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二十億光年の孤独 の商品レビュー

4.1

118件のお客様レビュー

  1. 5つ

    39

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/05/09

本を読みたいわけじゃないけど、なんとなく本を見たい時は、詩を読むことが多い。 英訳がついていて、それを読むのも楽しい。 その時々で、心に響くものが違うのが詩の醍醐味だと思う。

Posted byブクログ

2020/12/26

共感できる詩とそうでない詩と、感性や気分や自分の成長度合いによって変わってくるだろう。今の私にぴったりくる詩は少なかったけれど、また手に取って読み返したいと思った。二十億光年の孤独にくしゃみをする自分に微笑みかけたい。

Posted byブクログ

2022/12/29

谷川俊太郎さんは、1931年12月15日生まれなので、間もなく、89歳になります。 「二十億光年の孤独」は、1952年に発表されたものなので、谷川さんが若かりし頃に書かれた作品集になります。 私の現在の年齢が59歳であること、詩心とは無縁であること、などで、この作品を味わうこ...

谷川俊太郎さんは、1931年12月15日生まれなので、間もなく、89歳になります。 「二十億光年の孤独」は、1952年に発表されたものなので、谷川さんが若かりし頃に書かれた作品集になります。 私の現在の年齢が59歳であること、詩心とは無縁であること、などで、この作品を味わうことはできず。 ツマミ読み程度。

Posted byブクログ

2020/09/15

「二十億光年の孤独」は、1952年、谷川俊太郎、21歳の際のデビュー作である(初版は創元社刊)。 この集英社文庫版は、元々の詩集に谷川の自註、詩論、自伝風エッセイが付き、山田馨の解説が付される。少年だった谷川が詩を書きとめていた自筆ノートの画像も収録され、さらにはW.I.エリオッ...

「二十億光年の孤独」は、1952年、谷川俊太郎、21歳の際のデビュー作である(初版は創元社刊)。 この集英社文庫版は、元々の詩集に谷川の自註、詩論、自伝風エッセイが付き、山田馨の解説が付される。少年だった谷川が詩を書きとめていた自筆ノートの画像も収録され、さらにはW.I.エリオット/川村和夫による英訳版も収められるというなかなか盛りだくさんな1冊となっている。 冒頭に三好達治が序として詩を寄せる。谷川の父・哲学者の谷川徹三の友人でもあったわけだが、好意からというよりは(もちろんそれもあったのだろうけれども)、本当に鮮烈な驚きが一文に込められているように思われる。 詩は18歳から20歳のころに書き溜められていたもの。 「若さ」を感じさせる。透明で、孤独で、でもどこか快活で。 「個」として厳とそこにありながら、その手は遠く彼方へと差し延ばされる。 小さな「我」は、しゅんと背筋を伸ばして立つ。 三好は若き詩人を水仙花に譬えている、 清冽にまっすぐに、細くもしなやかに、彼はそこにあるのである。 1つ挙げるなら、やはり表題作だろうか。 万有引力とは ひき合う孤独の力である 宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う 宇宙はどんどん膨らんでゆく それ故みんなは不安である 二十億光年の孤独に 僕は思わずくしゃみをした 二十億光年とは、谷川の自註によれば、当時の谷川少年が宇宙の直径と認識していた距離である。 1950年、ビッグバン理論が捉えられており、宇宙は膨張していくとされていた。 その広大無辺な空間のただ中に、少年は一人立ち、くしゃみをしたりなどするわけである。 別の季節に触れる詩もあるのだが、全体から何となく思い浮かべるのは、清冽な冬の朝の空気である。静かで密やかですがすがしい。 詩論の中で、詩人はこう述べる。 バラについてのすべての言葉は、一輪の本当のバラの沈黙のためにあるのだ バラについて語る言葉はバラを超えることはない。詩人はそれを知りつつ、その渇きのゆえに詩を書く。 その覚悟に胸を突かれる。 *英訳の方では、「たちまち」とか「思わず」の場面でsuddenlyを使うのだなぁと思ったり、詩の中には朝鮮戦争の影があるものがある等、日本語版にはない解説もあり、なかなかおもしろかったです。「秘密とレントゲン氏」という作品ではレントゲン氏をMr. X-Rayと訳しているけど、これはちょっとレントゲン博士を重ねているんだと思うので、Mr. Roentgenのままの方がよかったんじゃないかと思ったり。まぁ、多分英語圏でレントゲンとは言わないからなんでしょうね。 ともあれ、全般にちょっと難しかった(^^;)。自分の実力的にやはり英詩を原語で楽しむレベルまで行っていないんだと思います。

Posted byブクログ

2019/11/30

書かずにはいられなかったのだろう。 好きで好きでしかたなかったり、だれかに評価されたかったわけではなく。 1輪の本当のバラは沈黙しているだがその沈黙は、バラについてのリルケのいかなる詩句にも増して、私を慰める。言葉とは本来そのような貧しさに住むものではないか。バラについてのすべ...

書かずにはいられなかったのだろう。 好きで好きでしかたなかったり、だれかに評価されたかったわけではなく。 1輪の本当のバラは沈黙しているだがその沈黙は、バラについてのリルケのいかなる詩句にも増して、私を慰める。言葉とは本来そのような貧しさに住むものではないか。バラについてのすべての言葉は、1連の本当のバラの沈黙のためにあるのだ。言葉はバラを指し示し、呼び、我々にバラを思い出させる。それはまた時に我々により深くバラを知らしめ、より深く我々とバラを結ぶ。だが言葉自身は決してバラそのものになることができない。まして、それを超えることができない。言葉はむしろ常に我々をあの本当のバラの沈黙に帰すためにあるのではないだろうか。

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2019/10/29

オススメです。 言葉が好きな人はぜひ読んでください。 背表紙から読むと、英語翻訳版ものせてくれています。

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2020/05/10

これが今から半世紀以上前に、自分の祖父よりも年配の人が書いた詩だとは、とても思われない。この詩集から受ける作者の印象は、良くも悪くも世間に頓着しない、育ちの良い青年といったところだ。中性的というよりは無性的な、童話めいた世界観はどこかユーモラスで、時に可愛らしくすらある。まったく...

これが今から半世紀以上前に、自分の祖父よりも年配の人が書いた詩だとは、とても思われない。この詩集から受ける作者の印象は、良くも悪くも世間に頓着しない、育ちの良い青年といったところだ。中性的というよりは無性的な、童話めいた世界観はどこかユーモラスで、時に可愛らしくすらある。まったく、世の中が朝鮮戦争特需やマルクス主義革命などで騒然としていた時に、火星人の生活に思いを馳せ、それを (或はネリリし キルルし ハララしているか) などと表現してしまう青年が、地球の男に飽きた女たちに愛されなかった筈がない。もっとも、社会の中心にいた男たちとの心の距離は、二十億光年程度では済まなかっただろう。20世紀の日本において、たぶん谷川氏は地球人より、むしろ火星人寄りであった。それは、次のようなフレーズからも明らかである。  万有引力とは  ひき合う孤独の力である こんなふうに、地球の科学体系を超越した宇宙的公理をサラリと書いてしまうのは、谷川氏が別の惑星からやって来た異星人だからに違いない。地球にひとりぼっちの異星人が故郷を偲んで書いたものだとすれば、この詩集の突然変異的な斬新さも、孤独という割には人間関係に全く拘泥していない感じも、いくらか納得いくのである。  二十億光年の孤独に  僕は思わずくしゃみをした 世間知らずの青年のフリをした異星人は、今や世間知らずの老人のフリをした異星人として、現役で地球を侵略中である。最も効率的なやり方は子どもたちを洗脳することだと知っている彼は、絵本や教科書にたびたび登場し、その難解な宇宙語を通して、地球人の頭を柔らかくするプロジェクトを完遂しようとしている。……

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2019/02/11

みずみずしいね。荒削りで、少し読み疲れる。その中でも、やっぱり二十億年の孤独の詩は、一際衝撃的。ポップで、キッシュで、寂しくて、面白い。さらに戦後の時代背景も組み合わさったらスターダムに上がるのも納得するね。

Posted byブクログ

2018/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家の本棚にあったので再読しました。 まず、巻頭の三好達治さんの 「はるかな国から」序にかへて がすばらしいです。 ああ、すごい若者が現れたんだな。というのがよくわかります。 「わたくしは」 もなんかいいですね。 「運命について」 なんだか映像が、コマ送りでみえる気がします。 「春」 のどかな中にドキッとする描写もあります。 「周囲」 自分がちっぽけなんだけど、存在はしています。 「はる」 とても無垢です。 「演奏」 ピアノが鳴って空を飛んでいるのがみえるようです。 あとがきのあとに載っている、「私はこのように詩をつくる」も面白かった。 「ネロ」という犬の詩をどのようにつくったかが記されています。 巻末は、W・I・エリオット氏による詩の英訳がついています。 解説で、山田馨さんが『二十億光年の孤独』の少年像は絶対の孤独感という眼鏡をかけた、あの少年にしか書けなかった世界だと思うと結んでおられます。

Posted byブクログ

2019/08/16

昔考えていたことや感じていたことが、よみがえる。ことばという実体を与えられて、「あのとき私が思っていたことは、こういうことだったのか」「私が感じていたことはこういうことばで表すことができるのか」というような発見につながる。 「静かな雨の夜に」がいちばん好きだ。

Posted byブクログ