寒い国から帰ってきたスパイ の商品レビュー
話が込み入っていて、筋立てを追うのがなかなか難しかったが、個人より組織を優先させる考え方の残酷さ、そして、優先された組織の恣意に踏みにじられる個人の悲しさが胸に迫った。
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今となってはあまり想像ができなくなってしまったベルリンの壁を越えることの恐怖をあらためて思い起こさせられる冷戦時代の物語。等身大の人間が思想や政治は背景にありながらもそれぞれの置かれた局面で、情報そして暴力を駆使して東西陣営に分かれて闇の中で闘う。そんな中での一エピソード的な重く...
今となってはあまり想像ができなくなってしまったベルリンの壁を越えることの恐怖をあらためて思い起こさせられる冷戦時代の物語。等身大の人間が思想や政治は背景にありながらもそれぞれの置かれた局面で、情報そして暴力を駆使して東西陣営に分かれて闇の中で闘う。そんな中での一エピソード的な重く暗い話だけどこんなことが結構普通に起こっていたことなんだとでもいうような語り口が印象的。 流石に翻訳が古いな。
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出版社 : 早川書房 (1978/5/1) 発売日 : 1978/5/1 言語 : 日本語 文庫 : 334ページ
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1978年発行ということなんで私が生まれる一年前。結構古いですね。スパイ小説の金字塔と紹介されたら、見ないわけにはいかない。面白かったんだけど、やはり洋書ということでスッと理解できないときがあるのと、字が小さい‥。老眼が始まってる私にはちと辛い。やはり、ラストシーンが印象的でした...
1978年発行ということなんで私が生まれる一年前。結構古いですね。スパイ小説の金字塔と紹介されたら、見ないわけにはいかない。面白かったんだけど、やはり洋書ということでスッと理解できないときがあるのと、字が小さい‥。老眼が始まってる私にはちと辛い。やはり、ラストシーンが印象的でしたね。それは見てください。
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誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか、信じる根拠も曖昧な諜報の暗く陰惨な世界。ベルリンの壁建設後の60年代初め、英国情報部員アレック・リーマスは、ある任務を託されるが、その任務自体に幾重もの巧詐があり、真の目的を完遂する為に利用され、騙され、操られ、偽情報を渡される。全て目的は...
誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか、信じる根拠も曖昧な諜報の暗く陰惨な世界。ベルリンの壁建設後の60年代初め、英国情報部員アレック・リーマスは、ある任務を託されるが、その任務自体に幾重もの巧詐があり、真の目的を完遂する為に利用され、騙され、操られ、偽情報を渡される。全て目的は手段を正当化するという原則に基づいた情報部のシナリオ通りだったと気付いた時は… 複雑な伏線が至る所に張られ、読了後に確認して合点させられる。
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アマプラで“ナイトマネージャ”を見終えて、手元にあったこの小説を読み始めた。 流石・・スパイ小説の古典、金字塔である。 冷戦当時のリアリティと60年代を思わせる「歴史の進行、弁証法の必然性」といった表現等に時代を感じる。全体を覆う暗いトーンは新たな流行だったのだろうか。 査問会以...
アマプラで“ナイトマネージャ”を見終えて、手元にあったこの小説を読み始めた。 流石・・スパイ小説の古典、金字塔である。 冷戦当時のリアリティと60年代を思わせる「歴史の進行、弁証法の必然性」といった表現等に時代を感じる。全体を覆う暗いトーンは新たな流行だったのだろうか。 査問会以降は最後まで一気読み。作品中の論述、展開の面白さに引き込まれてしまった。 翻訳の一部に⁇と思わせる箇所もあるが、これは翻訳小説のあるある、気にはならない程度。 後で映画の方も見てみるつもりだ。
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ジョン・ル・カレを読まずして旅立つことはできないのだよ諸君 ただ、ひとつだけ告白しておこう ずっとジョン・カレ・ルだと思っていたよ バーモントか! はい、スパイ小説の教科書と言っても過言ではない『寒い国から帰ってきたスパイ』です 1961年刊行でイギリスとアメリカの最優秀ミス...
ジョン・ル・カレを読まずして旅立つことはできないのだよ諸君 ただ、ひとつだけ告白しておこう ずっとジョン・カレ・ルだと思っていたよ バーモントか! はい、スパイ小説の教科書と言っても過言ではない『寒い国から帰ってきたスパイ』です 1961年刊行でイギリスとアメリカの最優秀ミステリー賞を同時受賞した傑作であります いやー、こっち側もいいですなぁ 巻末の解説にもありますがいわゆるスパイ小説というのは「超人的な能力の持ち主である主人公が、《手に汗握る危機一髪》的な事件で活躍する《神話》であった」のに対して本作は圧倒的なリアリズムを持ってスパイの世界を描いているんですな そしてもちろん、それだけでは英米同時受賞なんてことにはならないわけで、とんでもないどんでん返しとスパイの世界を象徴するような結末が待っているわけです いやー、ジョン・カレー・ルー(開き直った)おもろいわ! スパイ小説、どっち側もおもろいわー!
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スパイ小説の古典といっていいほど有名な本。スパイ小説ということもあり、諜報活動において注意しなければならない決まりや原則が所々言及されている。たとえ非道なやり方であったとしても、必要とする情報を得るために容赦なく行動する様は、まさにスパイのあるべき姿である。また、本作の冒頭にお...
スパイ小説の古典といっていいほど有名な本。スパイ小説ということもあり、諜報活動において注意しなければならない決まりや原則が所々言及されている。たとえ非道なやり方であったとしても、必要とする情報を得るために容赦なく行動する様は、まさにスパイのあるべき姿である。また、本作の冒頭における男女間の描写も、スパイならではの描写である。異性のちょっとした関係から、活動に大きな支障をきたす職業はほかにないだろう。
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MI6出身の著者によるハードボイルドなスパイ小説。やはりスパイものは冷戦の頃が一番おもしろい。 実際に存在した高位の役職に着いた二重スパイをモデルにしたのだろうか。 東ドイツ側のスパイハンターであるムントを失脚させるためのミッションにアサインされたMI6リーマスは東ドイツ側に...
MI6出身の著者によるハードボイルドなスパイ小説。やはりスパイものは冷戦の頃が一番おもしろい。 実際に存在した高位の役職に着いた二重スパイをモデルにしたのだろうか。 東ドイツ側のスパイハンターであるムントを失脚させるためのミッションにアサインされたMI6リーマスは東ドイツ側に寝返ったフリをして潜入するが、ミッションの本当の狙いを知らされていなかった。実はムントはMI6側の二重スパイで、ムントへの疑惑を振り払うことがMI6の本当の狙いであった。 p210 思想について語り合うシーンが印象的。
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