二十億光年の孤独 の商品レビュー
さくっと読むつもりが思いのほか読むのに時間を要した。 1949年冬から1951年春頃までの作品から、1952年に谷川さん自身が選んだ作品たち。 それに加え「自註」「私はこのように詩をつくる」「私にとって必要な逸脱」「自伝風の断片」「自筆ノート」が収録されていて、詩の理解を更に深...
さくっと読むつもりが思いのほか読むのに時間を要した。 1949年冬から1951年春頃までの作品から、1952年に谷川さん自身が選んだ作品たち。 それに加え「自註」「私はこのように詩をつくる」「私にとって必要な逸脱」「自伝風の断片」「自筆ノート」が収録されていて、詩の理解を更に深めることが出来た。 音読するときっと気持ちよさそうな、独特のリズム感を持つ生き生きとした、みずみずしい言葉たちはしかしはじめから最後まで、「絶対的な孤独感」に包まれている。 18歳でこんな詩を書いていたなんて驚きだ。 丁寧な丸文字で書かれた自筆ノートからも少年の人となりを垣間見ることができるし、巻末の、編集者の山田馨さんの解説による新進詩人の誕生のエピソードも読み応え十分だった。 今の、自在に言葉をあやつる大詩人である谷川さんにして『二十億光年の孤独』の少年像は絶対に書けないであろうとここで山田さんが記している。 谷川さんの辛かったその時期、その瞬間だからこそ生まれた「静かな明るさのなかに、生きることをよろこぶ少年がいる世界」。 裏表紙からは英語に翻訳されたものが読めるんだけど、英語がなんのこっちゃ分からなくても、字を追うだけで自然に英語教材のリズミカルで美しい英語が聞こえてきてしまうような静謐さ。 なんだかよく分からないんだけど、どうしようもなく心を掴まれて仕方ない、時間をかけて何度もゆっくりと読みたい詩集。
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時代が違うからというかそもそもの表現の仕方が抽象的すぎてそれが詩なのだけど私にはついていけない作品ばかりであった。 しかし終わりの方の文章のほうは分かりやすく、本物のバラを越えることなんてできなくて、寧ろその沈黙のために言葉があるというのはよかった。 病院あたりで事実ではなく...
時代が違うからというかそもそもの表現の仕方が抽象的すぎてそれが詩なのだけど私にはついていけない作品ばかりであった。 しかし終わりの方の文章のほうは分かりやすく、本物のバラを越えることなんてできなくて、寧ろその沈黙のために言葉があるというのはよかった。 病院あたりで事実ではなく漠然とした概念とイメージと感覚で科学と事実を信じない人のようで物凄く勝手に距離を覚えた。事実は事実だ。的外れかもしれないが、ただ理解できなさ過ぎて悔しくて不快なのかもしれないが、感覚が違う。それにつきた。同じものを同じ状況で見ていないから当たり前なのだが、共通点があるからこそ面白くて少し近づくことができるのだと感じる。
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いま目の前にある風景や感情を言葉にできたら、どんなにいいだろう。言い表すことのできない孤独も。言葉を産んでくれる詩人に感謝したい。
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詩は過度に情緒的だったり意味が分からなかったりして基本的に苦手です。ただ、この谷川俊太郎の詩集は意味が分からなくても音と優しい雰囲気で楽しめると思います。天気のいい日に外でパラパラ見るとか、子供と声を出して読むとかするのにいいですね。くしゅん!
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氏が18歳のとき、大学へも行かずにどうする気だと父親に問われて止むを得ず差し出した2冊のノート。それに収められていた中から50篇が本書には収録されているとのこと。 谷川俊太郎の詩ってこういうリズムだったっけ、と不思議な気持ちになる。教科書で読んだのはだいぶ昔なので、久々に触れると...
氏が18歳のとき、大学へも行かずにどうする気だと父親に問われて止むを得ず差し出した2冊のノート。それに収められていた中から50篇が本書には収録されているとのこと。 谷川俊太郎の詩ってこういうリズムだったっけ、と不思議な気持ちになる。教科書で読んだのはだいぶ昔なので、久々に触れると言葉の宇宙に予告なく放り込まれたようだった。 やはり表題作が特に好き。
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使われている日本語自体は易しく子どもでも理解できるものですが、意味が難解で…詩初心者には理解しづらいです。 本の表題にもなっている「二十億年の孤独」という作品の解説は、NHKで放送していた番組を観てなんとか理解できました。 音読すると、音のリズムが感じられて楽しいです。 日本語...
使われている日本語自体は易しく子どもでも理解できるものですが、意味が難解で…詩初心者には理解しづらいです。 本の表題にもなっている「二十億年の孤独」という作品の解説は、NHKで放送していた番組を観てなんとか理解できました。 音読すると、音のリズムが感じられて楽しいです。 日本語の美しさを感覚で味わうことができます。 この本はまた何年か後に読み返して、何度も向き合ってみたいと思います。
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本を読みたいわけじゃないけど、なんとなく本を見たい時は、詩を読むことが多い。 英訳がついていて、それを読むのも楽しい。 その時々で、心に響くものが違うのが詩の醍醐味だと思う。
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共感できる詩とそうでない詩と、感性や気分や自分の成長度合いによって変わってくるだろう。今の私にぴったりくる詩は少なかったけれど、また手に取って読み返したいと思った。二十億光年の孤独にくしゃみをする自分に微笑みかけたい。
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谷川俊太郎さんは、1931年12月15日生まれなので、間もなく、89歳になります。 「二十億光年の孤独」は、1952年に発表されたものなので、谷川さんが若かりし頃に書かれた作品集になります。 私の現在の年齢が59歳であること、詩心とは無縁であること、などで、この作品を味わうこ...
谷川俊太郎さんは、1931年12月15日生まれなので、間もなく、89歳になります。 「二十億光年の孤独」は、1952年に発表されたものなので、谷川さんが若かりし頃に書かれた作品集になります。 私の現在の年齢が59歳であること、詩心とは無縁であること、などで、この作品を味わうことはできず。 ツマミ読み程度。
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「二十億光年の孤独」は、1952年、谷川俊太郎、21歳の際のデビュー作である(初版は創元社刊)。 この集英社文庫版は、元々の詩集に谷川の自註、詩論、自伝風エッセイが付き、山田馨の解説が付される。少年だった谷川が詩を書きとめていた自筆ノートの画像も収録され、さらにはW.I.エリオッ...
「二十億光年の孤独」は、1952年、谷川俊太郎、21歳の際のデビュー作である(初版は創元社刊)。 この集英社文庫版は、元々の詩集に谷川の自註、詩論、自伝風エッセイが付き、山田馨の解説が付される。少年だった谷川が詩を書きとめていた自筆ノートの画像も収録され、さらにはW.I.エリオット/川村和夫による英訳版も収められるというなかなか盛りだくさんな1冊となっている。 冒頭に三好達治が序として詩を寄せる。谷川の父・哲学者の谷川徹三の友人でもあったわけだが、好意からというよりは(もちろんそれもあったのだろうけれども)、本当に鮮烈な驚きが一文に込められているように思われる。 詩は18歳から20歳のころに書き溜められていたもの。 「若さ」を感じさせる。透明で、孤独で、でもどこか快活で。 「個」として厳とそこにありながら、その手は遠く彼方へと差し延ばされる。 小さな「我」は、しゅんと背筋を伸ばして立つ。 三好は若き詩人を水仙花に譬えている、 清冽にまっすぐに、細くもしなやかに、彼はそこにあるのである。 1つ挙げるなら、やはり表題作だろうか。 万有引力とは ひき合う孤独の力である 宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う 宇宙はどんどん膨らんでゆく それ故みんなは不安である 二十億光年の孤独に 僕は思わずくしゃみをした 二十億光年とは、谷川の自註によれば、当時の谷川少年が宇宙の直径と認識していた距離である。 1950年、ビッグバン理論が捉えられており、宇宙は膨張していくとされていた。 その広大無辺な空間のただ中に、少年は一人立ち、くしゃみをしたりなどするわけである。 別の季節に触れる詩もあるのだが、全体から何となく思い浮かべるのは、清冽な冬の朝の空気である。静かで密やかですがすがしい。 詩論の中で、詩人はこう述べる。 バラについてのすべての言葉は、一輪の本当のバラの沈黙のためにあるのだ バラについて語る言葉はバラを超えることはない。詩人はそれを知りつつ、その渇きのゆえに詩を書く。 その覚悟に胸を突かれる。 *英訳の方では、「たちまち」とか「思わず」の場面でsuddenlyを使うのだなぁと思ったり、詩の中には朝鮮戦争の影があるものがある等、日本語版にはない解説もあり、なかなかおもしろかったです。「秘密とレントゲン氏」という作品ではレントゲン氏をMr. X-Rayと訳しているけど、これはちょっとレントゲン博士を重ねているんだと思うので、Mr. Roentgenのままの方がよかったんじゃないかと思ったり。まぁ、多分英語圏でレントゲンとは言わないからなんでしょうね。 ともあれ、全般にちょっと難しかった(^^;)。自分の実力的にやはり英詩を原語で楽しむレベルまで行っていないんだと思います。
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