ホテルカクタス の商品レビュー
懐かしい
優しい読後感が心地よい。「帽子」と「数字の2」と「きゅうり」、3人(?)の間で少しずつ重ねられていく時間。それがどこか懐かしく愛しいのは、自分の中に眠る「友達と過ごした時間」の記憶と重なるからかもしれない。
yama
まず主人公たちの設定が独特ですごく印象に残る。 所々にある表現も、絶妙に想像できる。 さすが江國香織さんの世界観。 やわらかく温かさがあるところがとても好き。 また読みたい。
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ある街の東のはずれに、ふるいくたびれたアパートがありました。灰色の石造りの建物。中に入るとひんやりとして、とても気持ちがいあのでした。 ホテル・カクタス、ホテルではなく、このアパートの名前でした。 中庭には、黒猫が一匹。 このアパートに、きゅうりが 引っ越して来たのです。 ...
ある街の東のはずれに、ふるいくたびれたアパートがありました。灰色の石造りの建物。中に入るとひんやりとして、とても気持ちがいあのでした。 ホテル・カクタス、ホテルではなく、このアパートの名前でした。 中庭には、黒猫が一匹。 このアパートに、きゅうりが 引っ越して来たのです。 これは、アパートの住人、帽子と、数字の2と、きゅうり という、三人の友の、些細な日常の お話しなのです。。 きゅうりの部屋にやって来て、それぞれにくつろいで過ごす3人。家族ではない。とくに事件も起きない。レコードをかけたり、詩人ごっこしたり、恋をしたこともあるけれど、ただ、お互いを知る日々を過ごしているような。でもそれは、ホテル・カクタス というアパートに流れる時間や、光、湿度がこの徒然感を産んでいるみたい。。 私は、ハードボイルドな帽子が好きですけど、父が14 母は7 という、数字の生い立ちにも惹かれるんですよねぇ。。
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「僕はきみたちに胸衿を開いている。[...]この物騒な世の中で、ほんとうに胸衿を開くことの出来る相手に、出会う確率がどのくらいあると思う?」(60ページ) 同じアパートに住む帽子、きゅうり、2。 性格や個性が全く異なることにも関わらず、 お互いの深い所に寄り添いあう友情を育んで...
「僕はきみたちに胸衿を開いている。[...]この物騒な世の中で、ほんとうに胸衿を開くことの出来る相手に、出会う確率がどのくらいあると思う?」(60ページ) 同じアパートに住む帽子、きゅうり、2。 性格や個性が全く異なることにも関わらず、 お互いの深い所に寄り添いあう友情を育んでいく。 遠い昔の、ある記憶。 そんな思い出のような物語り。
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たまたま図書館で目に付いたこの本を借りたみたんだけど、これを選んですごく良かった。読み出してすぐにきゅうりや帽子や数字の2と書かれていたのにはなんだなんだと思ったけど、多分このお話に高橋さんだとか山根さんだとか名前を言われてもしっくりこないと思う。三人の性格が具現化してそのまま現...
たまたま図書館で目に付いたこの本を借りたみたんだけど、これを選んですごく良かった。読み出してすぐにきゅうりや帽子や数字の2と書かれていたのにはなんだなんだと思ったけど、多分このお話に高橋さんだとか山根さんだとか名前を言われてもしっくりこないと思う。三人の性格が具現化してそのまま現れたようなこの設定がとても好きでした。 テーブルの上に昨日作ったブラウニーと冷たい牛乳を用意して、ソファに座ってこのお話を読みました。とても素敵な読書時間でした。
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アパートの3階には帽子が、2階にはきゅうりが、一階には数字の2が住んでいた。そのあらすじを聞いて、どうして読まずにいられようか、いやいられない!! 時の流れが、ゆっくりと漂っていくようなお話でした。
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2014年7月27日に行われた、第17回ビブリオバトルin生駒で発表された本です。テーマは「海・山」。
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もう、何度目かの再読。 まるで、懐かしい写真を眺めているような気分になった。 この、個性的な3人。 彼等は、まるで、学生の頃の友達のようだ。 ホテル・カクタス。 それはちゃんと存在している。と、私は感じる。 挿絵も素敵で、まるで大人の絵本だ。 また、きっと読み返すことになる...
もう、何度目かの再読。 まるで、懐かしい写真を眺めているような気分になった。 この、個性的な3人。 彼等は、まるで、学生の頃の友達のようだ。 ホテル・カクタス。 それはちゃんと存在している。と、私は感じる。 挿絵も素敵で、まるで大人の絵本だ。 また、きっと読み返すことになると思う。
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江國香織さんの『ホテルカクタス』を読了。読み始めてすぐ村上春樹?と思わずにいられない寓話風小説で、数字の2、キュウリ、帽子と呼ばれる三人がホテルカクタスという名のアパートで出会い、ある期間一緒に暮らす物語。まったく江國香織さんの小説らしくないなあとおもったのは、彼女の小説を読んだ...
江國香織さんの『ホテルカクタス』を読了。読み始めてすぐ村上春樹?と思わずにいられない寓話風小説で、数字の2、キュウリ、帽子と呼ばれる三人がホテルカクタスという名のアパートで出会い、ある期間一緒に暮らす物語。まったく江國香織さんの小説らしくないなあとおもったのは、彼女の小説を読んだ後に感じるやるせなさというのがこの小説の読後感にはなかったことだろうか。どういう意図をもってこの小説を書いたのか聞いてみたいなあ。
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