九つの、物語 の商品レビュー

橋本紡【著】

2009/10/04

ある日突然現れた幽霊のお兄ちゃん。
ゆきなはお兄ちゃんが現れたことをさして不思議にも思わず、二人きりの生活を楽しむ。
淡々と毎日は過ぎ、いったいこの小説はなんなんだ？といぶかっていたら、残り３分の１でようやく物語が急展開した。
題名にある通り、九つの作品になぞらえて話は進む。
そのどれも読んでいないのが残念だった。
読んでいればまた違った感覚があったのかも。
でも、この本を読んでも感じたけど、同じ作品でも人によって捉え方はさまざまで、同じ人でもその人の精神状態によって読まれ方は様々だから、下地になる作品を読んでいなくても、もちろんいいんだと思う。

兄の死の真相を知ってしまったゆきなは精神状態を崩し、食事も喉を通らなくなってしまう。
兄の手作りの料理を兄の手から、まるで鳥の雛のように食べさせてもらうことでなんとか食事をとることができた時、切なくて泣いてしまった。
この物語はあくまで兄と妹が主役で、親は不在。
だから兄は兄であると同時に親の役割も果たしている。
それがなんだかたまらなかった。
そして、知らず知らず大きな愛で包まれていたゆきなは幸せだな、と感じた。

2009/10/07

大学生のオンナノコと、その兄の９つの物語。
『物語』は、９つの連作と、そのタイトルに使われる文学のタイトルでもありまして、そのあたりもとても見事でした。
特に事件とか、盛り上がるとかでもないのですが、和みます。そしてご飯がとても美味しそう。
この装丁も好きです。

2010/03/26

お兄ちゃんも香月くんも紺野くんもみんな素敵な人だ。出てくる料理が美味しそうで、思わず食べたくなりました。すごく心の温まるいい話で泣けてしまう。ゆきなが読んでる小説とリンクしている部分がおもしろいなあ、と。

2009/10/04

橋本さんの書かれるお話が好きで、前から気になっていたものをやっと読むことが出来ました。
最後の方ではわわっと泣いてしまって、やっぱり素敵なお話だなあと。

2010/05/30

文章で、文字だけで、ひとになにかを感じさせることができるってやっぱりすごいとおもう。
感じるものが感動だったり暖かさだったりしたらすごくいい。だから読書はやめられない。
そんなことをおもった一冊でした。

2009/10/04

2年前に死んだはずの兄が突然戻ってきたところから話が始まる。
なぜ兄は死んだのか。それが兄が戻ってきた最大の理由。
兄の想いに思わず涙。

2009/10/07

私にとって本を題材にしている物語は、いろんな本を読むきっかけ、もしくは道しるべとなってくれるので、とても大切にしていきたいものです。
そしてやっぱり日常話。ちょっと幽霊がいますけども。

2009/10/04

★…3.5くらい。お兄ちゃんのトマトスパゲッティ、とても美味しそう。そして、香月くんみたいな人が居たら私もきっと惚れる。この話の中に出てきたおかげで、今までちっとも食指の動かなかった古典にも、ちょっと興味が湧いた。本の中に出てきた作品を知ってたら、この物語の内容をもっと違う風に感じられたかなぁと思ったら、惜しい気持ちになったので。ほんとにちょっとだけだけど…

2009/10/04

作者の名前は知っていたのですが読んだことは無かった。泣いた。ハードカバーはきついけど買ってもいいかなって思ったりする。

2009/10/04

古典小説9作にそって、亡くなったお兄ちゃんと妹、そして妹の彼氏。家族。
少し切なくて、暖かい物語です。
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江国さん（流しの下の骨）や西さん（きいろいゾウ）が好きな方は好きかも。