アンドロメダ病原体 の商品レビュー
すでにSFの古典とも…
すでにSFの古典ともいうべきマイクル・クライトンの名を一躍高めた出世作。映画化もされた。ファンならやはり一読を。
文庫OFF
ジュラシック・パーク…
ジュラシック・パークで有名なマイクル・クライトンが医学生時代に書いた作品とのこと。無人衛星と共にもたらされた地球外病原体。最高の頭脳と最新鋭のコンピュータによる特別プロジェクトが召集されたが・・・。
文庫OFF
アリゾナ州の小さな村で一瞬にして起こった謎の住民の大量死という冒頭からワクワクする。中盤以降は、地球外生命を研究するネバダ砂漠の地下にある秘密の研究所での、その「アンドロメダ菌体」と名付けられた謎の病原体の真相にせまる科学者チームの緊迫の5日間の話になるが、その研究過程のドキュン...
アリゾナ州の小さな村で一瞬にして起こった謎の住民の大量死という冒頭からワクワクする。中盤以降は、地球外生命を研究するネバダ砂漠の地下にある秘密の研究所での、その「アンドロメダ菌体」と名付けられた謎の病原体の真相にせまる科学者チームの緊迫の5日間の話になるが、その研究過程のドキュンメタリタッチの描写が渋い。いささか渋すぎて地味だが、著者が「ジュラシック・パーク」でもテーマにしていた、精緻に組み立てられた筈のシステムが、偶然や人為的なミスなど、ちょっとしたことから連鎖的に破綻していくサスペンスな展開があってまったく飽きない。本の感想ではないが、映画は本作の学術的なエッセンスを絞って、かつ見事な研究所のセットを作り出していて非常に出来がいい。自分で映画監督もやってしまう作者だけに、もともと映像化に映える場面を作り出すのが巧いのだろう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
地上に着陸した人工衛星を回収しにアリゾナ州ピードモントへ向かった兵士たちからの連絡が途絶えた。最後の音声記録によると、町の人びともみな死んでいるようだ。この知らせを受け、陸軍とNASAは国内最高峰の研究者たちによる〈ワイルドファイア計画〉を実行する。細菌学者のストーンをはじめとする4人の科学者たちは、地球外からやってきたと思われる菌株の正体を探るため秘密裡に建設された研究所に集まった。その研究所は微生物に汚染された際に備えて核自爆装置が設置されているのだが……。ノンフィクションの手法で書かれたエポックメイキングなSF。 "すでに起こってしまった事件"に関する機密文書という体裁で書かれ、この本自体がアメリカ政府によって隠蔽されているという冒頭の設定がまず楽しい。人工衛星の真の目的だったり、研究所に張り巡らされた偽装工作だったり、前半は陰謀論的なワクワクがある(笑)。 発表当時は「人間的興味が薄い」と批判されたりもしたらしいけど、私はあまりそう思わなかった。ワイルドファイアのメンバーは5人なのに1人は虫垂炎で来れなかったり、みんなが若手のホールをうっすらバカにしていたり、レヴィットが大変な事故につながりかねない発作を保身のために隠していたり、最高の頭脳を持つはずの人たちの欠陥が書かれているのは好もしいと思う。 とはいえ、通信記録や検査結果の図表などを挿入して科学ノンフィクションのように見せるという、ケレン味たっぷりな仕掛けが一番の見せどころだろう。巻末の参考文献にはストーンやマンチェックの論文まで記載されている。クドいほど細かく描写される検疫システムの"注文の多い料理店"感も笑えるが、当時NASAのおざなりな検疫隔離手順が批判されてもいたそうで、その見識をエンタメに全振りするのがすごい。 人類が一番最初にコンタクトする地球外生物は微生物になるという仮説を広げながら、実はまだまだ地球に未知の生物がいるというオチも好き。最後の最後はアクションが繰り広げられるのでSFとしてちょっと肩透かしではあったけど、エンタメのサービス精神特盛りの面白さを堪能させていただきました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館で。マイケルクライトンの初期の作品。 宇宙病原菌により一つの村の住民がほぼ死滅する。 生き残った老人と赤ん坊はなぜ生き残ったのか? 科学者たちによる地下での実験が進む。一方で、村の付近を飛行していた飛行機の原因不明の墜落。 果たして宇宙病原菌 アンドロメダ病原体とはなんなのか? 最初の方は結構ダラダラ進んで退屈だったけどクライマックスの方はドキドキで面白かった。
Posted by
『-変異体-』を読み始めたら??? そして気付いた。オバサンの記憶の中ではこれと『遊星からの物体X』がごっちゃになっていたのでした…
Posted by
続編「変異」を読む前の復習として。 50年前の当時、医学部に在学中だった26歳の新人作家が書いた傑作はまったく色褪せてない。
Posted by
ジュラシック・パークを書いたマイケル・クライトンの初期の作品 2月から読み始め、通勤電車の友だった。 徐々に新型コロナウィルスの感染が広がり始めたのと相まって、アンドロメダ病原体との攻防はスリリングで面白いと感じた。だけど2月末頃から予定されていたイベントがことごとく中止になり...
ジュラシック・パークを書いたマイケル・クライトンの初期の作品 2月から読み始め、通勤電車の友だった。 徐々に新型コロナウィルスの感染が広がり始めたのと相まって、アンドロメダ病原体との攻防はスリリングで面白いと感じた。だけど2月末頃から予定されていたイベントがことごとく中止になり、今や緊急事態宣言発令中。世の中が小説を超える最中、改めて読書再開。 科学者が空気感染する宇宙病原体の解明に取り組む様子がドキュメンタリータッチで描かれる。さすがに50年前に書かれた作品とあって、コンピュータに関する記述はレトロに感じる。電話回線しかなかった時代ですもの。それでも当時の科学技術を織り交ぜた内容は色褪せず今に通じていて、とても面白かった。 アンドロメダ病原体ほど致死率は高くないけど、コロナウィルスは突然変異して人体に影響がなくなることはない。きっと緩やかに共存していくのだと思う。
Posted by
「宇宙空間の微生物を回収し、新しい生物兵器を作り出す」ことを目的とした「スクープ計画」が、アメリカで密かに実行されていた。そして、宇宙空間から帰還した「スクープ計画」の人工衛星は、アリゾナ州の砂漠の中の田舎町に着陸する。関係機関の職員がすぐに回収する予定だったが、それより先に、田...
「宇宙空間の微生物を回収し、新しい生物兵器を作り出す」ことを目的とした「スクープ計画」が、アメリカで密かに実行されていた。そして、宇宙空間から帰還した「スクープ計画」の人工衛星は、アリゾナ州の砂漠の中の田舎町に着陸する。関係機関の職員がすぐに回収する予定だったが、それより先に、田舎町の住民に発見され、こじ開けられてしまう。そうして未知の微生物「アンドロメダ菌株」が田舎町の人々に感染し、ほとんどの住民を殺してしまう。生き残ったのは、胃潰瘍持ちの老人と、生後2か月の赤ん坊。 「スクープ計画」と同時に、持ち帰った微生物を扱う機関として「ワイルドファイア」も立ち上がる。そこは、地球外生物がもたらされた場合、その生物を調査・分析して地球上での伝播を防ぐことを目的としている。 なぜこの老人と赤ん坊は生き残ることができたのか? ワイルドファイアで、科学者たちがアンドロメダ菌株の正体をつきとめ、感染によるさらなる犠牲者を出さないための予防策を探る。 たった5日間の出来事についての作品なので、物足りなく感じるのか? 今まで読んだマイクル・クライトンの作品は、次々とトラブルが発生し乗り越えていき、スピード感が抜群なのだけれど、『アンドロメダ病原体』は、「あれ、もう終わっちゃった…」。 ただ、人工衛星をバンバン飛ばし、国際宇宙ステーションも建設し物・人の行き来も増え、寿命の尽きた人工衛星が軌道からそれて地球に落ちてくる現在、宇宙の未知の病原体・生物との接触がいつ起きてもおかしくないんだ…と実感させられる作品ではあった。
Posted by
wired・科学と創作・7位 mmsn01- 【要約】 ・ 【ノート】 (wired) 「宇宙からやってきた細菌」をめぐる恐怖をドキュメンタリータッチで描く。本作でデビューした後の巨匠はかつて『WIRED』ともゆかりの深い作家のひとりだった。 ◆ユーザーからのコメント ...
wired・科学と創作・7位 mmsn01- 【要約】 ・ 【ノート】 (wired) 「宇宙からやってきた細菌」をめぐる恐怖をドキュメンタリータッチで描く。本作でデビューした後の巨匠はかつて『WIRED』ともゆかりの深い作家のひとりだった。 ◆ユーザーからのコメント 書かれた年代。そして、もっともらしい嘘(なかの資料はほとんど創作ですよ)の作り方は、創造性の基本/ いちばん「サイエンス」っぽいのはこれじゃなかろうか/懐かしさのあまり1票。そういや『ER』もこの人だ/このなかからならこれかな。『月は無慈悲な夜の女王』がなぜ入っていないのか?
Posted by