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しゃぼん玉 の商品レビュー

4.1

315件のお客様レビュー

  1. 5つ

    92

  2. 4つ

    140

  3. 3つ

    54

  4. 2つ

    7

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    2

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2014/04/19

乃南アサさんの本は初めて読みました。 物語は、後半にまだ若い主人公の人生と、無関係の土地での人生経験豊かな老人たちとの繋がりから、徐々に主人公の心が代わっていく心模様を旨く表現している。 やりなおせる人生を「シャボン玉」に例え、今度も消えて無くならないような生き方を主人公を通じ...

乃南アサさんの本は初めて読みました。 物語は、後半にまだ若い主人公の人生と、無関係の土地での人生経験豊かな老人たちとの繋がりから、徐々に主人公の心が代わっていく心模様を旨く表現している。 やりなおせる人生を「シャボン玉」に例え、今度も消えて無くならないような生き方を主人公を通じて読者に伝えたかったのだろう。後半は泣けるシーン。

Posted byブクログ

2021/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

泣けた。都会に住む若い主人公が、ひったくりなどを繰り返し挙句、逃げた先に九州の田舎にたどり着く。そこで出会った老婆との心温まる物語。家庭不和、目的のない人生、なんでも「しょうがない」と片付け「投げ出したい、逃げたい」と無気力になる。自身を「しゃぼん玉」のように希薄な存在と感じていたが、老婆おスマやシゲ爺などの人々の優しさで人としての輪郭を取り戻していく。優しさは包み込むものであったり、厳しいものであったり。黒木嬢や豊昭氏の出会いで今迄の自分のしたことを鏡のように見せつけられ、ラストに至るのであるが、人の心の弱さはまさにしゃぼん玉だ。フラフラとし楽な方向へ逃げようとする心理描写が自然で圧巻。最後はおスマに頭を撫でてもらえただろうか。

Posted byブクログ

2014/03/08

学校の先生におすすめされて読みました。 通り魔や強豪障害を繰り返して逃避生活を続けていた翔人は怪我をしたお婆さんを助け(正確には仕方無く)、お婆さんの家で世話をしてもらうのです。 どうしてお婆さんは翔人の世話を焼こうと思ったのでしょうか。単純に考えれば命の恩人だからなのかもしれま...

学校の先生におすすめされて読みました。 通り魔や強豪障害を繰り返して逃避生活を続けていた翔人は怪我をしたお婆さんを助け(正確には仕方無く)、お婆さんの家で世話をしてもらうのです。 どうしてお婆さんは翔人の世話を焼こうと思ったのでしょうか。単純に考えれば命の恩人だからなのかもしれませんが、自分の息子と影を重ねていたのかもしれないと思いました。 わたしはお婆さんが何度も繰り返した「ぼうは、ええ子」という言葉が印象的です。その言葉が翔人に自首をさせ新しい人生を選ばせたのだと思います。エピローグで3年ぶりに村に戻った翔人を笑顔で受け入れる村人たちと翔人になんだか涙が出ました。そして親と子の悲しいサイクルが怖かったです。親も親なら子も子なんですかね。子が悪ければ親が悪くて、親が悪ければその親が悪いのかなぁ。キリが無いだろうけどそんなことは無いだろうと信じたいです。

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2014/02/06

「ぼうは、ええ子」。 このセリフを思い出すだけで、じんわりしてくる。 ここに出てくる婆ちゃんは、決して優しいだけじゃない。したたかで、芯が強くて、ちゃんといろいろ考えてる。黙ってるけど、たぶん、色々いろいろ考えてる。 翔人の代わりに、いや、翔人も言っただろうけど、私も婆ちゃん...

「ぼうは、ええ子」。 このセリフを思い出すだけで、じんわりしてくる。 ここに出てくる婆ちゃんは、決して優しいだけじゃない。したたかで、芯が強くて、ちゃんといろいろ考えてる。黙ってるけど、たぶん、色々いろいろ考えてる。 翔人の代わりに、いや、翔人も言っただろうけど、私も婆ちゃんに「ありがとう」と言いたくなりました。たぶん、その言葉は涙で震えてる。

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2014/01/03

翔人が逃げてたどり着いたのは小さな村。そこで出会ったおスマじょう、シゲ爺。今まで誰からも愛されずシャボン玉のように暮らしてきた翔人が初めて経験する温かい生活。そこには厳しくも温かい無償の愛があった。 人から愛されること、褒められること、頼りにされること、それこそが存在するというこ...

翔人が逃げてたどり着いたのは小さな村。そこで出会ったおスマじょう、シゲ爺。今まで誰からも愛されずシャボン玉のように暮らしてきた翔人が初めて経験する温かい生活。そこには厳しくも温かい無償の愛があった。 人から愛されること、褒められること、頼りにされること、それこそが存在するということ。 ラストは目頭があつくなる。だって、「ぼうはええ子だから」

Posted byブクログ

2013/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帰る家も頼る家族も仕事も何に一つ持っていない ただ漂うようしゃぼん玉のように生きてきた翔人。 そんな翔人にとって温かく何品もある食事、シーツのかけられた布団、汗水垂らして働いた後のご飯やお風呂、どれも当たり前の事の様だけど穏やかで幸せの象徴に感じられたと思う。 スマ婆ちゃんやシゲ爺、村の人たちとの愛のある温かい生活の中で徐々に変わっていく翔人の心の変化が丁寧に描かれています。 自分を想ってくれる人、自分が想う人、帰る場所が出来ると人はこんなにも変わる事が出来る。良かったね翔人。 ☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.: 田舎って良いですね。描写が上手くて、自分も一緒に住んでいるように感じられました。

Posted byブクログ

2013/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

田舎っていいなー。人生の先輩たちは偉大だなー。 ラストは涙。読後はホッとするお話でした。 シゲ爺の言葉や態度がかっこよくて好きでした。

Posted byブクログ

2013/09/24

主人公が生活することになった村がとても良い所でした。田舎ならではの人との繋がりを感じます。何かと接触すると消えてしまう、しゃぼん玉がしっかりとした存在になるまでの成長が感動的でした。

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2013/09/18

小悪党っぽいが立派な犯罪者である主人公が逃げた先に辿り着いた山奥の村。 出合った老婆と暮らすうちに……。

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2013/09/06

世の中には心根の腐ったどうしようもない人間がいると私は思っている。赤ちゃんで産まれた時は決して良い子とか悪い子とかの区別はないはずなのに、家庭や環境が人を作るのだと思っている。この本は、どうしようもないワルが、偶然行き着いた山奥の村で、老婆と暮らしながら、村人たちと関わることで、...

世の中には心根の腐ったどうしようもない人間がいると私は思っている。赤ちゃんで産まれた時は決して良い子とか悪い子とかの区別はないはずなのに、家庭や環境が人を作るのだと思っている。この本は、どうしようもないワルが、偶然行き着いた山奥の村で、老婆と暮らしながら、村人たちと関わることで、心を改める過程が丁寧に描かれている。簡単ではないことが、どうやって改心に至るのかが、読みどころ。褒めてもらえること、認めてもらえること、大事にしたい人がいること。途中ワルの悪っぷりにこいつ絶対ダメでしょってさじ投げたくなりながら…… 読後感素晴らしくよかった〜。

Posted byブクログ