまった。 つまり、日本軍の失敗の本...

2015年8月再読 大艦巨砲主義に固執しすぎた帝国海軍と、銃剣突撃主義に固執しすぎた帝国陸軍。 彼らは、適応しすぎて特殊化してしまった。これは新しいことを学習しようとしない硬直性を招いてしまった。 結果として、環境変化への対応を鈍らし、自滅してしまった。 つまり、日本軍の失敗の本質は、適応しすぎたことによって自己革新能力を失ってしまったこと。 2011年5月読了 旧日本軍の第二次大戦(大東亜戦争)における6つの局面での敗戦を組織論で分析し、日本の現代大企業のガラパゴス病、現実逃避・妄想癖に通ずるルーツと対策のための回答が示された名著。 紹介される6つの戦局は「ノモンハン事件」「ミッドウェー作戦」「ガダルカナル作戦」「インパール作戦」「レイテ海戦」そして「沖縄戦」。 全280ページのうち、6割以上が1章として上記作戦個別の経過と敗戦の分析にあてられ、のこり3割強が6つの作戦に共通する失敗要因と米軍との対比(2章)、そして失敗の本質に迫りつつ、今日の日本企業への課題の示唆(3章)となっています。 とくにかく衝撃的なのは、多様な参考文献によって裏打ちされた旧日本軍の体たらく。東京の大本営と現地の駐在軍の意思疎通のちぐはぐなこと、大本営の戦略がまったく末端に反映されず、現場の隊員が独自の判断で後手後手の個別対応に明け暮れる、などなど。 我が国はもともと戦略が伝わっていないか、そもそも無い、あったとしてもあいまいであり、何をすれば作戦完了なのか、どこまでやれば終戦なのかという線引きもあいまいで、おまけに精神論を振りかざすことによって無駄な戦死者を連ねてきたというわけです。 そしてこれらの要因(失敗の本質)として挙げられている「日本軍は環境に適応しすぎて失敗した」という考察が非常に興味深い。 過去の成功体験に固執し、組織はその成功体験の再現に向けて死力を尽くす。しかし一方で時代や環境は変るし、相手も対策を練ってきます。そういった変化に気づかぬまま、あるいは軽視したことによって、数々の大敗戦を喫したという分析がなされています。 こういった硬直性や現実を直視しない体質は、日本の現代企業に当てはめてもそのまま筋が通りそうです。 そして、これらの対応策への示唆としては、現実を直視し、組織が継続的に環境に適応していく「自己革新組織」へと変化していかなければならないと述べられています。 まさしく"Change or Die”です。Changeは一度キリではいけないのです。絶えず、Changeしていかなくてはなりません。 古い本ですが、2011年現在でも、いや、現在だからこそ参考にしたい、本当に素晴らしい著書と思います。

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2017/02/27

戦史に興味を持てず前半はすっ飛ばし。後半の部分は、今の日本と変わりないなぁと言う印象。再読しないと、分からない。

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2017/01/11

大東亜戦史上の失敗例としてノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、沖縄の戦いを例に解説した本、多くの経営者の支持がある本。 私にとっては、何やら失敗の事例はシュチュエーションや感覚が違いすぎて、身にすることは難しかったが、改めて二次大戦がどのように進んだのかを知らなかっ...

大東亜戦史上の失敗例としてノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、レイテ、沖縄の戦いを例に解説した本、多くの経営者の支持がある本。 私にとっては、何やら失敗の事例はシュチュエーションや感覚が違いすぎて、身にすることは難しかったが、改めて二次大戦がどのように進んだのかを知らなかったなと自己認識できた本。私にとってはその見方で興味深い一冊。 【学】 ノモンハン 日本陸軍にとって初めての本格的な近代戦となり、かつ初めての大敗北 自軍の優秀さを数字的裏付けも無く、過信。敗北後も部隊長が非難され自決したので、経験が後に生かされない。 ・ミッドウェー海戦 本部は守備的戦争の方針だったが、連合艦隊司令長山本五十六はうってでる方針ミッドウェーに攻撃をかける。

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