とっても不幸な幸運 の商品レビュー
『しゃばけ』の作者が書く現代劇短編集。各編の主人公である新宿でバーを経営する男やその娘や店の常連客達が、「とっても不幸な幸運」という不思議な缶づめを開けるところから物語が始まる。その缶づめは”目を逸らしていたい現実”を強制的に発生させてしまうのだ。しかし主人公たちは困難を乗り越え...
『しゃばけ』の作者が書く現代劇短編集。各編の主人公である新宿でバーを経営する男やその娘や店の常連客達が、「とっても不幸な幸運」という不思議な缶づめを開けるところから物語が始まる。その缶づめは”目を逸らしていたい現実”を強制的に発生させてしまうのだ。しかし主人公たちは困難を乗り越え、飲み仲間たちの助けを借りて何とか解決し事態を収束させていく。ドラマ化されても良さそうな作品。おすすめ。しかし、登場人物はみんなバーテンダー、警察、ヤクザ、医者、マジシャンなど小説ネタに使いやすそうな代表的職業であり、著者は過剰に保険をかけているよなぁという印象である。
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新宿に『酒場』という名前の酒場があって 入り口のドアは内側からしか開かず いつも常連客だけが集まって騒いでいる不思議な場所に 店長の義理の娘ののり子が100均で買った 『とっても不幸な幸運』という缶を持ち込んでから始まる物語です。 ミステリーはミステリーでも 読者が真剣に謎と向き...
新宿に『酒場』という名前の酒場があって 入り口のドアは内側からしか開かず いつも常連客だけが集まって騒いでいる不思議な場所に 店長の義理の娘ののり子が100均で買った 『とっても不幸な幸運』という缶を持ち込んでから始まる物語です。 ミステリーはミステリーでも 読者が真剣に謎と向き合って解いていくような本格派ではなくて ファンタジーな設定のプチミステリーと表現するのが近いかも。 ★3つの評価なのは 推理がやや強引だったり 登場人物の心理描写や言動にちょっと無理があるように感じたからですが、 のり子がどうして喋らなくなったのか 健也はどうして過去のことを思い出せないのか 医者の飯田の「永遠の恋人」とは誰のことなのかなど 各章で持ちあがる小さな謎に店長と常連が面白半分に取り組んで ひっくり返した帽子の中に賭け金を入れては飲み代にするという 可愛げのあるほのぼのとした小説でした。
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『しゃばけ』作者の現代物は新宿のとある「酒場」の連作短編集。 癖のある店主に癖のある常連、一見さんお断りの酒場に持ち込まれる不思議な缶「とっても不幸な幸運」 缶を開けた人は何を見て、何を感じ、どう動くのか――。 分類上はミステリーだが、ミステリー要素は薄め。 推理を楽しむとい...
『しゃばけ』作者の現代物は新宿のとある「酒場」の連作短編集。 癖のある店主に癖のある常連、一見さんお断りの酒場に持ち込まれる不思議な缶「とっても不幸な幸運」 缶を開けた人は何を見て、何を感じ、どう動くのか――。 分類上はミステリーだが、ミステリー要素は薄め。 推理を楽しむというよりも「酒場」と常連客の作り出す雰囲気を楽しむお話という感じ。 終盤では缶が引き起こす謎から「酒場」そのものにテーマが変わってしまったのが少し残念だった。 綺麗に終わって読了後のすっきり感はあるが、最大の謎が残されてしまったので☆3
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小路幸也さんの『ブロードアレイミュージム』と『東京バンドワゴン』を足して割ったような雰囲気がありましたね。なんでだろ。楽しんですぐに読み終えてしまいました。
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安定の畠中さん。ミステリ短編連作風の構成も毎度お馴染みです。各エピソードごとの仕掛けにはそこまで感心しないのですが、メインキャラクターたちが生み出す雰囲気や居心地の良さ、少しコミカルな中に感じるほっとした温かみは、読んでいて安心します。出てくる食べ物がやたらと美味しそうなことも...
安定の畠中さん。ミステリ短編連作風の構成も毎度お馴染みです。各エピソードごとの仕掛けにはそこまで感心しないのですが、メインキャラクターたちが生み出す雰囲気や居心地の良さ、少しコミカルな中に感じるほっとした温かみは、読んでいて安心します。出てくる食べ物がやたらと美味しそうなことも、畠中さん作品共通ですね。最後の方は話の焦点が完全に「酒場」に向けられて、「とっても不幸な幸運」の缶の存在が宙ぶらりんになってしまったのが少し残念。
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タイトルそのまんまの「とっても不幸な幸運」と書かれた缶を開けると、開けた者は大きな不幸に見舞われる。しかし、その不幸を乗り越えた時、缶を開ける以前よりも変わった自分がそこにいることに気付く。新宿のとある「酒場」にて、様々な境遇の人がトラウマやトラブルを引き起こす缶によって物語を織...
タイトルそのまんまの「とっても不幸な幸運」と書かれた缶を開けると、開けた者は大きな不幸に見舞われる。しかし、その不幸を乗り越えた時、缶を開ける以前よりも変わった自分がそこにいることに気付く。新宿のとある「酒場」にて、様々な境遇の人がトラウマやトラブルを引き起こす缶によって物語を織り成していく。 物事は大変なことほど、それをやり切った後に達成感がうまれ充実感に包まれる。ギリリと棒を曲げれば曲げる程反動が大きくなる様に、訪れた不幸が大きければ大きいほど、それを乗り越えた先にある充実感、もとい幸運は大きく感じられるのではないのだろうか。知らずにいた方が気楽に過ごせる事はたくさんある。しかし、知ってしまった時はそれにどう折り合いをつけるかに苦心する。その過程の中に、人としての変化が見えてくる。
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新宿伊勢丹近くのビルの地下にある『酒場』という名前の酒場 北森作品の香菜里屋シリーズを連想させる設定だけど 客が問題を持ち込むところは同じなんだけど こちらは一見さんお断り。 その問題っていうのが「とっても不幸な幸運」と書かれた缶詰。 これを開けると、とんでもない事が起こる。 そ...
新宿伊勢丹近くのビルの地下にある『酒場』という名前の酒場 北森作品の香菜里屋シリーズを連想させる設定だけど 客が問題を持ち込むところは同じなんだけど こちらは一見さんお断り。 その問題っていうのが「とっても不幸な幸運」と書かれた缶詰。 これを開けると、とんでもない事が起こる。 それが本人にとって幸なのか不幸なのか・・・ とりあえず店主と曲者の常連客たちとで一緒に考えたり? 賭けの対象にしたりして問題を解決する。 設定は面白いと思うし嫌いではないんだけど キャラが立ってないような感じかなぁ
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畠中 恵さんの本は初めて読みましたが、登場人物に魅力がなく、文章も説明っぽくて最後まで読めませんでした。
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「とっても不幸な幸運」と書かれた缶が100円ショップにあったら… どうします? 見て見ぬふりはできそうにないけど… 手にとってみますか? それとも勇気を出して買ってみますか? 好奇心で、もしくは話のタネに~なんて軽い気持ちで買ったとして、その缶を開けてみようと思いますか? 常連...
「とっても不幸な幸運」と書かれた缶が100円ショップにあったら… どうします? 見て見ぬふりはできそうにないけど… 手にとってみますか? それとも勇気を出して買ってみますか? 好奇心で、もしくは話のタネに~なんて軽い気持ちで買ったとして、その缶を開けてみようと思いますか? 常連客が集う新宿にある『酒場』という名前の『酒場』 「とっても不幸な幸運」の缶を開けたことから始まるお話。 その缶を開けたことで起こった「不幸」を目の当たりにしても やっぱりみんなその缶を手に入れて、何かよからぬことが起こると思いながらも開けずにいられない… 知らずにいることはある意味、幸運なのかもしれない。 でも、知らないことから始まることは何もない。 知ってしまうことは一時的には不幸かもしれない。 でも、その不幸は幸運に変えていくことができる。 自らの意志で、そして仲間の力で。 畠中恵さんの本は初めて読みました。 畠中さんと言えば時代小説と思っていたのですが・・・ これはファンタジックミステリーでした。
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畠中さんの現代ものです。 酒場の店長洋介は、接客業をやっているとは思えない態度だけど、本当は子煩悩ですごく面倒見がいい。そんな彼を中心に、不思議な缶によって周りの常連客の過去が明らかになっていく。 けっこう読みごたえがある作品です。
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